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下町ロケット

2015年11月24日 | 気になるネタ

初回視聴率は16.1%。第2話は、日本シリーズや、高視聴率を記録し続ける『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)が裏番組だったにもかかわらず、第1話超えの17.8%を記録した。そして第3話は18.6%‼

 小さいながらも高い技術力を持つ町工場が、大手企業に技術をパクられ、さらに特許侵害で訴えられるも、夢に真っすぐな思いをぶつけ、見事勝訴する──物語の鍵となっているのが“特許”だ。

 念のためおさらいすると、特許とは、新たな技術を開発したものに独占的な権利を与えるもの。せっかく開発した技術について特許を取っておかなければ、模倣品を排除することはできない。特許を取っておけば、一定の期間その技術を独占することができるというわけだ。

 出願したいものがある場合、特許庁のHPにあるガイダンスに従って申請すればいいが、それですぐに審査へ進むわけではない。

「出願した時に1万5000円、審査に必要な手数料が平均約16万円かかり、これを支払って初めて審査が始まります。そして平均19か月の審査を経て、特許がおりたらそこで登録手数料として約1万円(3年分)かかる。つまり特許がおりるまでにかかる初期費用は計18万5000円となります」(特許関係者)

 登録4年目以降、適宜、手数料が発生するが、その金額もケースバイケースという。


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1日放送の第3話の視聴率が18.6%を記録し、今期の民放連続ドラマ唯一の右肩上がりの数字となっているドラマ『下町ロケット』(TBS系、日曜21時~)。主演・阿部寛が社長を務める町工場が大企業に立ち向かう物語の要所要所で挿入されるナレーションを担当するのが、元NHKアナウンサーの松平定知氏(71)だ。

 松平氏といえば、ニュース番組のキャスターや、長寿番組『その時歴史が動いた』の司会などで人気を博し、2007年の退職後も「NHKの顔」として大型特番に出演している。松平氏が語る。

「民放に出ないのですかと聞かれますが、NHK退局後に故郷・愛媛の民放やCSでキャスターやナレーターを担当したことはあります。しかし、民放キー局は今回が初めてです」

 最初に依頼がきたとき、「冗談ではないのか。なぜ?」と首を傾げたという。「民放からですし、僕は声の良さで勝負するタイプではないと思っている」からだ。

「でも嬉しかったし、奮い立ちました。なにせ、原作は池井戸潤さんの直木賞受賞作ですし、脚本、演出、プロデュースなどは、社会現象を巻き起こしたドラマ『半沢直樹』と同じスタッフですから。ナレーター冥利に尽きますよ」(同前)

 同じナレーションでも、歴史ドキュメントと違いはあるのだろうか。

「違いはありません。僕は美声ではないので、意味で表現することを心掛けています。この作品、この場面で作者は何を表現したいのかを考え、相応しい話し方を工夫します。しかし、役者ではないので必要以上に目立ってはいけないし、埋没してもいけない。物語の水先案内人という意識でやっています」(同前)

 TBSのプロデューサー伊與田英徳氏は、松平氏の「プロの仕事」をこう評する。

「感情の出し入れが非常に上手いです。ドラマの内容や展開に応じて、客観的に語るべき場面と、登場人物の感情を乗せて語るべき場面を的確に切り替えられる方だと思います」

 松平氏のナレーションが入ると、不思議なことにフィクションなのに物語のリアリティが増す。それこそが『その時歴史が動いた』などで培われた“松平マジック“なのかもしれない。

「若い時はあまり声の調子を意識しませんでしたが、最近は年なので、収録前日には風邪を引かないように靴下をはいて寝て、鼻づまりを起こさないよう喉に薬を塗っています。気合いが入っています」(松平氏)

『半沢直樹』の最高視聴率42.2%を超えることも期待される『下町ロケット』。ドラマ界の歴史が動くのか、日曜夜から目が離せない。