楽天・三木谷浩史オーナー(48)が、球団に、田中将大投手(25)のチーム残留を厳命していることが3日、分かった。同投手は昨年12月の契約更改の席でメジャー挑戦する意向を表明。今オフにもポスティングシステム(入札制度)で海を渡ると見られたが、ストップがかかる可能性が出てきた。
レギュラーシーズンで24勝無敗という前人未到の記録を打ちたてた田中は昨オフの契約更改で、最短で海外フリーエージェント(FA)権を取得する2015年までの3年契約を結んだ。その際に、メジャー挑戦に関して1年ごとに話し合いの場を設ける条項を盛り込んでいた。
立花球団社長は今年8月に「来季もウチでプレーしてほしいという球団の思いを伝えたい。最終的には選手の意思を、会社の根底としては尊重するべきかな」と話すなど、基本的にはポスティングを容認する考えを示していたが、オーナーの考えは違ったようだ。
三木谷オーナーは来季の目標に「パ・リーグ連覇」を掲げている。メジャー挑戦という田中の夢を理解しつつも、まだ戦力として必要だと判断しているようだ。3年総額12億円で据え置きだった年俸も大幅に上積みする方針で、04~05年の佐々木主浩(横浜)の日本人投手の最高年俸6億5000万円(推定)を上回る8億円近い額を提示する可能性もありそうだ。
すでにヤンキース、レッドソックスなど、メジャー5球団を超えるチームが、獲得に興味を示している。従来のポスティングに関する取り決めはいったん破棄されたが、落札額を1位球団の入札額と2位の入札額の中間に設定する新しい制度が検討中。近々に迫った合意を待って、田中と会談する予定だ。