能登半島で一番見たかったのが、白米千枚田(しろよねせんまいだ)である。

(ホームページより)
場所はこの辺り。

ずいぶん、北上してきたのだと実感する。
道中、何軒もの輪島の民家を見てきたが、どれもこれも似通っていたのが印象的だった。
「そうか、屋根が同じなんだ」

どの家も真っ黒な瓦を使っているから、そっくりに見えるのだろう。タクシーの運転手が、こんな説明をしてくれた。
「輪島の瓦は、雪が融けやすい素材を使っています。さらに、輪島塗の釉薬を塗って滑りやすくして、雪が積もらない工夫をしているんですよ」
「それで黒いんですね」
「あと、ところどころに突起があるでしょ。あれで落雪を防いでいます。大ケガしますから」
「なるほど」
その地域ならではの話が聞けて嬉しい。だが、まもなく、フロントガラスには大きな雨粒が落ちてきた。
「雨降ってきましたよ」
「えー、巌門ではよく晴れていたのに」
「能登の天気は変わりやすくて、雨が多いんです。よく、弁当忘れても傘忘れるなと言いますよ」
運転手の言葉通り、それからはずっと雨だった。「もしや、千枚田に着くころにはやむのでは」と期待していたのに、世の中そんなに甘くない。傘は持っている。しかし、車から下りたら、風も強いことがわかった。
扇風機を強にしたような海風が、「ビュビューッ」と音を立てて、ひ弱な東京モンの体を煽る。グラッときたところに雨粒が「バババババ」と顔を濡らす。なんてこったい。傘なんぞ、あってもなくても同じじゃないか。
それでも、千枚田が見えたときは「あっ」と叫んでいた。

季節が悪かったのだろう。田は、ホームページでは見られなかった枯れ色に変わっていて、ちょっと残念だ。それで、この時期にはライトアップをするのかもしれない。「あぜのきらめき」というフレーズで、美しいと好評だが、新幹線は16時台。かすりもしませんなぁ……。
棚田1枚あたりの面積は約18平米で、ビジネスホテルのシングルルーム以下である。この小さな水田が1004枚あるそうだ。日本海をバックに、幾重にも繰り返されるあぜの輪郭の見事なことといったら!
気分が一気に、5階まで駆け上がっていった。日本で初めて世界農業遺産に認定された理由もわかる。稲を育てる苦労ややりがい、収穫の喜びなどが、この棚田に凝縮されているかのようだ。風や雨に邪魔されてながら、何枚も写真を撮った。



千枚田では、平成30年度のオーナー会員を募集しているそうだ。年会費は、マイ田んぼ1枚を含めて2万円。稲作体験を通じて、地元農家の方との交流もあるし、作業に参加できなくても管理団体が田んぼの耕作はしてくれる。特典は収穫米10kgに地元特産品等。加えて、マイ田んぼにはオーナー名の氷柱を建立するのだとか。
うーん、「笹木砂希」という名の田んぼも悪くないな……。
ちなみに、特別名誉会員は、安倍昭恵氏、小泉純一郎氏、小泉進次郎氏、さいとう・たかを氏、ちばてつや氏、永井豪氏など10名である。現金なワタシは、にわかに親近感をおぼえてしまった。
千枚田での収穫米でご飯を炊いたら、魚沼産のコシヒカリよりずっと美味しく感じることだろう。
「弁当忘れても傘忘れるな」ではなく、「傘忘れても弁当忘れるな」となるに違いない。

↑
クリックしてくださるとウレシイです♪
※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)

(ホームページより)
場所はこの辺り。

ずいぶん、北上してきたのだと実感する。
道中、何軒もの輪島の民家を見てきたが、どれもこれも似通っていたのが印象的だった。
「そうか、屋根が同じなんだ」

どの家も真っ黒な瓦を使っているから、そっくりに見えるのだろう。タクシーの運転手が、こんな説明をしてくれた。
「輪島の瓦は、雪が融けやすい素材を使っています。さらに、輪島塗の釉薬を塗って滑りやすくして、雪が積もらない工夫をしているんですよ」
「それで黒いんですね」
「あと、ところどころに突起があるでしょ。あれで落雪を防いでいます。大ケガしますから」
「なるほど」
その地域ならではの話が聞けて嬉しい。だが、まもなく、フロントガラスには大きな雨粒が落ちてきた。
「雨降ってきましたよ」
「えー、巌門ではよく晴れていたのに」
「能登の天気は変わりやすくて、雨が多いんです。よく、弁当忘れても傘忘れるなと言いますよ」
運転手の言葉通り、それからはずっと雨だった。「もしや、千枚田に着くころにはやむのでは」と期待していたのに、世の中そんなに甘くない。傘は持っている。しかし、車から下りたら、風も強いことがわかった。
扇風機を強にしたような海風が、「ビュビューッ」と音を立てて、ひ弱な東京モンの体を煽る。グラッときたところに雨粒が「バババババ」と顔を濡らす。なんてこったい。傘なんぞ、あってもなくても同じじゃないか。
それでも、千枚田が見えたときは「あっ」と叫んでいた。

