OMOI-KOMI - 我流の作法 -

For Ordinary Business People

〔映画〕夢の音

2023-05-31 12:02:47 | 映画

 
 2019年公開の映画です。
 
 ストーリーもキャスティングも映像も、すべてにおいて “素人感” 満載です。
 
 平板なプロットで登場人物も誰一人 “悪い人” は出てきません。それはそれで私は嫌いではないのですが、ただ、これが「映画作品」だとするとやはり物足りなさは半端ではないですね。

 

 

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〔映画〕THE LEGEND & BUTTERFLY

2023-05-30 13:49:22 | 映画

 
 2023年公開の映画です。
 
 木村拓哉さん、綾瀬はるかさん共演の話題作ですが、出来栄えは、正直なところ “予想どおり” でした。
 
 ストーリーはコメントすべき内容もないので、勢い見どころはキャスティングになるのですが、時代劇の木村さんはどうにも馴染めませんね。顔立ちも話しぶりも “侍”っぽくなく不自然さが漂うのです。
 
 反面、見応えがあったのは、綾瀬さんと中谷美紀さん。お二人とも“役者” です。特に綾瀬さんの存在感、躍動感は映画では一段と光りますね。

 

 

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〔映画〕ファーザー

2023-05-29 08:44:04 | 映画

 
 2021年公開の映画です。
 
 「認知症」がモチーフなので他人事ではないですね。
 現実と記憶・憶測とが交錯したさまを映像で表現しているのですが、その混濁はサスペンス映画のようにも感じます。主役が名優アンソニー・ホプキンスなので、醸し出されたミステリアスな雰囲気はなおさらですね。
 
 彼以外のキャスティング面でも落ち着いた実力派を配していますし、殊更にしたり顔のメッセージを前面に押し出していないのも、上質な出来栄えの大きな要素でしょう。

 

 

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ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか? (堤 未果)

2023-05-28 09:55:26 | 本と雑誌

 

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 堤未果さんの著作は、かなり以前に「ルポ 貧困大国アメリカ」を読んだことがあります。

 本書は、通勤途上の書店でも平積みされていて、テーマも今日的で身近なものだったので気になっていました。
 予想どおり興味を惹いたところは数多くありましたが、その中から特に気になった部分をいくつか書き留めておきます。

 まずは、遺伝子工学の現在の到達点「ゲノム編集食品」「細胞培養」「合成生物」の作成の実態です。肉・魚・野菜・・・、様々な実例が並んでいます。

(p84より引用) 2022年2月。「精密発酵」による乳タンパク質を使った、アイスクリームやケーキミックス、クリームチーズなどを販売する米パーフェクトデイ社が、前年11月にスターバックスが試験導入済みの「精密発酵牛乳」を、ついに一般市場に出すことを発表した。
 ちなみにこれらの商品には、「遺伝子操作」「精密発酵」などの表示が一切ない
「自然食」「非遺伝子組み換え」「アニマルフリー」「ヴィーガン」など、環境や動物への配慮を示すラベルで売られており、ヴィーガン、動物愛護派、環境保護意識の高い健康志向の消費者たちが、喜んで買っているのだ。

 何ともショッキングな現実ですね。
 「ゲノム編集」は「遺伝子組み換え」と異なり“自然界で起きる変異と同等”、すなわち「品種改良の一形態」とされて“規制緩和”の方向にあります。そして、これらのテクノロジー主義者たちが推進するビジネスモデルの根源は「特許」により一握りの企業に独占されているのです。

 さらに「ここまでやり始めたのか!」と驚きを禁じ得ない事実。

(p156より引用) かつてカナダのゲルフ大学の研究チームが「環境に優しいうんちをする豚」を開発したというニュースが話題になったことを思い出す。豚のうんちが含むリンが、土の中で濃縮され地下に染み込んで川や湖を汚すからと、リンの量を減らすよう遺伝子を組み換える研究だ。研究班の微生物学者は、環境に優しくなるために、豚が必要とする遺伝子を我々が与えてやるのだ、と語っていた。
 根本的に何かが間違っていないだろうか。・・・
 環境に優しい豚を本気で育てたいならば、リンを含む穀物の代わりに牧草を与えれば、環境に優しいだけでなく豚の健康にも良いではないか、と。

