これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

イルミネーションの友

2016年02月11日 20時53分48秒 | エッセイ
 東武動物公園のイルミネーションは17時に点灯する。
 まだ明るかったので観覧車に乗って、上から様子を見てみた。
「あ、あの辺キレイだね。行ってみない?」
「そうだね」
 ぐるっとひと回りすれば、だいぶ暗くなっている。観覧車から降り、娘が指さす方角に進むと、あったあった。



 クリスマスみたいな雰囲気である。この辺りは人がまばらなので、落ち着いて撮影できた。
「もっと進んでみよう」
 賑やかな色の組み合わせは好きだ。
 黄色に彩られたスワンブリッジ。



 ロマンティック~ぅ♪



 少し先には三角錐のようなものがあった。



「さ、寒い。戻ろうよ」
 5月生まれの娘は寒さに弱いらしい。撮影もそこそこに、手をポケットに突っこんで、暖かい場所に行きたがる。10月生まれの私はへっちゃらだ。寒くないわけではないが、頬を撫でる冷気は気持ちが引き締まるし、動けばポカポカしてくる。
「早く~」
 くるりと後ろを向くと、水上コースター「カワセミ」がライトアップされていた。



 20時まで運行しているようだが、相方がこれでは無理だろう。中心地に向かう「スカイフィッシュ」というゴンドラのようなものに駆け込み、暖をとった。
 乗り場近くには「シェイクハンズラブツリー」なる、カップルの記念撮影スポットがあった。あと30歳若ければ私も並んだかもしれない。



「ひー、あったけ~」
 娘はハエのように両手をこすり合わせ、凍えた体を解凍することに必死だ。私は窓から外を眺め、上空からの撮影に挑戦。





「今度はあの辺に行ってみようよ」
 上からの景色を目の高さで見ると、また違ってくる。









 ここもカップル御用達? アツアツな白鳥がうらやましい。



「もういいじゃん。寒いから帰ろうよ~」
 悲鳴のような声が聞こえてきた。写真は十分撮ったから、もういいか。
 帰りは、桜イルミネーションがお見送り。





 東武動物公園は、本物の桜も有名らしい。3月末か4月初めには、生花の桜トンネルができるのだろう。
 出口付近で振り返ると、「白鳥の池」に映った景色が名残惜しかった。



 少々歩けば、東武動物公園駅に着く。
 時計は間もなく19時になるところだ。お腹がすいてきた。
「あっ、日高屋があるよ」
「ホントだね。入ろうか」
 日高屋は、駅前の一等地に出店することを基本とし、インパクトの強い味を目指さない代わりに、無難な美味しさを追求することで成長しているそうだ。一度は、その味を体験したいと思っていたから、実にタイムリーであった。
「タンメンと生ビール」



 野菜たっぷり、スープこってり、麺はしっとりで、とても気に入った。額から汗が噴き出るほど、体温が上昇してくる。
「うう~、あったけ~」
 娘はピリ辛とんこつネギラーメンを頼み、体力を回復したようだ。
 イルミネーションとラーメン。
 なんて、いい組み合わせなんだろう!


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (14)
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