デカルトは、著書「哲学の原理」の序文にて、自らの「知恵」のコンセプトをメタファで示しています。
(p56より引用) 哲学をphilosophiaの字義通りに「知恵の探究」であるとのべた後、その「知恵」を一本の木にたとえています。・・・そしてその木の根は「形而上学」であり、その幹は「自然学」である、という。さらに知恵の実が結ぶのは枝においてであるが、枝は三本あり、一は「機械学」、二は「医学」、三は「道徳」である、という。
このメタファにより、デカルトは、形而上学が全ての根幹であること、その上に、世界がいかなるものであるかを説く自然学が幹をなし、そこから(知恵の)実を結ぶ3本の枝(機械学・医学・道徳)が伸びていること、その実の中で「道徳」が究極の善に関わる真の果実であること等を表わしているのです。
(p58より引用) デカルトが自分の思想を大体つくり上げた後に示した体系の見取り図は大体以上のようなものであります。そこでわれわれは形而上学からはじめて次々に見て行かねばならぬわけですが、その見取り図を眺めるだけでもういろいろな問題が心に浮ぶ。そしてそれがわれわれをデカルト自身のスタート・ラインまでおしもどすのであります。
適切なメタファは、ものごとの本質を概括的に捉え、さらにそこから新たなる観点を見つけ出すという思索の深堀に非常に役に立つものです。