里の常連さん情報

横田の里の常連さんが綴る里のネタ特集

散歩番組に台本あり?

2015年11月15日 | 気になるネタ

タレントが街歩きをしながら、その土地の食べ物や風物に触れる「散歩番組」。低予算で作れ、なおかつ安定した視聴率を稼ぐことができることからテレビ局にとってもテッパンのコンテンツだか、一体どうやって作られているのだろうか?

 まず台本について。ほかの多くのテレビ番組と同じようにあるのだろうか?

「大半は台本がありますよ」

 こう語るのはあるテレビ局スタッフ。出演するタレントがその場その場で行く店やルートなどを決めているように見える番組が多いのだが…。

「もちろん、どこまで書かれているかというのは番組によって違います。1枚の紙に、回る店やルートしか書かれていない場合もありますし、一言一句、出演タレントのセリフが書いてあるケースもあります」(前出のテレビ局スタッフ)

 台本があるのなら、気になるのは飲食店などの店に事前にアポ取りをどのようにしているのか、ということだが…。別のスタッフがこう続ける。

「簡単に言えば、何日の何時ごろに行くとだけ伝えます。ただ、大体、収録時間が押す(長引く)場合が多いので、伝えておいた時間にはなかなか行くことができず、店側の気苦労が絶えないそうです。また、食べる料理も事前に指定しておくこともあります。つまり、タレントがその場で選んだように見えるメニューも、実はもともと決まっていた、ということも中にはあるのです」

 では、行く店のチョイスはどうしているのだろうか? 

「タレントの思い出の店、おすすめの店という場合もありますが、それ以外は、スタッフが雑誌やネットなどを見て調べ、ロケハンといって実際に店に行って下調べします。ただ、紹介する地域内でなかなか適当な店が見つからない場合は、ひとつ先の駅の店まで範囲を広げることもあります。ですから最初に降り立った駅から実際に歩くと20~30分かかってしまうなど、ぶら歩きの領域を超えてしまうことも多々あります」(前出のスタッフ)

 一方で、台本が存在しない、ぶっつけ本番「完全ガチ」の散歩番組もあるという。

「テレビ番組の歴史は生放送が原点ですから、散歩や旅にもハプニング性はつきものという考えのもと企画されているのだと思います。店側への出演交渉や、出会った人の家にお邪魔するなど、どう展開するかわからない面白さを視聴者が楽しむことができます。ただし、こういった番組を成功させられるかどうかは、出演するタレントの力量にかかってくる部分が大きいですね」(前出のスタッフ)

 素人をうまくさばく対応力や、予想もつかないことを面白がるタレントの度量、何より制作スタッフの覚悟がなければ難しいのだろう。もちろん、仕込みやリサーチをしている散歩番組も、あくまで「演出」の範囲でスタッフが試行錯誤しているということか。


散歩番組について

2015年11月14日 | 秋ネタ

散歩ブームの火付け役、地井武男さん(享年70)亡き後も増え続ける散歩番組。タモリ(70)、有吉弘行(41)、マツコ・デラックス(42)など、各局とも人気タレントを起用する力の入れようで、この秋からは高田純次(68)もそれに加わった。

なぜどの局も散歩番組を作りたがるのか。

 上智大学教授(メディア論)の碓井広義さんはその理由をこう話す。

「テレビ業界には『5匹目まではドジョウがいる』といわれるくらい、一つの企画が当たると他局もそれに追随しようとします。散歩番組が増えているのは、他が当たっているからうちもやろう、という何匹目かのドジョウ狙いなんです。こういう時代ですから、低予算で番組を作れるというのも大きな理由の一つです。

 散歩番組が世の中に支持されているのは、日常の中の小さな冒険を一緒に体感できるからだと思います。ゆるく、気ままに、ぶらぶらと歩くだけなので、日ごろ雑務に追われてなかなか旅行に行けないという人でも、『散歩なら自分でもできるんじゃないか』という気にさせられます」

 散歩というのは、するのは簡単だ。ただし面白く見せるためには、タレントに相応の実力が必要なのだという。

「散歩中に出会う一般の人たちは、タレントの振りにどう返してくるのかが読めません。そこが面白いところなのですが、予定調和にならないので、タレントの知性、教養、人柄が問われます。

 そういう意味では、高田純次さんのキャスティングは絶妙だと思います。散歩タレントとしての資質を備えているうえに、“いい加減”キャラ。散歩そのものがいい加減なものだから、キャラとコンセプトが合致します。高田さんは、関心がないものははぐらかして次のものを見る。そういうテキトーさがある高田さんは、“ミスター散歩”だと思います」(碓井さん)

 高田純次の『じゅん散歩』は、地井武男さんの『ちい散歩』、加山雄三(78)の『若大将のゆうゆう散歩』と続いてきたテレビ朝日の朝の散歩番組の3代目にあたる。新たな散歩マスターとなるか。

「散歩番組の元祖は、1992年にスタートした『ぶらり途中下車の旅』(日本テレビ系)だと思います。『ちい散歩』は散歩番組をより注目されるものとした、いわば中興の祖。『ちい散歩』がウケたのは、地井さんの人柄が活かされていたからでしょう。主体はあくまで街やそこに住む人たちなんですが、それを地井さんの目線で見られるところに楽しさがありました。

 散歩番組はタレント本人が目立ちすぎてしまうと、散歩番組ではなくそのタレントのバラエティー番組になってしまいます。とはいえ後発の番組は、差別化を図るためにあえてタレントの素顔を見せようとするものもあります。『有吉くんの正直さんぽ』や『国分太一のおさんぽジャパン』(ともにフジテレビ系)はその例。『モヤモヤさまぁ~ず2』(テレビ東京系)は、さまぁ~ずと女子アナとのやり取りも見どころの一つになっています。

 他と大きくコンセプトが異なるのは、マツコ・デラックスさんの『夜の巷を徘徊する』(テレビ朝日系)。街の人たちの人生を掘り下げることも多く、ドキュメンタリーの要素もあります」(碓井さん)

 バラエティー豊かになってきた散歩番組だが、これからまだまだ増えるかというと、「今がピークでここからは淘汰が始まる」というのが碓井さんの見方。番組はゆるくても、生存競争は激しくなりそうだ。


あさが来た・最新情報♪

2015年11月13日 | 気になるネタ

93作目にして初めて幕末がストーリーの始まりとなったNHK朝ドラ『あさが来た』。スタートから好調が続き、視聴率は4週連続で20%の大台を突破。第3週には21.4%、第4週は22.3%と右肩上がりだ。
 
