レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

第12弾「消えた宝石」

2009-04-16 10:57:04 | 小説
第12弾「消えた宝石」

 「要するに奥様」
 「あのー、私今は独身ですので、
できればマツメとお呼びしていただけないでしょうか」
 「わかっただす。
要するにえー、マツメさんの二番目の妹タケノさんと
亡くなったご主人が浮気をして、
ついには心中ということになったということだすな」
 「あのータケノで結構です。
それから死んだ夫はサンタロウと呼んでください」
 「そうだすか。
えー、サンタロウと駆け落ちしたとき、
タケノはこの屋敷にあった
先祖代々受け継がれてきた宝石類を
全部持ち出したということだすが、
お二人の遺品や心中したホテルの貴重品入れにも
一切それがなかったということだすな。
そして、現金だけでも十数万それにカード類も残っていて、
盗難の可能性も低いということだすな。
また、質屋等を調べても売却した形跡はなかったということだすな。
もちろん、
遺体を火葬した際も貴金属類は出て来なかったということだすな、
だいたいそんなところだすか」
 「そのとおりでございます。
もちろん、心中したことは私とウメナとサルエと
警察関係者以外しか知りません。
マスコミには事故死ということになっております。
また、宝石のことも一切公表しておりません」
 「で、僕が探し出すのは
そのタケノが持ち出した宝石ということでよろしいのだすな」と
 あほむが言いかけると、
 「えー、マツコさん」
 「マツメです」
 「失礼しました。マツメさん、
その宝石の価値はどのくらいするのですか」と
 かおむが急に口をだす。
 「価値と言われましても」
 マツメは考え込む。
 「探偵といってもビジネスですから、
探し出した場合の報酬と手付金を決めないといけませんので、
そのためには大体の価値を教えていただけないでしょうか」
 「失礼しました。謝礼はもちろん用意しております。
ご高名な先生方にご依頼するのですから。
えー手付で300万、
宝石を探し出していただけたら、
3000万というのでは少ないでしょうか」
 あほむが頷こうとすると、
 かおむがあほむの足を踏むと、
 「うーん」と考え込む。
 「少ないでしょうか」
 マツメが心配そうにかおむの顔を覗き込む。
 「うーん、少し安いですが、
マツメさんがお美しいのでその金額で契約しましょう」と
 かおむは笑っていう。
 「美しいなんて、おせいじがお上手ですね。
でも、ありがとうございます」と
 マツメは頭を下げる。
 「兄は金には厳しいのですが、
その分私の取り分を減らしますので」と
 かおむは調子いいことを言った。
(続く)
  


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