次々に明らかにされるASKAのシャブ中毒の実態だが、そもそも警視庁組織犯罪対策5課(組対5課)は、なぜ栩内容疑者のマンションから出てきたASKAの身柄を取れたのか。
ある警察OBの解説。
「自宅に踏み込むには相当な確証がないとできません。17日朝に声をかけた際、組対5課はASKAが『薬物を所持している』あるいは『尿検査で陽性反応が出る』『家宅捜索すれば薬物が出てくる』ことがわかっていた。よっぽどの確証があったのは間違いない」
本紙昨報通り、有名人の薬物捜査は失敗が許されない。だからこそ薬物の逮捕は困難を極めるのだが、当局は自信を持って声をかけているのだ。組対5課によると、ASKAの内偵捜査を進めるうちに「今年に入ってから、栩内容疑者の自宅マンションを毎週末、夜に訪れて朝出ていく」ことを確認したからだという。そして先月6日と12日に覚醒剤を所持していることを確認。しかし、なぜそのマンションで2人が覚醒剤を持っていることが確認されたのか判然としない。
そこで、関係者の間でささやかれているのが身内リーク説だ。
「ASKAの周囲の人間が警察にリークしたのではないかとみられています。特に考えられるのが、極めて近い親族。あれだけの量の薬物を持っていて、親族が気づかなかったというのは考えにくい。どう説得しても薬物をやめない時、警察に逮捕してもらうケースは少なくありませんからね」(薬物事犯に詳しい関係者)
事件後、ASKAの家族はマスコミにキャッチされていない。同関係者は「もちろん、ほかにも事務所の人間とか音楽関係者や売人のケースもある」と言うが…。いずれにしても、ASKAの周囲の人間は被害者だ。その心中は察するに余りある。
覚醒剤取締法違反(所持)容疑で逮捕された「CHAGE and ASKA」のASKA容疑者(56=飛鳥涼、本名・宮崎重明)と知人女性、栩内(とちない)香澄美容疑者(37)の“謎に包まれた関係”の全容が、本紙の取材で判明した。
栩内容疑者は大手1部上場企業グループ会社のOLで、同企業トップであるX氏の寵(ちょう)愛を受けていた。そのX氏はASKAと古くからじっこんの仲。つまり、ASKAは世話になった人の部下と関係を持ち、揚げ句の果てに「覚醒剤地獄」へと巻き込んでしまったわけだ。ASKAとの“シャブSEX”にはまった“愛人の正体”とは――。
超大物ミュージシャンのASKAとシャブをきめた「普通のOL」――。接点が分からなかった「点」と「点」がようやく「線」になった。謎を解くキーパーソンとなったのは、政財界、芸能界と太いパイプを持つ「大物経営者X氏」の存在だった。実はASKAは、X氏経営の会社のイベントなどに出演したこともある。X氏からは「家族より家族に近い存在」と言われるなど、親密な間柄だった。栩内容疑者はX氏のグループ企業A社で経理など内勤業務を担当。人目を引く安めぐみ似の清楚系美人で、X氏に目をかけられていたことも“公然の秘密”だった。
事情をよく知る芸能関係者はこう証言する。
「“X氏の数多くいる愛人の一人”だったとも噂されたほど。社内では有名な話ですよ」
さらに「グループ会社にはX氏が目をかける女子社員が多くいる。みな美形で、金銭的な面も含めて寵愛を受けている。栩内は10年ほど前まではX氏の大のお気に入りだった。X氏主催の食事会でASKAと栩内は知り合い、知人という関係をスタートさせた」と明かす。この奇妙なつながりから、2人の転落人生は始まった。都内にある栩内容疑者の自宅マンションは、普通のOLならとても家賃が払えない高級マンション。それも「X氏からの“お手当”でまかなったもの」(前出の芸能関係者)となれば合点がいく。