 波瑠演じるヒロイン・あさは、京都の豪商・今井家の次女で、相撲好きのおてんば娘。大阪の両替商・加野屋に嫁ぎ、明治維新後の混乱の中、傾きかけた加野屋の経営を立て直そうと奮闘中だ。
 
 人気の秘密はどこにあるのか。『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版刊)の著者でライターの田幸和歌子氏はこう分析する。
 
「現代を舞台とする朝ドラは小さくまとまりがちですが、『あさが来た』はヒロインが時代の荒波をすいすいと泳ぎたくましく生きていく。スピード感があるから、視聴者が退屈しない。同じくモデルが存在した『マッサン』と比べても物語の進行が早く、今後も大きなイベントが目白押しなので、期待できそうです」
 
 あさのモデルは「明治の女傑」と呼ばれた広岡浅子。物語は今後、ヒロインが女性実業家として激動の時代を切り開き、日本初の女子大設立に奔走する姿を描いていくことになる。

 めまぐるしく展開が変わるが、朝ドラウォッチャーとして知られる上智大学教授(メディア論)の碓井広義氏はその魅力をこう語る。
 
「物語の軸がしっかりしていて、なによりヒロインがいい。ドラマではいろんな出来事が起こりますが、彼女は明るくて、めげないし、しかも女性らしい柔らかさがある。朝から見ていて気持ちがいいんです。後に女傑と呼ばれるようになりますが、“鉄の女”ではなく、裏に優しさがありますね」
 
 あさは今後、東京に行き、女性実業家として成功の道を歩むことになる。そこで出会う人物たちにも注目だ。
 
「渋沢栄一、大隈重信、井上馨など明治の政財界の大物たちと出会っていきますが、彼らをどんな人物像で描き、どんな役者が演じるのか。楽しみは尽きません」(同前)
 
 そしてこの先も気になるのが、たびたび登場する五代才助(大阪府権判事=後の友厚)との関係だ。
 
「あさが一緒に上京する相手は、夫の新次郎ではなく、五代なんですよ」(テレビ誌記者)

 田幸氏は「さすがに朝ドラで主人公の不倫はないでしょう」と予測するが、もしかしてあさの口癖である「びっくりぽん」な展開が待っていたりして……。見逃せない朝が続きそうだ。


嫁入り道具の総額☆

2015年11月12日 | 秋ネタ

 初週から5週連続となる視聴率20%の大台超えで、10月28日には、番組最高となる23.7%を記録と快進撃が続くNHK連続テレビ小説『あさが来た』。幕末の京都の豪商に生まれたあさ(波瑠・24才)が、大阪の両替屋に嫁いだことから、物語が大きく動き出す。

 嫁入りでは一騒動も、二騒動もあったが、なかでも花嫁道具を用意するシーンにはこんな声が上がった。

「色鮮やかな着物を、あんなにたくさん持ってくなんてさすが、京都の豪商!」(46才・保育士)

「あんな桐たんす、素敵ねぇ」(61才・主婦)

「おつきの女中も、嫁入り道具のひとつなんて、スケールが大きすぎる…」(52才・会社員)

 あさ同様、祖父母が、京都で、江戸時代から続く豪商という本誌記者Aが振り返る。

「嫁入り道具の総額がいくらかだったかについて祖母が話したことはなかったんですが、とにかく豪華でした。家紋入りの桐たんす、それにかける家紋入りの布、着物、家紋入りの長持、そのなかには新品の布団類、ひな人形一式、お琴の大小一式、おつきの女中、鏡台…。基本的に住む家は花婿側が用意して、そこで使う家具一式は花嫁側が用意するものだったそうです」

 儀式作法研究会代表・結納コーディネーターの岩上力さんが言う。

「幕末の、さらに、京都の豪商の嫁入り道具は、正直言って、金銭的なものに換算できないんです。商人の家に代々受け継がれている目録はあるんですが、どういったものが何点あるかまでは書かれていないんです。ちょっとした漆器でも、何十万円もして、それが何百点もあったようですし…。当時のお金で千両、今でいう5000万円は下らなかったと思われます」

 ちなみに最近は結納にお金をかける人も少なくなってきたという。結納品専門店『結納屋さん.com』の板崎浩一店長は、「最近は嫁入り道具の目録を書くこともなくなった」と言う。

「結納金でいちばん多いのは100万円。新婦側の“結納返し”は、地域によって千差万別なのですが、関東では通常“半返し”といい、結納金の半分が多いといわれています。しかし“時計”や“カフスボタン”など、男性が身につけられる現物を渡す人も増えていますので、人によりけりですね」


はつの夫・眉山惣兵衛

2015年11月11日 | 気になるネタ

番組スタートから5週連続の視聴率20%超え、絶好調のNHK連続テレビ小説『あさが来た』。
 柄本佑が演じるのは、宮崎あおい演じるはつの夫・眉山惣兵衛。いいとこのぼんぼんで、無愛想でマザコンで、体温が感じられない見た目のため「白蛇」というあだ名を付けられてしまう変人だ。そんな役どころにもかかわらず、放送を重ねるごとに惣兵衛ファンが増えている。

 その理由は、とらえどころのない惣兵衛を表現する、卓越した柄本の演技力にある。
「あのニタリという冷たい笑いをキモいと思っていたけれど、井戸の中ではつを抱きしめるシーンを見て、すっかり惣兵衛推しになりました」(64才主婦)
「陰湿キャラだったのに、ふとしたときに優しさが垣間見えて、目が離せません」(43才・パート)といった具合で、高視聴率の立役者となっている。

 柄本は演劇一家で育ってきた。父は俳優の柄本明(67才)、母は女優の角替和枝(61才)で、弟は俳優の柄本時生(26才)。小学生のときは、学校が終わると家ではなく、演劇の聖地・本多劇場(東京・下北沢)に“帰宅”するほどだった。中学生になるとオーディションを受けて主役を射止め、2003年に映画『美しい夏キリシマ』で本格的に俳優デビュー。その後、ドラマ『ゲゲゲの女房』(NHK)、『医龍』(フジテレビ系)、『天皇の料理番』(TBS系)、映画『横道世之介』『武士の献立』などで、幅広い役を演じてきた。

 2012年に結婚した相手は、女優の安藤サクラ(29才)。俳優の奥田瑛二(65才)とエッセイストの安藤和津(67才)夫妻の次女と夫婦となったことで、ますます演技の世界にはまり込んだ。

