これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

ぐっすり! 快眠大作戦

2018年02月08日 21時06分55秒 | エッセイ
 快眠は私の特技である。
 枕に頭がつくか、つかないかのうちに眠りに落ち、そのまま朝までぐっすり。いびきはかくが、夜中にトイレに起きることはほとんどない。
 しかし、正月が終わり、成人の日以降の一週間は、「不眠」が特技となってしまった。
 暗がりで目覚め、「あれ、もう朝? まだアラーム鳴ってないよね」と気づく。枕元のスマホをONにすると、時間は「0:53」。最初は、「まだ寝られるじゃん、ラッキー」などと呑気に構えていたのだが、布団に潜り込んでまたすぐに目が覚める。時間は「3:18」だ。
 4時台にも起きてしまったのに、肝心の起床時刻5時を迎えたときには、眠くて起きられないという皮肉な現象が何日も続いていた。
「何で寝られなくなったんだろう」と首を傾げながら、眠い目をこすって身支度にとりかかる。まずは、うがいをして水を飲み、冷蔵庫を開ける。いつもなら牛乳を取り出し、すり下ろした生山葵を加えて「わさびミルク」を作るところだが、わさびが残り少なくなっているし、だんだん面倒になってきて、しばらくサボっていた。
「あ、もしかして、わさびミルクを省略したから不眠になったのかな?」
 牛乳は安眠につながるイメージがあり、調べてみようと思い立つ。
 結果からいえば、やはりその通りだった。眠りを誘うホルモンはメラトニンである。メラトニンは、ビタミンB6とトリプトファンを同時にとることで作られるが、分泌までに時間がかかるので、朝食時でなければ意味がない。牛乳にはトリプトファンが、わさびにはビタミンB6が含まれている。決して豊富な量ではないけれど、しっかりメラトニンが作られていたのだろう。
 不眠に悩み、しみじみと眠りの大切さがわかる。
「よし、今日はデパートに寄ろう」
 生山葵はスーパーでは買えない。わさびミルクを再開したその夜から、中途覚醒はなくなった。これまでの睡眠負債がたまっていたせいか、夢を見たおぼえもなく、柔らかな綿の中に背中から沈んでいくように、どっぷり深い眠りにはまっていった。目覚めたときの幸福感が、一日の始まりを明るくさせてくれる。
「ああ、よく寝た。そうだ、ついでに、もっとメラトニンを増やす朝食を考えてみよう」
 すっかり味をしめ、もっと質のよい眠りを追求したくなった。
 朝食は、アルミホイルを敷いた耐熱皿に、切ったピーマン、ポークウインナー、生卵を載せ、オーブントースターで焼くだけだ。後片づけもラクラクでよい。以前は、目玉焼きトーストを作っていたが、胃が重く感じられるので、糖質はカットした。これに玉ネギのみそ汁と、柑橘系の果物も添えていただく。鶏卵とポークウインナーには、トリプトファンとビタミンB6の両方が入っているし、ピーマンと玉ネギにはビタミンB6が含まれている。
「でも、トリプトファンが少ないんじゃないかなぁ」
 冷蔵庫にはナチュラルチーズがあった。乳製品には、トリプトファンが含まれているから、これもかけよう。ゴマもいいらしい。賞味期限が切れているけれど、これもパラパラ。



 もうひと押し、魚系で何かないだろうか? 魚には、トリプトファンとビタミンB6の両方が含まれているものが多いらしい。
「あ、缶詰のさんまの蒲焼きがあったっけ」



 実は、これは私の好物である。3日で1缶くらい食べれば、胃が重くなることもないだろう。
 かくして、豪華な朝食ができ上がった。



 今は、本当によく眠れる。22時を過ぎると、起きているのがツラくなるけれど、日中の眠気はどこへやら。集中力もアップし、仕事のパフォーマンスが上がったような気がする。
 不眠に悩んでいる方、ぜひお試しください!


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (7)
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