S嬢のPC日記

2004年から2007年まで更新を続けていました。
現在ははてなで活動しています。

宇宙遊星間旅行

2005年08月20日 | 書籍紹介
復刊ドットコムというサイトをご存知でしょうか。
「絶版、品切れ」のため、手に入らなかった書籍を投票により復刊させよう、というサイトです。
わたしは投票を入れるために登録しています。

この復刊ドットコムからメールが来ました。
『上野紀子』 復刊特集ページの案内です。

この中に、わたしが復刊リクエストを出しているものがあります。
それが宇宙遊星間旅行です。
この本が、1981年の初版本のみで絶版になったのは、日本の文化のひとつの損失ではないかとさえ思っています。

初版本のみで絶版になったのは、おそらく絵本でありながら「大人向け」の要素が強いことと、絵本でありながら高価であることではないかと思っています。

この絵本のすばらしいところですが。

1.芸術性の高い「絵」
絵本というより、「画集」です。
ネタバレといえばネタバレなのですが「花が咲く土星」の絵は圧巻です。

2.ストーリー性の高さ
主人公のチコは斜視であることを気に病み、そのことを人に見せないようにするためにいつも望遠鏡をのぞいていました。
ある日、望遠鏡はチコの目に張り付き、離れようとせず、チコに次々と光景を見せていきます。
そしてチコは、ある「星」と出会います。
「星」はチコに大切なことを教え、そして宇宙のひとつの法則と共に去っていきます。
「星」が最期にチコに伝えた一言は「見うしなわないように」というものでした。

3.「星」が伝える言葉の「哲学性」
「星」はチコに、「光速より速いもの」という存在を教えます。
光速より速いものとは、誰もが持っている力です。
それは「思考速」というもの。
星 :思考速というのは知ることではなく 思いをめぐらす速さのことです。想像する力 これは光速でも追いつくことができません。
チコ:思うことに速さがあるの?
星 :あります。たとえば 太陽の光があなたの眼にはいるまでに何分か かかります。でもあなたが太陽と思い浮かべるのに一秒もかからないでしょう。
(本文より引用)
4.ページの合間に解説がさりげなくおかれている
本文中で出てくる語句に関して、科学的な説明が記載されています。

ああ。
本文引用しても、全然ダメだ。
全然、伝わらない、伝えきれない。
わたしの「解釈」を入れたくないばっかりに、よくわからん説明になってないか?
だって、だ~って、この本は、
「読む人が感じる本」なんだもの、変な解説は入れられない。
でも、でも、これじゃ伝わらないじゃないか。
この本が絶版のままって、絶対に、日本の文化の一つの損失なんだってば。
見せたい人、読ませたい人はたくさんいるのに、
でも、そう簡単に貸したくないんだもの、「指紋つくとヤ!」だから。。。
用紙が黒いんですよ、それでもって「汚れがつく」のが「ヤ!」って感じなんですよ、「画集」なんだから。
だって、一冊しか持ってないんだもの。
もう買えないんだもの。

『上野紀子』 復刊特集ページ の 「宇宙遊星間旅行」 に、あなたの一票を。。。
もしも復刊された暁には、わたしは「秘蔵の一冊」に加えて、もう一冊買うつもりです。