「あおむ、
そうするとオチタも殺され役だったのか?」
「そうだす」
あおむはそれしか答えない。
「怪しいなあ。
本当はあおむが黒幕だろう」
木太郎が、
鼻をほじりながらからかうように言うと、
「違うだすよ」
あおむがムキになって言うが、
「その場にいたのは、
アユメとチウメだけだからな」
と
エイタが、
アユメとチウメの方を見ると、
チウメもアユメも何か考えているようだったので、
「チウメとアユメ、
このあおむに初めてあったのはいつだ?」
と訊くと、
二人とも、
「例の惨劇の日の前日というか、
深夜です」
と
チウメが答えた。
「じゃあ、
オチタを見たのはいつか」
と
再び訊くと、
「同じです」
と
また、
二人はほとんど同時に答える。
「そうだ。
チウメ、オチタはどんな感じだった?
太郎と比べてどっちがイケメンなんだ?」
と
エイタが急に変な質問をする。
「好みの問題だと思いますが、
私は太郎くんの方がいいと思いますが、
そのオチタとかいう人も結構素敵な方だ
と思います」
チウメが答えると、
「私も結構素敵だと思いました」
アユメも訊かれていないのに答える。
「素敵ね。
一度でもいいから言われてみたいもんだな」
木太郎が鼻をほじりながら言うと、
「オタクは一生無理だろう」
と
いつきがそう言うと、
「お互いさまだろうが」
と
木太郎がいつきの頭を叩く。
「わりい、余計なことを訊いてしまった。
あおむに戻ろう。
さあ、最初から正直に話せ」
と
エイタがあおむにそう言った。
(続く)