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本紙の取材で、栩内容疑者はASKAのほかにも、海外でも活躍歴のある大物ギタリストなど、芸能人との派手な交友関係が判明。都内の飲食店で同行の男性を四つんばいにさせるなど、テンションの高い様子も報じられている。そんな遊び好きなイケイケOLとも思える一方、社内ではX氏の威を借ることもなく、「地味な感じで仕事ができる人間」だったそうだ。
そんな“地味美女”がASKAの「知人」から「愛人」となった。
「ASKAと栩内がくっつくことは予想できた。ただX氏にすれば、まさか、薬物に手を染めるとは想像だにしなかっただろうが…」(同)
薬物事件で捕まる女性は、圧倒的に交際相手の男に染められるケースが多い。芸能界という派手な世界の誘惑に負けてしまった栩内容疑者の心の弱さが浮き彫りになる。
同社の広報担当者に栩内容疑者の在籍などを確認したところ「過去にも一切、所属したことはありません」。また、X氏と栩内容疑者の関係についても確認したが「わかりません」との回答だったが、現時点で「否定」するのは同社の方針のようだ。一部ではすでに栩内容疑者が辞表を提出したとの情報もある。
一方でX氏の政財界、芸能界への太いパイプにも「当局は注視している」とは、昨報でASKAの「シャブ逮捕内幕」を明かした現役捜査官。
というのも、芸能関係の騒動や事件にX氏の名前が出ることは、決して少なくないからだ。
「X氏は芸能界では有名なタニマチとして知られている。犯罪の当事者となるケースはほとんど聞かないが、薬物や詐欺事件など重大な案件で浮上する芸能人と交遊があるため、どうしてもX氏の名前が出てしまう。今後は、それを一つひとつ精査していくことになるだろう」(前出の捜査官)
業界でのX氏の評判は「昔ながらの親分肌で豪放磊落(らいらく)。人付き合いも良く、人脈も広い」という。ASKAとも普通の付き合いをしていたことは間違いない。
ただ、そのASKAを中心とした“芸能界の闇”は、あらぬ方向へと広がりを見せている。そして…。(続く)
今ごろ音楽業界関係者はビクビクしているんじゃないか。
「シャブ&ASKA」こと宮崎重明容疑者(56)とともに17日、覚醒剤所持で警視庁に逮捕された栩内香澄美容疑者(37)。南青山の自宅マンションで、ASKAと覚醒剤にふけっていた栩内は昼間は「ノーメークにヨレヨレのTシャツ。目も合わせない」(マンション住人)らしいが、夜の顔は相当奔放だったようだ。
栩内が、たびたび訪れていたという飲食店の常連客がこう明かす。
「有名ドラマーなど業界関係者らと一緒でした。何度か遭遇しましたね。深夜までドンチャン騒ぎして、彼女は酔っているというより、ハイテンションで目立っていました。見た目もかなり派手だし、あからさまに男性を誘うようなそぶりで、商売している人かなと思っていましたよ」
■野村義男の姿も
一緒に騒いでいた気になる面々だが、元たのきんトリオで現在は浜崎あゆみのバックギターの野村義男(49)も同席していたという。
野村の所属事務所に確認すると「たまたま知人を介して同席しただけで、(野村の)直接の知り合いではありません。(栩内と会った)回数は、分かりません」とコメントした。
他にも、有名ドラマーなど数人の名前が挙がった。そのうちのひとりのA氏とは“親しい間柄″のようで、栩内とASKAをつないだ人物との見方もある。
「チャゲアスの代表曲『SAY YES』などのレコーディングに参加していました。A氏は他にも、酒井法子、槙原敬之、男闘呼組、長渕剛など有名ミュージシャンのレコーディングにも参加したことがあるようです」(音楽業界関係者)
A氏のマネジメント会社は「スケジュール管理をしているだけで、プライベートについては一切把握していない」と言った。
「栩内の交友関係を洗い出し、芋づる式に芸能人が検挙される可能性がある」(捜査事情通)というから、遊び仲間は気が気ではないだろう。