柿渋さんのところで「流行歌」という記事を読みまして。
コメント欄では長すぎる話なので、記事上げしてTBします。
去年の今頃、さやかちゃんという6年生の女の子と話していました。
シチュエーションは、地域行事の後片づけ。さやかちゃんのママとわたしは役員だったので、作業をしていました。
作業をしながら、さやかちゃんに何気なく質問。
「クリスマス、何を買ってもらうの?」
「欲しいのはMDプレーヤー。でもママは絶対ダメって」
(ふり返ってママを見る)
「そうよ、買わないわよ、ジョーダンじゃないわよ、あんな高いもの。ポータブルのCDプレーヤー持ってんのよ、この子。何ふざけたこと言ってんのよ」
(さやかちゃん、無言でママ、一瞥)
はい、思春期始まってまして、ママとさやかちゃん、意志の疎通がうまくいかなくなり始めてました。ちょっとしたことで、一瞥の食らわせ合い。
で、わたしの立場と言えば「ちぃちゃんのママ」。
つまり、知的障害児の母ですが、知的障害児の母というのは、たいがいにおいて、普通の子どもから人気があります。
親が付き添わない場所に子どもに付き添ってることが多いので、「普通の大人」より子どもと接点があることに加え、知的障害児の母、特に言語能力の低い知的障害児の母というのは、たいがいにおいて、どんな子どもに対しても「一人前の相手として」対話をするのがごく普通になっています。
言語能力の低い自分の子どもに比べたら、どんな言い回しを使おうとも、どんな稚拙な表現を使おうとも、相手の言わんとしていることがとてもよくわかる。
つまり、知的障害のある自分の子どもによって、「子どもの言わんとしていることをくみ取る」トレーニングを積んでいるようなものだからです。
子どもは、この「自分を一人前と扱い、ちゃんと会話をしようとしてくれる大人」を、「友人」として扱ってくれます。
ママは怒る、さやかちゃんは黙る。
このシチュエーションで、わたしはさやかちゃんの腕を引き、彼女と対話を始めました。
はい、彼女が言えなかった「言い分」は予測通り。
CDは買わないと聞けない。録音ができない。MDプレーヤーなら、友達に録音してもらったりできる。
オッケー、了解、じゃ、ママんとこに行こうよ。
「MDプレーヤーが欲しいのはこういう理由。で『高いからダメ』ってのも理解してる。だからこの子が聞きたい曲の入ったCDを、わたしがレンタル屋から借りてくる。で、CDに焼く。レンタル代とメディア代はママに請求する。だからMDプレーヤーはいらない。」
凍結していた母娘の会話は解決。
一番聞きたい曲は何?
彼女、12歳だというのに、意外なセリフを口にしました。
「古いんだけど、いい?」
浜崎あゆみの「SEASONS」でした。
つまり、ドラマの主題歌。
この曲を収録したベストアルバムがCCCDにはなってなかったのも、ラッキーのひとつ。
何度も何度も聞いたそうです、渡したCD。
年齢という枠を超え、曲に自分なりのイメージがついてくるものというのが「大切な曲」ってものなんでしょうね、きっと。
コメント欄では長すぎる話なので、記事上げしてTBします。
去年の今頃、さやかちゃんという6年生の女の子と話していました。
シチュエーションは、地域行事の後片づけ。さやかちゃんのママとわたしは役員だったので、作業をしていました。
作業をしながら、さやかちゃんに何気なく質問。
「クリスマス、何を買ってもらうの?」
「欲しいのはMDプレーヤー。でもママは絶対ダメって」
(ふり返ってママを見る)
「そうよ、買わないわよ、ジョーダンじゃないわよ、あんな高いもの。ポータブルのCDプレーヤー持ってんのよ、この子。何ふざけたこと言ってんのよ」
(さやかちゃん、無言でママ、一瞥)
はい、思春期始まってまして、ママとさやかちゃん、意志の疎通がうまくいかなくなり始めてました。ちょっとしたことで、一瞥の食らわせ合い。
で、わたしの立場と言えば「ちぃちゃんのママ」。
つまり、知的障害児の母ですが、知的障害児の母というのは、たいがいにおいて、普通の子どもから人気があります。
親が付き添わない場所に子どもに付き添ってることが多いので、「普通の大人」より子どもと接点があることに加え、知的障害児の母、特に言語能力の低い知的障害児の母というのは、たいがいにおいて、どんな子どもに対しても「一人前の相手として」対話をするのがごく普通になっています。
言語能力の低い自分の子どもに比べたら、どんな言い回しを使おうとも、どんな稚拙な表現を使おうとも、相手の言わんとしていることがとてもよくわかる。
つまり、知的障害のある自分の子どもによって、「子どもの言わんとしていることをくみ取る」トレーニングを積んでいるようなものだからです。
子どもは、この「自分を一人前と扱い、ちゃんと会話をしようとしてくれる大人」を、「友人」として扱ってくれます。
ママは怒る、さやかちゃんは黙る。
このシチュエーションで、わたしはさやかちゃんの腕を引き、彼女と対話を始めました。
はい、彼女が言えなかった「言い分」は予測通り。
CDは買わないと聞けない。録音ができない。MDプレーヤーなら、友達に録音してもらったりできる。
オッケー、了解、じゃ、ママんとこに行こうよ。
「MDプレーヤーが欲しいのはこういう理由。で『高いからダメ』ってのも理解してる。だからこの子が聞きたい曲の入ったCDを、わたしがレンタル屋から借りてくる。で、CDに焼く。レンタル代とメディア代はママに請求する。だからMDプレーヤーはいらない。」
凍結していた母娘の会話は解決。
一番聞きたい曲は何?
彼女、12歳だというのに、意外なセリフを口にしました。
「古いんだけど、いい?」
浜崎あゆみの「SEASONS」でした。
つまり、ドラマの主題歌。
この曲を収録したベストアルバムがCCCDにはなってなかったのも、ラッキーのひとつ。
何度も何度も聞いたそうです、渡したCD。
年齢という枠を超え、曲に自分なりのイメージがついてくるものというのが「大切な曲」ってものなんでしょうね、きっと。