「奥田監督作品の映画『今日子と修一の場合』では柄本とサクラの夫婦共演が話題になりましたが、奥田はまず柄本の主演を決め、それからサクラをキャスティングしたそうです。奥田は俳優としての柄本をかなり信頼していて、“自分の最大の理解者だ”と言っていましたよ」(映画関係者)

 将来有望な柄本が『あさが来た』で演じる惣兵衛は、妻を守るため、萬田久子演じる母を殺そうとする狂気も見せた。
「現場では萬田さんと親しくしていますよ。プロ意識の高い宮崎さんのこともベタ褒めです。宮崎さんと2人のシーンの撮影はたいてい一発OKで、周りは圧倒されっぱなしです」(ドラマ関係者)
 ただ、物語での惣兵衛は現在、行方不明中。妻のはつもそれから視聴者も、一刻も早い帰還を望んでいる。


マイナンバーが導入

2015年11月10日 | 秋ネタ

来年度からマイナンバーが導入されることで、生活への影響を心配する声もちらほらと聞こえてくる。なかでも目立つのが、マイナンバーによって“不都合な真実”があぶり出されるのではないかという論調。たとえば、妻が夫や勤め先に隠している秘密のバイトや不正行為がバレるのではないかといわれている。

●会社に内緒の副業がバレる?

マイナンバーがらみの「懸念点」としてよく挙げられるのが、「内緒の副業」ができなくなるという説。詳細については割愛するが、勤め先ごとの収入を税務署が把握しやすくなり、副業分を含めた住民税が本業の会社に通知されることでバレてしまうというものだ。実際、副業の支払い形態や確定申告の仕方によっては、秘密が暴かれることもある模様。

●「マイナポータル」は秘密の宝庫?

ただ、会社へ副業がバレる程度ならまだいい方かもしれない。それ以上に恐ろしいのは、夫にバレたら即離婚につながりそうな秘密が白日のもとに晒される可能性。そのカギとなるのが、平成29年1月からの導入が予定されている情報提供等記録開示システム、通称「マイナポータル」だ。

マイナポータルは、インターネット上で個人情報のやりとりの記録を確認できるシステム。マイナンバーの「個人番号カードの電子情報」+「パスワード」によって、情報を閲覧できるようになるという。なりすまし防止のためマイナンバーの番号だけではログインできない仕組みにするというが、カードを無造作に放置したり、何らかの形でパスワードを知られたりするなどして、本人以外に情報を覗かれてしまう可能性は考えられそうだ。

これにより、たとえば夫が何気なく妻の情報を覗いたとき、「専業主婦であるはずなのに収入がある」、「聞いているパートの内容に対して明らかに収入が多い」といった不自然な点があれば、夫は水商売などの秘密のバイトをしている可能性を疑うはずだ。

最近では、こうしたトラブルが引き金となっての「マイナンバー離婚」が増えるのでは? などという声もあるが、人によってはあながち冗談では済まされないかもしれない。

ただ、幸いマイナポータルの導入は1年後。後ろめたい「何か」がある人は、それまでに身辺をキレイにしておくことが望ましい。


11月11日は介護の日

2015年11月09日 | 秋ネタ

11月11日は介護の日。その介護の日にちなんだイベントで、全国の男女1万人以上に調査が行なわれ、腸内の劣化が進んでいる都道府県別ランキングが発表された。ベストセラー『がんばらない』著者で諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏が、ランキングの内容について解説する。

 * * *
 11月11日、東京の朝日ホールで介護の日にちなんだイベントを開催したが、みなさん真剣に聞き入っていた。森永乳業が出している、おもしろい研究データがある。全国47都道府県の20~50代の男女1万人以上に調査を行ない、都道府県別に腸内の劣化が進んでいるランキングを発表したのである。

 もっとも劣化していたのは、山形県。次いで福島県、石川県という結果だ。反対に腸内環境が良かった1位は、僕の住んでいる長野県だった。太くてバナナのような便が出るか。色はどうか。軟便や石のように固い便などを調査して点数を減らしていく減点法で調査したのだという。

 そして腸内環境が悪いため、排便時間が長くなったり、便が劣化して臭いがひどくなり、家族でけんかが起きていることも分かった。ちなみにトイレ時間がいちばん長かったのは大阪府。臭いでけんかになるのは、埼玉県だった。

 さらに年を取ると、肛門括約筋が弱くなるため、いつも軟便だとパンツに“ちょい漏れ”することもあるし、逆に排便時間がかかりすぎることもある。

 腸内環境を良くするためには、3つのことを守ること。繊維の多い食べ物を摂る。発酵した味噌やヨーグルト、チーズを食べる。3つ目は適度な運動をすること。


視聴率も好調の『あさが来た』

2015年11月08日 | 秋ネタ

NHK新朝ドラ『あさが来た』の主人公のモデルとなった広岡浅子は、女性実業家の走りともいえる。彼女の人生は「九転十起」――「七転び八起き」よりも2回多く転んで、2回多く立ち上がったのだ。そんな彼女の「九転十起」年表をどうぞ。 

1849年:京都の豪商・出水三井家の4女として生まれる。

1850年:1才で大阪の豪商・広岡家の許嫁になる。令嬢としてしつけようとする家族の思いに反して、丁稚と相撲を取るのが好きな活発な少女だった。

1861年:「女に学問は不要」という当時の価値観から一切の読書禁止を言いわたされる。「なぜ、女は男のすることをしてはいけないのか」と考えていたという。

1865年:広岡家の次男・信五郎と結婚。家業にまったく関心のない夫を見て、簿記や商業に関する勉強を独学で始める。

1871年:明治維新に続く廃藩置県で、広岡家が全国の大名に貸していた900万両(約4500億円相当)の多くが貸倒となり大ピンチ。嫁ぎ先の立て直しのため奔走する。

1884年:炭坑事業に乗り出すが、石炭不況もあって失敗の連続。

1895年:周囲の反対を押し切って、福岡県の潤野炭坑再開発に着手。護身用にピストルを持って炭坑労働者たちと生活を共にしたという。2年後には採掘量が4倍以上になり大成功を収める。

