今日青梅街道を自転車で一っ走りして善福寺の井草八幡宮をお詣りしてきた。なぜ急に井草八幡か?というと昨日午後6時からのTV番組「神社百景」http://www.bs-j.co.jp/graceofjapan/ で井草八幡が取り上げられていたからだ。
自宅から井草八幡へは6.5kmほど。青梅街道を走る時は目にする神社なのだが、今日の今日までお詣りしたことがなかった。
青梅街道に面した参道を進むと色鮮やかな楼門がある。人影は少なく(テレビで観たからといって飛んで来る物好きはそうはいないか?) 、掃き清められた参道はおごそかだった。
本殿で四海泰平を祈願して外にでると、良い言葉を書いたポスターに出会った。
オムロン創業者の立石一真氏の「最もよく人を幸福にする人が最もよく幸福になる」である。
もし自分が幸せになりたいと願うなら自分だけの幸せを願っていてはいけない。自分の家族や友人に不幸な人がいると自分が本当に幸せを感じることはできないからだ。
家族や友人は私の知らない人の輪でもっと大きな世界につながっている。だから自分が幸せになりたいと思うなら、世の中全体の幸せを祈るのが良い・・・・という理屈になる。
本殿の前に源頼朝が神霊を感じて、奉納したという松(二代目)があった。
この界隈(杉並・中野方面)には幾つか「八幡神社」がある。荻窪八幡宮、鷺宮八幡神社、大宮八幡宮などである。
八幡大神は源氏の守り神で、この界隈の八幡神社は11世紀中頃の前九年の役で活躍した源頼義・義家親子が寄進を起源とするものが多い(この井草八幡は源頼朝の寄進した松で箔付けを行っている)。
源義家を慕うこの界隈の武士たちが荘園を寄進したことがうかがえて興味深い。
ついでにいうと、私の住んでいる西東京市は水の便が悪いところ(昔は水田ができなかったので「田無」と呼んでいた)だが、善福寺池のあるこの一体は昔から水利が良く、神社の立札によると「石器時代の住居跡が数多く発見された」とある。
ちなみに私がたまに初詣に出かける西東京市では有名な東伏見稲荷神社は昭和4年に京都の伏見稲荷大社から分霊して建立されたというから大変新しい神社だ。
西東京と井草八幡は5,6kmの距離で車でも自転車でも一っ走りの距離で今は町並みにさしたる違いを感じない。しかし千年ほど前は片方は豊かな水に助けられて豪族が神社を建立し、もう片方は水不足であまり豊かな集落はなかったようである。
近くの神社をお詣りしながら、半可通の歴史知識であれこれ考えるのは楽しくてお金のかからない遊びである。
井草八幡の駐車場には富士塚があった。
富士塚は江戸時代に本当の富士山に参詣できない人(婦女子や体の悪い人)のため作られたもので都内に50位あると聞く。いつの日か少し考察してみたいテーマである。