S嬢のPC日記

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「悪い言葉」と「生きる力」

2005年06月24日 | つぶやき
娘が成長の中で覚えていった言葉の中に、人に対して「ばか」とか「ジジィ」とか言うものがありまして。

「まあ、悪い言葉を覚えて。
 そんなことを言ってはいけません。」

と、わたしは言ったでしょうか。

答は「否」でございます。
返答として違う場合は「コラ」は言いましたが、言葉の使用自体は放置しました。
その理由ですが。

大人になっていく中で、本人が相手に対して怒りを覚えることという出来事も出てくるでしょう。
女の子ですから、性被害に遭う可能性も出てくるでしょう。
咄嗟に、何と言い返していいかわからずに、相手のペースに巻き込まれてしまうという可能性もあるでしょう。

そのときに、とにかく何でもいい、「相手に対して『悪い言葉』」を知っているかどうか、ここに大きな分かれ目がある。
「ばか」でも「ジジィ」でも「ウンコ」でもなんでもいい。
そこで言葉が出るか出ないかは、大きい。
そこで「否定の言葉」を発することで、相手に対して「NO」の態度を表明できるかということは大きい。
そこで「否定の言葉」を発することで、周囲の人間に「SOS」を出せる可能性を持つことも大きい。
「イヤ」だけではない、相手に対して罵りの言葉を知っているかどうかは、知的障害者として大きな「生きる力」の差があるんではないだろうかと。
たとえ稚拙な言い方であっても、それは生きていくための「サバイバル」としての言語になるだろうと。
そうした意味をこめて、わたしは「悪い言葉」を覚えた娘の成長を喜んだのでした。

そのことをわたしは、「それは暴力で犯罪なのです」という文章を読んで、改めて思い出しました。
娘に対して思う。
あなたの尊厳を揺るがされそうになるときに、必要なことは知的能力の高さではない。
あなた自身があなた自身を守る、尊厳という心を持ちなさい、と。
あなたはあなたのままで価値があるのだと、わたしはあなたに伝え続けるから。

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 歩いていこう「それは暴力で犯罪なのです」

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