1901年:日本女子大学校(現・日本女子大学)開校。実家の三井家から土地5500坪の寄贈をとりつける。

1902年:大同生命の創業に参画。「加入者本位」「堅実経営」の精神で業績を伸ばす。

1919年:自宅で死去。常日頃より「私は遺言を残しません。いつも言っていることが、すべて私の遺言だからです」と話していたという。


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 ドラマの視聴率が落ちている昨今だが、それでもやっぱり人気が高いNHKの連続テレビ小説。その撮影の裏側はどうなっているのだろうか。現在放送中で視聴率も好調の『あさが来た』。そのエグゼクティブ・プロデューサーである佐野元彦さんに話を訊いた。

──朝ドラというとやはり新人女優を起用するということが多いのが、大きな特徴ですよね。

佐野:たとえば、大河ドラマであったら、百戦錬磨の俳優さん同士が、真っ向からぶつかり合う面白さがあると思うんですよ。でも、朝ドラはヒロインを演じる女優さんをチーム全体で高いところに押し上げていくもの。まさにそういう感覚で番組を作っています。この感覚はスタッフだけではなくて、共演する俳優さんたちも共有しているもので、出演者とスタッフが一丸になって女優を育てていくという現場は朝ドラだけだと思いますね。

 それに、育っていくのは女優だけではない。NHKのドラマ部門に入ると、最初に朝ドラに担当することが多いんです。特に新人のディレクターは朝ドラで経験を積んでいくことが多くて、そういったスタッフたちもヒロインの女優さんと一緒に育っていくわけです。

 そして、この感覚は視聴者も共有していると思います。毎朝、視聴者が物語の中のヒロインと、ひとりの女優の成長を見ていく。特に女性視聴者の場合は、自分の人生にも重ね合わることもあると思います。

──今回は、朝ドラとしては珍しく、貧困を乗り越えていくという女性ではなく、豊かな家の育ちで、嫁ぎ先もまた豊かな家ですよね。さらに、幕末から物語が始まるということで、局内からの異論は出なかったのでしょうか?

佐野:個人的にはもっといろんな反対意見が出るんじゃないかと思っていたんですけど、意外なくらい出ませんでした。本当にすんなりと企画が通っていったんですよ。ひとりの女性のシンデレラ・ストーリーとして時代そのものはそれほど関係ないということなんですよ。そのヒロインが魅力的であり、そして地に足をつけて頑張っているかどうか、そこが重要だということを理解してもらえたのだと思います。

──波瑠さんをヒロインに選んだ理由は?

佐野:波瑠さんは、今までどちらかというと静かな役が多いイメージでしたが、オーディションのなかで、グイグイ前に進んでいくキャラクターが似合う人なんじゃないかと感じるようになってきたんです。「みんなが知っている波瑠さんじゃない波瑠さん見っけ!」という感じで(笑い)。波瑠さんにしてみれば、「私はいつも前へ前への精神です」っていう気持ちかもしれませんが。

──今回キャスティングでこだわったところは?

佐野:今回、3つの家が登場します。京都のヒロインの実家の今井家、そしてあさが嫁ぐ白岡家、それからあさの姉・はつ(宮崎あおい)が嫁ぐ眉山家という3つの家庭が出てくるんです。普通のドラマでいうと、家庭は2つまでなら描けるのですが、3つの家を描くとなれば、視聴者を混乱させないように、3つの家のカラーをはっきりさせなくてはならない。そのためにはキャスティングが重要です。

 とにかくカラーの違う3つの家をしっかり描き分けられるような存在感のある俳優さんをキャスティングするということに、とことんこだわりました。その辺りも視聴者のみなさんには楽しんでいただけると嬉しいです。

──そのほか、ここは是非とも見てほしいというポイントは?

佐野:「『朝ドラ』始まって以来のちょんまげ」の時代劇ですが、登場する家族に起こっている出来事というのは、現代の家族に起こっている出来事と同じだと思います。普遍的な家族の物語なので、視聴者のみなさんに自分たちの家族と照らし合わせて感じ取って欲しいです。

 そういう意味では、和服というカラフルな日本独特の美しい色彩の衣装を身につけた女性たちが活躍するホームドラマ、という風に思っていただければいいと思います。現代物のドラマって、意外と色彩豊かなわけではないんですよね。でも、時代劇の女性は、皆さん色目のいい着物を着ていて、それを見ているだけで、目が喜ぶと思うんです。

 毎朝、パッという華やかな色目のいい着物を見て、それからさっと仕事に出かける。目が喜んでから、日常のスタートを切ることができれば、なかなかいい1日を過ごせるんじゃないかと思います。衣装にはかなりこだわっているので、是非とも楽しんでいただきたいです。


『あさが来た』

2015年11月07日 | 秋ネタ

NHK連続テレビ小説『まれ』が終わり、9月28日から『あさが来た』が始まる。50年以上の朝ドラの歴史のなかで初めて幕末の「ちょんまげドラマ」を描く。

 ヒロイン・あさ(波瑠)は京都の豪商の次女で、良妻賢母を目指す姉とは対照的な、お転婆な娘として育つ。成長し、大阪の両替商の次男と結婚をするも、時代は明治に突入。両替商は時代遅れの商売となり倒産寸前の危機に。心機一転、炭坑の経営に乗り出すが、男社会ではあさの奮闘はなかなか認められない。

 しかし、大阪の発展に尽くす師との出会いを機に、銀行経営そして日本初の女子大の設立にも挑むドラマティックなストーリーだ。

『あさが来た』のエグゼクティブ・プロデューサーの佐野元彦さんは、宮崎あおい(29才)主演の『篤姫』(2008年)など大河ドラマも手掛けている。朝ドラも大河も長期間にわたって、1人の人物にスポットを当てる物語だが、そこには大きな違いがあるという。

「大河の面白さは、百戦錬磨の俳優同士が真っ向からぶつかり合う。そのやり取りが面白い。一方の朝ドラは、ヒロインを出演者やスタッフが半年間、見守って育てていく。1人のヒロインのためにみんなが力を結集するんです。

 ヒロインは文字通り年を重ねていきますし、それを演じる女優さん自身も1回り、2回りと女優として人間として大きくなっていく。そんな“2人”の成長が見られる。特に女性視聴者の場合、自分の人生に重ね合わせられる。だから、朝ドラはこれだけ長く続いているのだろうと思います」(佐野さん)

 同作で主人公の良き理解者・お付きの「うめ」役を演じる友近(42才)はこう語る。

「朝ドラは『芋たこなんきん』(2006年)に続いて、2回目の出演になります。今回は、とてもたくさん出番もいただいています。でも難しく考えるのはやめました。その時その時の感情を大事にうめをやります!

