佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

リーダー感覚38――参入障壁がうまく使えないとき

2007-03-03 09:23:54 | 戦略眼
◆かつて参入障壁は、海外に打って出るときには武器になったのだが…
 参入障壁というのは何かというと、たとえば、市場によそのメーカーが入ってくる際に、バリアを設けて、参入をしにくくすることです。これには意図したバリアとそうでないものとがあります。
 
 海外メーカーにとって意図しない障壁は言語でしょう。これはあえて解説するまでもないでしょう。
 
 また、ファッションもそうです。つまり、日本人の身体サイズが参入障壁だったわけです。

 最近でこそ日本人の背は伸びましたが、それでもまだ手足の長さは欧米人とは違うでしょう。私なんかは、外国の製品だと、腕が短いので袖があまってしまう。これでは、いくらデザインがいいなと思っても、買うのを踏みとどまってしまいます。
 
 昔はひどくプリミティブな話がありまして、イタリア製の財布を輸入したら、一万円札が入らなくて全然売れなかったという笑い話があります。こういうのも参入障壁なんでしょうかね。
 
 靴もそうですね。日本人はだいたいにおいて足の幅が広く、甲が高いと聞いたことがあります。イタリアの靴なんかは幅が細くて、とても無理です(私の場合)。
 
 余談ですが、足の爪先を詰めるような先の細い靴は体によくありませんよ。特に女性。おしゃれもいいですが、子供が産めない体にだってなりかねないくらい、危険です。足は頭とも密接な関係があるので、締め付けるのはとても危険です。
 
 今では、そういうところを日本人向けに修正して販売している海外ブランドが多いのでしょう。しかし、そこまでやるには、日本市場で売れるという確信と、本気で日本市場で勝負するという気構えがないとなかなかできません。
 
 バブルのころは、地価が参入障壁になっている、と言う人がいました。土地が高くて、とてもじゃないが、都心でオフィスを持つ気がしない。しかし、日本では東京にいないとなかなか商売がしずらいということでしょう。
 
 今、西友にウォールマートが資本参加してやっておりますが、なかなかたいへんなようです。日本の消費者に合った商品を安く手当てして、それを提供するノウハウをウォールマートはもっていないようです。

 彼らが得意なのはアメリカ人のニーズにあった商品を安く大量に提供するノウハウであり、それが日本人相手には使えないらしいのです。そういえば、フランスのカールフール(大手流通企業)も幕張でうまくいかなかったようですね。
 
 その点、日本のコンビニは特に東南アジアでうまく成功しているようですね。コンビニは日本で開発されたシステムですが、どこかアジアの民衆には合うのでしょうか。
 
 それと、おにぎりが以外に受けているそうですよ。昔の中国人は、冷えたご飯は絶対食べなかったものなのですが。その習慣を変えさせたのは、ちょっとすごいことですね。もちろん、成功の影には多くの失敗があるのでしょうが。
 
過度な適応は環境変化に対応できない
 戦後の日本メーカーは、国内市場への参入障壁を有効に活用して、市場をガードし、さらにそれをてこに海外市場へと進出しました。
 
 しかし、この成功パターンをとれない業界があります。携帯電話事業の参加者たちです。
 
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