レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

カミサン伝説18「幸福の像編4」

2009-04-25 12:32:53 | 小説
カミサン伝説18「幸福の像編4」

 「どう、私の作戦」
 「さすが詐欺師を騙そうなんて
根っからの詐欺師だすな」
 「けなしてるの、褒めてんの」
 「もちろん、褒めてるだすよ」
 ぶるっていたもとえだったが、
ある悪知恵を思いつき急に強気になっていた。
 「あとは、あなたの口と教え子次第ね」 
 「任せるだすよ。頭も容姿は悪いだすが、
ロボットのように動くのだけが取り柄だすから」
 「どちらが?」
 「もちろん、子分だすよ。
まさか、僕だと思っただすか」
 「ノン」
 「あはは、
じゃあ隠しカメラと盗聴器を仕掛けておくから
よーく僕の腕前を見るだすよ」
 「最初は任せたわよ、あおむ先生」
 
 サギエは例のインチキ像を
20個持ってくるようにメールで注文され、
半信半疑であったが、指示された場所へ行った。
 たまにそのまま買うバカもいるが、
値段が値段だけに直接みたいとか
グループで購入する人間がほとんどなので、
出張販売も珍しくないのであるが、
20個という大量注文は初めてだったので、
サギエは少し警戒していたのである。 

 呼び出されたビルの3階へ行ってみると、
そこは進学塾だった。
 鍵のかかってない扉を開けて、
サギエが中へ入ると、
いかにも頭の悪そうな浪人生風の男たちが
椅子に腰掛けてサギエの顔を見るなり、
何かこそこそ言っていた。
 「写真と違って、ブスじゃないかよ」
 「それより、何度、あの貧乳」
 「足を見ろ、俺より短いぞ」
 「本当に今年試験受かるのかよ」
 サギエはいつものことなので、慌てず、
 「えー、本来は教祖様ご自身が伺うべきところですが、
教祖様はあのとおりお美しいので、モデルもやっております。
 今日は急なご注文でしたので、
私のような不細工が伺い、
恐縮ですが、
私が代理で商品のご説明をさせていただきます。
この像は数に限りがありますので、
無理にご購入いただかなくても結構ですので、
商品の説明だけさせていただきます」と
 サギエが頭の悪そうな生徒に説明を始めたところへ、
異臭と共にあおむが登場した。
(続く)



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