 朝ドラに出るとみなさんに言うと、『おお! すごいじゃん』ってなるんです。そうしたときに、やっぱり国民的ドラマだと思いますね。撮影のためにNHKに行くと、ロビーで『おしん』など過去の朝ドラが流れているんです。このシリーズに出演するんですから、われながらすごいと思いますよね(笑い)」

 また、主人公・あさを演じる波瑠(24才)はこう意気込みを語る。

「あさの成長と同じように、私も一緒に成長しながら頑張っていきたいと思っています。あさちゃんはあさちゃん、私は私で頑張っていきます。あさに支えられて、いろんなことを勉強させてもらって、近くに寄り添って一緒に走っています」

 その表情は明るく、順調に撮影が進んでいる充実感と大役を任された責任感が全身から伝わってきた。


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9月28日にスタートしたNHKの連続テレビ小説『あさが来た』は、幕末から大正にかけて起業家として活躍した広岡浅子をモデルとした作品だ。ヒロイン・今井あさ(波瑠)とその姉・はつ(宮崎あおい)の物語を中心に描かれている『あさが来た』で、大阪一の両替屋・山王寺屋の当主・眉山栄達を演じる辰巳琢郎(57才)に、見どころを聞いた。

──辰巳さんが演じる眉山栄達は、はつの義理の父親という役どころです。

辰巳:実は、歴史上に記録がまったく残っていない役なんですよ。だからこそ、自由に動けるよう部分もあって、とてもおもしろい役ですね。(栄達は)婿養子で奥さんの菊(萬田久子)に頭が上がらない。息子の惣兵衛(柄本佑)はどうしようもないし、嫁いできたはつは豪商の娘なんだけど、なかなか馴染めないところもあって…っていう家族の難しさなんかも描かれてます。

 ある意味、今回は時代劇であって、庶民ではなくハイクラスな人々の物語なんですよ。この点に面白さがあるような気がしますね。でも、時代劇でありながら、家族の問題のような現在に通じる部分も多くて、演じていてすごく面白いですね。

──辰巳さんが思う『あさが来た』の注目ポイントはどこですか?

辰巳:江戸末期から明治の物語は、普通大河ドラマで描かれるんですが、そこを朝ドラでやっているという点は面白いと思います。しかも、幕末というとどうしても志士の話が多くて、江戸と京都が中心になってくるんですが、『あさが来た』は大阪を舞台にした話なので、これまでにないものになっていると思います。ぼくも大阪の人間なので、大阪に注目が集まるというのも嬉しいですし、大阪人の機微みたいなものを知ってもらいたいですね。

 大阪って、幕末のころは日本一の商業都市で、大阪に皇居を移して都にしようという話もあったくらいなんですよね。でも、そこに政治まで持ってくると大きくなりすぎてしまう。幕府を抑えるという意味もあったのかもしれないけど、一極集中はやめようということで、東京が都となった。ただ、結局東京の一極集中になってしまった。なんとも不思議な歴史の流れがありますよね。

 江戸時代の商人は、本当に強かったんでしょうね。大阪の商人たちが大名にお金を貸して、それで大名たちは藩の運営をしていたわけだから。その大名たちにお金を貸していた両替商は、『あさが来た』の登場人物たちなんですけど、明治時代に入ってバタパタと潰れていってしまう…。今回のドラマに出演するにあたって、色々歴史も調べてるんですよ。

──時代背景も面白いですね。

辰巳:商人から見た歴史ですね。とても興味深いのが五代友厚さん(作中ではディーン・フジオカが演じる五代才助)。ドラマの中でもとてもいい役になっているんだけど、大阪の造幣局を作った人なんですよ。なぜ今大阪に造幣局があるかというと、それは五代友厚さんの力もあったっていうことで。大阪商工会議所には五代さんの銅像もあって、近々見に行ってこようと思います。

──主人公・あさのモデルとなった広岡浅子についてはどんな印象ですか?

辰巳:当時は、女性が学問をしちゃいけない時代だったわけですよね。そんななか、子供のころから数字が好きで、そろばんに興味を持って、経営に積極的に関わっていこうとした初めての女性ですよね。

 今だったら、男女雇用機会均等法から始まって、大きな企業でも管理職の一定割合を女性にするとか、そういったことが当たり前になってますが、あさはその走りだった。時代の最先端を行っていたってことで、ものすごい感覚を持っていた人だと思います。

『花子とアン』のモデルとなった村岡花子さんや婦人運動家の市川房枝さんも広岡浅子さんの弟子にあたるんですよね。あとは、日本初の女子大学「日本女子大学」を創設した成瀬仁蔵さんも、広岡さんと交流があったみたいですね。広岡さんの働きかけがあって三井財閥から目白の土地を譲り受けて、それで日本女子大学が創設されたそうです。

──広岡さんの精神が現在も受け継がれていると感じることはありますか?

辰巳:自分の力で道を切り開いて行こうとする女性はたくさんいると思いますし、周りでもどんどん増えていますね。でも、日本はいまだに男社会で、能力があってもなかなか頭角を現せない女性が多いのも事実だと思います。特に大きな企業のなかでは難しそうなイメージですね。でも、やっぱり女性のほうが優秀だと思うんですよ。もしかしたらほとんどの男性がそう思っているかもしれない。女性が優秀だからこそ、男性は負けたくないという気持ちがあって、なかなか男社会が崩れないというか。

──NHKの朝ドラでいうと、6作品目の出演となりますよね。

辰巳:朝ドラはなんだか故郷みたいなものですね。NHK東京収録の朝ドラでデビューしたというのもありますし。ただ、本数もたくさんあるし、スケジュール的にはかなりハードですよ(笑い)。

 でも、若手ディレクターの登竜門というイメージでもあるんですよ。ディレクターは週ごとに、チーフディレクターとかセカンドとか、何人かで回すんだけど、時々若いディレクターさんがいて、ここで監督デビューということもあるんですね。単純に数をたくさんこなそうとすると流れ作業になりがちなんだけど、若手ディレクターを入れたりして、実験的なことをやっているのは面白いですよ。役者さんがどんどん成長していくのも楽しいですしね。本当にヒロインの女優さんは、どんどん変わっていきますから。

──ちなみに、辰巳さんは空き時間に何をされていますか?

