金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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米国景気はmodestでmoderateな回復

2014年04月17日 | ニュース

昨日(4月16日)発表された地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、冬の寒気で萎縮していた米国経済はmodestでmoderateに回復している。

modestとmoderate、どちらも「穏やかな」というイメージだがmodest(控えめ)の方は「緩慢な」と訳しmoderateの方は「緩やかな」と訳すことが多い。moderate(穏健な、手頃な)の方が若干回復速度は速いのだろう。

地区別ではシカゴ、フィラデルフィア、ニューヨークなどで景気は加速したが、クリーブランドとセントルイスでは経済活動は低下。住宅市場は価格は高止まりで在庫水準は低下。

景気は回復基調だが、昨日イエレン連銀議長は、ニューヨークのエコノミック・クラブでのスピーチで連銀は債券購入プログラムを削減しても低金利政策は継続すると約束した。

ベージュブックはほとんど相場にインパクトを与えなかったが、昨日発表の3月の鉱工業生産指数(前月比0.7%)や連銀議長発言、ヤフーの予想を上回る好決算を好感して相場は続伸。ダウは162.29ポイント(1%)上昇して16,424.85ポイントになった。

ただしこの日四半期決算を発表したグーグルは、増収増益ながら、利益はアナリスト予想平均以下だったことから時間外取引で株価は約3%急落した。グーグルの純利益は3.2%増え、一株あたり利益は6.27ドルになったが市場予想6.41ドルには届かなかった。

グーグルの利益が市場予想以下だったことは、サーチエンジンの巨人にもスマートフォン等に広告がシフトしていることを示唆していると判断されたようだ。

個々の株価は、企業業績への期待とその乖離度合いによって動く。

ただし全体としては冬の寒気で縮こまっていた経済活動が再びピックアップすることに期待が高まっているようだ。

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