発端は、今年5月の出来事だった。安室奈美恵(36才)が、自身と契約を結ぶ芸能事務所『ライジング・プロ』に対して、突如、「事務所を辞めたい」と直訴したのだ。
「まだ2017年2月末まで安室さんの契約は残っているのに、安室さんは“これは奴隷契約だ”“すぐにでも独立したい”と主張したんです。彼女は6月に入ると、税理士を連れて事務所に乗り込んで、契約変更の申し入れ書を一方的に突きつけて行きました」(事務所関係者)
安室側が主張したのは、「自分が新たに個人事務所を作ること」「楽曲の原盤権をその新会社に移すこと」「印税や報酬の配分を上げること」など、安室にとって都合のいいことばかりが書き連ねられた内容で、事務所社長の平哲夫氏(67才)を唖然とさせたという。
「事務所は今も、安室さんには相当な額の給料を支払っているし、仕事のスケジュールも全て、安室さんの意思を最優先にして組んでいます。一体なにが不満なのか…。突然の彼女の抗議に、事務所側は困惑するばかりだったといいます」(前出・事務所関係者)
そもそも、安室と平社長といえば、そのつきあいは24年にも及ぶ間柄で、今回の安室の行動は、一方的にその関係を壊すものだった。突然反旗を翻した“愛娘”に、平社長は困惑を隠せないでいる。
彼は安室と話し合いを求めたが、彼女はすでに弁護士を立てており、話し合いを拒否。8月上旬、平社長はやむなく、弁護士を通じて、こんな内容が含まれた抗議文を送った。
《貴殿の突然の豹変ぶりに驚愕し、また貴殿が「契約条件ご提案書」なる非常識な文書をやにわに提出してきたことに関しては、怒りを通り越して良識ある社会人に成長できなかった貴殿に対する憐憫(れんびん)の情すら禁じ得ない》
《貴殿に対し損害賠償請求や刑事告訴をする用意があることをご承知おきください》
その文面からは、平社長の苦渋の思いが伝わってくる。
この抗議文が届いてもなお、安室は自身の主張を曲げず、話し合いにも応じようとしなかった。“父娘”の関係を崩壊させながら、安室がこれほど強硬な姿勢でいられる理由。それは彼女が絶対の信頼を寄せるひとりの男性の存在があったからだった。その男性は音楽プロモーターの西茂弘氏(54才)だ。
現在、イベントプロデュース会社『オン・ザ・ライン』の社長である西氏が、安室のツアーを仕切るようになったのは7年ほど前のこと。舞台装置や照明、セットリストまで、抜群のセンスで観客との一体感を演出する彼の手腕は確かなもので、年間30公演以上、合計20万人超の観客を動員する大規模ツアーを毎年成功させるようになった。西氏に全幅の信頼を置き始めた安室は、ツアーを重ねるごとに、どんどん彼に接近していくことになる。
「西さんは聞き上手で、話もうまいんです。安室さんは、音楽だけでなく、プライベートのことも、彼にだけはなんでも話すようになったんです。いつしか、“カレってどことなくSAMに似てるの…”なんて嬉しそうに話すようになって…。安室さんの中で、西さんは単に“ツアーを仕切るプロモーター”というだけでなく、それ以上の存在になっていきました」(安室の知人)
そして、このころから安室に異変が起き始める。仕事について、事務所ではなく西氏にばかり相談するようになり、周囲の人間の話に、聞く耳を持たなくなっていったのだ。
「3年前には、平社長が住まわせていたマンションを出て、西さんが暮らすマンションの別の部屋に引っ越して、ひとつ屋根の下での生活を始めてしまったんです。2012年には、いきなり安室さんが“アメリカのワーナーに移籍する”と言いだして、周囲が慌てて止めたこともあります。それだけでなく、急にツアーのギャラや印税のことなど、事務所への不平不満を言うようにもなりました。西さんと出会ってから、安室さんはわがままな主張ばかりを口にするようになったんです」(前出・安室の知人)
一連の独立劇について、西氏の話を聞くべく『オン・ザ・ライン』に取材を試みたが、「本人が不在のため回答できない」とのことだった。
そして8月19日、平社長の下に、安室の印鑑が押された、一通の手紙が届いた。
「そこには、“奴隷契約”という発言に対する謝罪はあったものの、揉めるつもりはなかったこと、自分の行動がここまで大問題になると思わなかったことなど、言い訳が延々と続いていたそうです。本人は“詫び状”のつもりで出したようですが、残念ながら中身が伴っていないものだったようですね」(前出・事務所関係者)
8月22日から全国ツアー「namie amuro LIVE STYLE 2014」をスタートさせる安室。このツアーをプロモートするのは、もちろん西氏である。