辰巳:併行していろいろな仕事をしているので、原稿書いたり、次の仕事のチェックしたり、電話連絡したりっていう感じですね。だから、掘っ建て小屋に集まって寝るというシーンがあって、みんな雑魚寝してたんですけど、ちょっと疲れてたのか、それは本当に寝てしまいましたね(笑い)。寝るシーンは好きですよ。気づいたら終わってるので。

──NGにはなりませんでしたか?

辰巳:寝てるシーンだもん。リアルな最高の演技をしたと言ってほしい(笑い)。


静岡へGO!

2015年11月06日 | 秋ネタ

南アフリカ戦の歴史的勝利に続いて10月3日にサモアをくだし、史上初のW杯同一大会2勝目を挙げたラグビー日本代表。そのなかで、女性ファンから不動の人気を誇るのは、キックをする前の“祈りのポーズ”が話題の五郎丸歩選手(29才)だ。しかし、12日に行われるアメリカ戦に勝利しても、ボーナスポイントの関係で決勝トーナメントに進出するのは難しい状況。

「ゴロちゃんの闘争心あふれるプレーが見られなくなっちゃう…」と落胆する女性たちも多いかもしれないが、心配はいりません。W杯が終わっても、日本で五郎丸の勇姿はばっちり見られるのだ。スポーツライターの藤島大氏が話す。

「ラグビーのシーズンは、秋に始まって1月がクライマックス。五郎丸選手が所属するヤマハ発動機ジュビロはラグビーのトップリーグのチームで、今年のリーグ戦は11月にスタート。その結果に応じて年明けから順位決定トーナメントが行われ、1月下旬にファイナルを迎えます」

 チームの本拠地は静岡・磐田にあるヤマハスタジアム。

「試合中のゴロちゃんだけじゃ満足できない」──そんな人は、静岡へGO! スタジアムから北に5kmほど行った場所にあるヤマハ大久保グラウンドで、チームは普段練習を行っている。ここに足を運べば、近距離で五郎丸を拝める上に、もしかしたらサインがもらえたり、握手できたり、あるいは、あの厚い胸板と太い腕にガシッと…なんてこともあるかも?


4年後の日本大会にむけて

2015年11月05日 | 秋ネタ

ラグビーW杯で日本代表チームが4戦3勝を挙げるなど大健闘し、4年後の日本大会にむけて期待が高まっている。

 今回のチームが日本代表史上最強チームなのは間違いない。しかし、4年あれば選手も入れ替わる。今大会の日本代表には、SH(スクラムハーフ)田中史朗(30)、SO(スタンドオフ)小野晃征(28)、CTB(センター)立川理道(25)にFB(フルバック)五郎丸歩(29)と、バックスの要になるセンターラインに優れた日本人選手が揃っていたが、年齢の面から4年後に残っていられるのは立川のみといわれている。

 フォワードでもLO(ロック)トンプソン・ルーク(34)が代表を引退すると宣言しており、同じくLOのアイブス・ジャスティン(31)も抜ける可能性がある。戦力ダウンは避けられない。ラグビー批評家の中尾亘孝氏の話。

「今大会に出場した代表メンバーには五郎丸、畠山をはじめHO(フッカー)堀江翔太、PR(プロップ)山下裕史、WTB(ウイング)山田章仁と1985年生まれが5人いて、黄金世代といわれている。彼らは2004年のU19世界選手権でスコットランドを破ったメンバーが中心。今年30歳になる彼らも、あと2年なら大丈夫かもしれないが、4年後となると厳しいのではないか。

 彼らが抜ける穴をうめるべく、南アフリカ戦で五郎丸)のトライをアシストしアメリカ戦では自らトライを決めたWTB松島幸太朗(22)は今後中心選手として活躍するでしょう。アメリカ戦で起用されたWTB藤田慶和(22)も五郎丸にとってかわるかもしれない」

 日本は来年から「スーパーラグビー」に参加する。世界最高峰レベルでプレーし経験を積めば、4年後の日本W杯に繋がるだろう。


46年前の「黒い霧事件」

2015年11月04日 | 秋ネタ

 巨人・福田聡志投手の野球賭博関与問題は社会に大きな衝撃を与えた。そこで思い返されるのが46年前の「黒い霧事件」だ。

そもそものきっかけは1969年10月、西鉄ライオンズ(現・埼玉西武ライオンズ)の永易将之(ながやす・まさゆき)投手が、球団の調査で「暴力団の野球賭博で八百長試合に関与した」と判断され、解雇されたことだった。

 これを新聞が大きく報道。さらに渦中の永易が普段着のまま自宅を出て、そのまま失踪したことで、疑惑が疑惑を呼び、騒動は社会問題に発展する。最終的には、複数の逮捕者を出す事態となり、19名のプロ野球選手が永久追放・出場停止などの重い処分を受けた。

 ここで本誌は球史に残るスクープ記事を掲載することになる。行方をくらませていた最大のキーマン・永易の独占インタビューを報じたのだ(1970年4月10日号。以下、カッコ内は記事より。誌面の都合により、一部編集してある)。

 インタビューは本誌の協力ライター・大滝譲司氏によるもの。2週にわたって掲載され、その赤裸々な内容が大きな話題を呼んだ。まず、八百長をやったのかと迫る大滝氏に、永易は観念したように認めた。

「そのために永久追放になったんですから、いまさら否定できないですね」

 永易は「自分は八百長の首謀者ではない」としたうえで、こう語る。

「(関係した八百長試合は)ほんの数えるほど。三試合ぐらいかな。成功したのは一回だけで、あとの二試合は失敗。(失敗したらカネは)もらいませんでした。成功したら二十万円です」

「暴力団の人と、野球に関してはまったく関係ありません。(実際にカネを払っていたのは)関西の商人です。昨年、チームメイトの紹介で、神戸で飲んだのがきっかけで知り合った」

 永易は大滝氏の質問に丁寧に答える。成功した八百長の試合(故意の敗戦)についても、詳細を以下のように語っている。

「M投手の友人でHさんという人がいるんですが、この人が張本人なんです。Hさんは胴元ではなく、張る方なんですが、一昨年のシーズン中にM投手と知り合ってやりはじめたそうです。僕がはじめて持ちかけられたのは(八百長が成功しなかった)ロッテ戦で、Y投手から頼まれました。

(成功した南海戦は)Y投手が僕にいってきたんです。確実にやるためにバッターもおさえてくれといわれて、僕が内野手のF選手をとめ(仲間に誘うこと)、YがM捕手とこれも内野手のM選手をとめました」