季節が悪かったのだろう。田は、ホームページでは見られなかった枯れ色に変わっていて、ちょっと残念だ。それで、この時期にはライトアップをするのかもしれない。「あぜのきらめき」というフレーズで、美しいと好評だが、新幹線は16時台。かすりもしませんなぁ……。
棚田1枚あたりの面積は約18平米で、ビジネスホテルのシングルルーム以下である。この小さな水田が1004枚あるそうだ。日本海をバックに、幾重にも繰り返されるあぜの輪郭の見事なことといったら!
気分が一気に、5階まで駆け上がっていった。日本で初めて世界農業遺産に認定された理由もわかる。稲を育てる苦労ややりがい、収穫の喜びなどが、この棚田に凝縮されているかのようだ。風や雨に邪魔されてながら、何枚も写真を撮った。



千枚田では、平成30年度のオーナー会員を募集しているそうだ。年会費は、マイ田んぼ1枚を含めて2万円。稲作体験を通じて、地元農家の方との交流もあるし、作業に参加できなくても管理団体が田んぼの耕作はしてくれる。特典は収穫米10kgに地元特産品等。加えて、マイ田んぼにはオーナー名の氷柱を建立するのだとか。
うーん、「笹木砂希」という名の田んぼも悪くないな……。
ちなみに、特別名誉会員は、安倍昭恵氏、小泉純一郎氏、小泉進次郎氏、さいとう・たかを氏、ちばてつや氏、永井豪氏など10名である。現金なワタシは、にわかに親近感をおぼえてしまった。
千枚田での収穫米でご飯を炊いたら、魚沼産のコシヒカリよりずっと美味しく感じることだろう。
「弁当忘れても傘忘れるな」ではなく、「傘忘れても弁当忘れるな」となるに違いない。

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※ 他にもこんなブログやってます。よろしければご覧になってください!
「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
「うつろひ~笹木砂希~」(日記)
色々な特典が付いてくるのが嬉しいわ。自分だけのお米が貰えるのもいいですね。
何だか夢がありますよね。
ただし、1年間で2万という期限がついています。
耕作の予定も決まっています。
もし、その日に行かれそうなら申し込みたいんだけどな~。
無理そうだから、定年退職後でいいかなんて思っています。
どうせだったら、作業に参加したいじゃないですか。
特典は魅力ですね。
悪天候の中、冬の日本海の怖さを知らないまま無事帰ってこれたのだから不幸中の幸いというものです。
耕作意欲が凝縮された千枚田は農耕民族の象徴のようなものですね。
実に効率の悪い耕作地ですが、収穫さえあれば米が食べられる。こちらでも男鹿行けば同じようなところがあります。漁師といえども魚だけ食べている訳にはいかなかったのでしょう(笑)
昭惠夫人は森友と云わず日本の津々浦々まで名前を連ねているのですね(*^^*)ポッ
青々とした田んぼが見られるはずもなく、考えの甘さを思い知らされました。
日本海は怖いものなのですか?
本当は、能登半島の先端まで行きたかったのですが、時間の都合で割愛しました。
生産性と景観はなかなか比例しないでしょうね。
男鹿にもいつか行ってみたいです。
さて、いつがベストシーズンなのかしら。
冬だけは絶対違うとわかりました(笑)
田んぼと言っても斜面の狭い平地。
耕作の苦労がしのばれますね。
そんな田んぼを作ったりオーナーになれば、
お米の味も一段と美味でしょうね。
一国一城の主と言いますが、この場合は一反一枚の主とでも言うのでしょうか。
素敵な景色でした。
冬場はナンでしたが(笑)、夏場は青々とした稲が美しいでしょうね。
トラクターなどの機械を使わないと、生産性は上がりません。
でも、ここは生産性の治外法権という気がします。
また行きたいなぁ。