「僕がF選手に話したのは試合の一日か二日前、二人で買い物へ行った帰りに御堂筋の喫茶店で話しました。Fははじめてだったらしくびっくりしていましたが、とにかく『一回だけ』ということでOKしたんです。それで、僕は預かっていた三十万円をわたしたら、Fは『そんなにいらない』といって十万円返してきて、結局二十万円受け取りました。Fは『不成功に終わったら返す』といっていましたが、成功したのでそのまま。彼は満塁のチャンスで三振しました」

後に行なわれる記者会見で実名を暴露することになる永易は、この時点では匿名で語っている。永易は選手の名を口にすることを、最後までためらっていたからだ。

「僕はほかの人に迷惑はかけたくありません。同じカマのメシを食って苦労してきた仲間に対する友情が僕にもあります。罪は僕ひとりでたくさん。そのためにがまんしてきたんですから……」

 ただそのかわり、このインタビューは永易の口から衝撃の言葉を引き出した。

 逃亡期間の生活費をどうしていたのか、貯金でもあったのかという大滝氏の質問を永易は否定。代わりに、ある組織から“口止め料”が払われていたことを明かしたのである。それはなんと、永易を解雇した西鉄球団だった。

「オーナーをはじめ幹部の人から“一生面倒をみるから、つらいだろうけどがまんしてくれ”といわれました。稲尾(和久)監督も“がまんしてくれ。ワシもできるだけの努力はする”となぐさめてくれました」

 口止め料の真相や永易がやった八百長試合の手口が詳細に明かされる。八百長発覚直後の10月中旬、永易は当時の西鉄オーナーとその自宅で面会し、こういわれたという。

「『君には気の毒だが、チームのためを思って、君ひとりでかぶってくれ。そのかわり一生の面倒はみる。つらいだろうけどがまんしてくれ。とにかく二、三か月はかくれていてくれ』というようなことです」

 そして11月上旬に100万円、同下旬にも球団本部長から50万円が渡された。

「球団本部長と会ったんですが、そのときには当時の球団社長が電話口に出て『君には悪いことをした』と、泣いてあやまってくれました」

 そうして西鉄側が永易に渡した金額は合計で550万円。西鉄は当初こそ、この証言を否定していたが、その後、東京地検特捜部の取り調べを受けたオーナーが渡したことを認め、辞任に追い込まれている。


公立中高一貫校選び

2015年11月03日 | 秋ネタ

安倍晋三首相が打ち出した新3本の矢の1本として「夢をつむぐ子育て支援」が発表された。出産・育児支援などが表明されているが、果たして今後子育てがしやすい環境になっていくのだろうか。悩みの種となるのは、子どもを育てるにあたってのお金や環境だ。

首都圏では5人に1人の子どもが中学受験をするという。10月から11月にかけては、入学案内が配布される時期。各学校にどんな魅力があるのか、子どもを持つ親としては気になるところだろう。中でも、近年注目度が上がっているのが公立の中高一貫校だ。 
 
 首都圏の東京都立白鴎高等学校・附属中学校は合格倍率7.5倍、地方都市に位置する宮城県仙台二華中学校・高等学校でも6.3倍にまで跳ね上がっている。東京都の男子御三家(麻布・開成・武蔵)でも倍率は3倍ほど。その人気がいかに高いかがわかるだろう。

 これについて、書籍『公立中高一貫校選び 後悔しないための20のチェックポイント』を上梓し、これまで約500人の教師に話を聞いた学校教育に詳しいライターの佐藤智氏が解説する。

「公立中高一貫校は1999年に新しく登場した学校制度です。高校受験がなく6年間一貫の教育を実施しますが、公立なので学費は一般の中学・高校と変わりません。調査データによるとこれまで中学受験を考えてこなかった世帯収入の家庭でも公立中高一貫校を受けています。

さらに、『ゆとり教育』の揺り戻しで、学校において教える内容が増加したため、3年間よりも6年間の学校の方が大学入試に対応しやすいという背景があります。懐に優しい上に、大学進学実績も伸ばしている。そうした理由により注目度が上がっているのではないでしょうか」(佐藤氏、以下「」内同)

 しかし、こうした公立中高一貫校人気にも懸念があるという。

「私立学校は学校存続のために生徒募集の広報活動が必須ですから、『どういう学校なのか』ということを広くPRしています。しかし、新しい学校制度だということもあり公立中高一貫の各校がどういう学校なのかという点が、外側からはなかなか見えません。そのため、校内の実情がよくわからないまま受験させていることも少なくないのです。重要なのは、学校を見る目を養うこと。実際に学校に足を運んで、お子さんの性格や将来展望と学校のズレがないかをチェックしていくことだと思います」

 中高一貫校に入学したものの、運悪くミスマッチが起きてしまうと、思春期の6年間を子どもが辛い日々を過ごすことになる。6年間は長い。不登校やひきこもりなどになることもあるだろう。

転ばぬ先の杖ではないが、学校選択の時点でこうしたリスクを最小限にしておきたいと思うのが、親心ではないだろうか。そうはいっても、学校をどうチェックしてよいかわからないという声も聞く。どんなポイントを確認したらいいのだろうか。

「ホームページなどで校訓や教育方針といったものを最初に確認すべきです。これを大本にして、実際の学校の指導を行っているので、特徴そのものといえるからです。他にも、6年間で広がったトップ層とボトム層の学力格差をどうフォローしているかという点や、6年間の長い期間だからこそ『たるむ』気持ちをどう底上げしているかなど、中高一貫校だからこそ確認すべきポイントがあります。子どもたちが6年間できちんと力を伸ばしていけるよう、確認事項をふまえて志望校を選んでいくとよいでしょう」

 今後も公立中高一貫校をはじめ多様な学校が登場するだろう。志望校を固める前に、よりつぶさに学校の特徴を把握していく必要も高まっていくのかもしれない。


乳房を再建する手術(同時再建)が保険適用に

2015年11月02日 | 秋ネタ

元女子プロレスラーでタレントの北斗晶(48才)が乳がんで手術し、その後、リンパ節への転移と「5年生存率は50%」と宣告されたことを明かした。

 手術をする場合、乳房を全て摘出する「全摘」手術か、患部のみを切除する「温存」手術があるが、乳がんの種類や進行度などによってその方法は変わってくる。どの治療法を選択するか医師と相談することになる。乳房全摘と聞くと不安になるが、「近年では再び全摘を選択することも増えてきた」とピンクリボンブレスケアクリニック表参道の島田菜穂子院長は言う。

「これまでの全摘では乳頭も乳房も切除するので、乳房がなくなって胸が平たくなりました。その場合も数年後の再建手術は可能ですが、やはり一度乳房がなくなるのはとてもつらいですよね。なので、残せる部分はなるべく残し、乳房を温存しようという考えが主流でした」(島田院長)

 しかし、昨年1月から全摘手術と同時に乳房を再建する手術(同時再建)が保険適用になり、状況が変わりつつある。

「同時再建では、乳房の皮膚と乳頭は残し、胸の中身をそっくりバッグに入れ替えるイメージです。乳房を取り、そのまま続けて乳房を再建するので、麻酔から目覚めたときに自分の胸のふくらみがあり精神的ダメージも少なく、全摘と同時に再建する人が徐々に増えています。ただ、リンパ節に転移の可能性がある場合など、この手術ができないこともあります。北斗さんの場合は腫瘍が乳頭下にあってリンパ節転移もあったので同時再建は難しかったのでしょう」(島田院長)

 もちろん、後から再建することもでき、その技術は年々進化してきている。医学博士で日本乳癌学会入選専門医の南雲吉則さんが言う。

「再建方法として、昔は自家移植といって自分の背中やお腹の筋肉と脂肪組織を乳房に移植する方法が一般的でした。しかし、近年ではインプラントを使っての再建が主流になっています。そのほうが簡単にきれいに再建できる。自分のがんがどんな種類でどのステージにあるかで状況は変わりますが、温存か全摘出か選べる場合、その生存率はほとんど変わりません。温存して放射線治療を続けたことで乳房が変形してしまうこともあります。全摘出して再建するのは有効な選択肢です」(南雲さん)

 治療法で悩んだ末に、部分切除を選択したのは、タレントの麻木久仁子(52才)だ。

「40才の時から人間ドックを受けていて、乳がんが見つかったのは2012年、49才の時でした。胸が小さいから乳がんなんて無縁だと思っていて、むしろ子宮がんのほうを心配していたんです。でも、2012年に受けたマンモグラフィーで影が見つかって、細胞診をしたらがんでした。先生は、最悪のケースを想定されているので、“できるだけ温存はするけど、乳頭は残せないかもしれない”と言われました」(麻木)

“乳頭を残すことで再発のリスクが高まる”などという情報も耳にしていた麻木は、医師からそう説明を受け、「バサッといってください」と威勢よく答えた。

「でも、そのときは妙にテンションが上がっていてそう言ってしまったけれど、後になって“せっかくなら残ったほうがいいよね”と思ったり、また“いやいや乳首のひとつふたつ残すことで命を失ったらどうするんだ”と思ったり、強気になったり、弱気になったりしました。結果的には部分切除で、乳頭は残りました。その術式を選んだのは、先生が決めてくれたことです。患者の心の揺らぎに惑わされず的確な判断をしてくれた先生を信頼しました。周囲の人はその決断に寄り添ってほしいな、と思いますね」(麻木)


パナソニック冷蔵庫 保存方法による比較試食会

2015年11月01日 | 秋ネタ

余った生鮮食材を保存する際、多くの人が冷凍するという方法を選択しているだろう。しかし、冷凍したことでおいしさが損なわれる…との嘆きの声も多いはず。どうにかして、おいしさを保ったまま保存できる方法はないだろうか──そんな悩みの解決策になり得るのが、「パーシャルフリージング」と呼ばれる保存法だ。

「パーシャル」とは、「部分的」という意味で、「パーシャルフリージング」は全てを冷凍するのではなく、部分的に冷凍する方法のことだ。パナソニックの冷蔵庫には、「微凍結パーシャル」として、パーシャルフリージング機能を搭載したモデルがラインナップされている。

 通常の冷蔵室の温度は約3~6℃、冷凍室なら約-18~-20℃となっているが、微凍結パーシャルでは約-1~-3℃で保存。つまり、冷蔵と冷凍のあいだの状態を保つことで、冷蔵よりも長持ちし、なおかつ解凍がいらない形で保存できるのがこの「微凍結パーシャル」なのだ。

 パナソニック調べの情報によると、約0~2℃で保存する「チルド」では2~3日の保存が可能だが、微凍結パーシャルなら約7日間保存できるとのこと。さらに、牛肉や豚肉といった食材を微凍結パーシャルで保存した場合、完全に凍っていないため、すぐに包丁で切ることができ、調理がしやすいという特徴がある。

 そして、もっとも気になるのが、食材の味だ。微凍結パーシャルで保存した食材は、冷凍保存よりも格段においしいというのだが、果たして実際にはどうなのだろうか?

 パナソニックは10月14日、「パナソニック冷蔵庫 保存方法による比較試食会」を開催。NEWSポストセブンの記者が参加し、実際に微凍結パーシャルの実力を確かめてみた。

この試食会で食べ比べたのは、微凍結パーシャルと冷凍庫で、それぞれ7日間保存された牛もも肉。どちらがどちらかわからない状態で、焼かれた2枚の牛もも肉が出され、それを食べ比べるのだが、明らかに片方がジューシーで脂が乗っており柔らかく、もう一方がパサついていて固い。説明するまでもないだろうが、この前者のほうが微凍結パーシャルで保存した牛肉で、後者が冷凍保存した牛肉だ。

 さらに、2回目の試食では、1回目よりも薄くスライスした牛肉で比較。厚切りに比べると味の違いの判別が難しそうだと思われたが、これでもやはり微凍結パーシャルのほうがジューシーで柔らかい仕上がりとなっており、その差は歴然としていた。

 パナソニックと共同研究を行っているAISSY代表取締役社長の“味博士”鈴木隆一氏によると、微凍結パーシャルで7日間保存した牛もも肉と、7日間冷凍保存した牛もも肉を比較すると、味覚の基本となる5つの味(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)のうち特に「旨味」に有意差があり、微凍結パーシャルのほうが旨味が大きいという結果になったという。また、5基本味のバランスを数値化し総合的な味を示す「コク」を比べたところ、やはり微凍結パーシャルのほうが冷凍保存よりも、高い数値となったとのことだ。

 率直に言うと、「想像していた以上に微凍結パーシャルと冷凍保存では味に差があり、明らかに微凍結パーシャルのほうがおいしかった」というのが、今回の試食の感想だ。まさに、最新冷蔵庫の実力に納得。買い換えの際には「微凍結パーシャル」というキーワードは忘れないでおきたい。