 そう、そのとおりだと思います。
 「リンを含む穀物」は大量の化学肥料により育てられているのです。リンによる汚染は「牛や豚」が悪いのではなく「人」のせい、すなわち「管理方法・飼育方法」が悪いのですが、そういう「畜産の工業化サイクル」からの離脱は解決策のひとつとして掲げられません。
 そして、さらに企業家や研究者たちは、“歪で非本質的な解決手段の探求” に踏み込んでいく・・・。

(p157より引用) テクノロジーの進化によって、私たち人間は、ついに生き物をDNAから都合よく作りかえる〈神の手〉を得てしまった。
 効率化の名の下に商品となった〈いのち〉の選別は、もはや〈優生思想〉として問題視すらされず、やがて暗黙の了解になってゆく。

 悲観的観測ですが、“自然の摂理”により“人知の限界”を知るときが近づいてきているように思います。

 さて、本書を読み通しての感想です。

 ともかくレポート全編を通じて痛感したことは、「一握りの投資家」「株主重視・効率化第一の資本家」の、“自らの富を得る”ことに最大の価値を見出す思考の狭隘さです。それは “愚かさ”でもあり “高慢さ” とも言えるでしょう。
 その“愚考”と“愚行”が地球という生態系のエコシステムをバラバラに分断させている姿を、堤さんは、「食料」という切り口からヴィヴィッドに描き出しています。

 まずは、本書を“基点”として、現在起こりつつある営みの意味付けを確かめていきたいと思います。次の世代への責任としての “食の持続可能性” の実現のために、私たちが支えるべき対象を誤らないように。
 いくつかの対策は、人々にひと時の夢を抱かせるように見えて、結局のところ取り返しのつかない生態系破壊をもたらすかもしれませんから。

 

 

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〔映画〕バトル・ドローン

2023-05-27 08:40:46 | 映画

 
 2018年公開の映画です。
 
 延々と傭兵チームと機械兵との無機質な戦闘シーンが続きます。
 
 そもそも、なぜ舞台がチェリノブイリなのでしょう。そういった設定の粗さをはじめとして物語の構成も単純かつリアリティ皆無なので、よほどの戦闘シーン好きでないと楽しめないでしょうね。
 
 細かなところでいえば、登場する機械兵は遠隔操縦との設定なんですね。今の時代の作品であれば、AIとかクローンとか、もう少し近未来感が出せただろうと思います。
 
 ともかくすべての面で物足りなさ満載の作品でした。

 

 

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〔映画〕光の旅人 K-PAX

2023-05-26 10:28:21 | 映画

 
 2001年公開のアメリカ映画です。
 
 こういった作品を “ヒューマン・ファンタジー” というのでしょう。
 
 メインテーマは、やはりアメリカらしく“家族の絆” のようです。ファンタジーなので、細部の辻褄合わせは無粋ということですね。
 
 作品の出来としては、どうでしょう、かなり好悪が分かれるかもしれません。
 私としても、どうにも途中に挿入された本物らしいエピソードの処理が気になってしまいますね。その絡繰りを完全に無視するというのもどうかと思います。(ただ、あそこまで踏み込んでしまうとうまく繕うのは無理ですが・・・)
 
 ケヴィン・スペイシーとジェフ・ブリッジスとの共演は、十分見応えはあっただけに、ちょっとしたつくりの粗さが残念です。

 

 

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〔映画〕キネマの神様

2023-05-25 11:26:06 | 映画

 
 2021年公開の日本映画です。
 
 いろいろな意味で紆余曲折、 “新型コロナウィルス禍” に翻弄された作品ですね。
 
 こういった「往年の日本映画の制作現場」をモチーフにした作品は過去にいくつもあるので、正直、その中では今ひとつといった出来栄えでした。
 
 永野芽郁さん、北川景子さんといった若手・中堅クラスの女優さんはそれぞれに持ち味を発揮していましたし、宮本信子さん、寺島しのぶさんら実力派の方々はさすがの演技力だったと思いますが、如何せん、シナリオと演出にはどうにも “わざとらしさ”が感じられて、正直なところ私には合いませんでした。
 
 やはり、志村けんさんで楽しみたかった気がします。とても残念です・・・。

 

 

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〔映画〕恋愛小説家

2023-05-24 09:54:49 | 映画

 
 1997年公開のアメリカ映画です。
 
 熟年向けの “ロマンティック・コメディ”ですね。
 物語の主人公の一人は小説家、かなりクセのあるキャラクタなのですが、演じるジャック・ニコルソンにとってはまさにはまり役でしょう。
 
 本作品、少々時間的には長いのですが、ストーリー立てもしっかりしていますし、何より登場人物が多彩で、その性格付けと描き方が絶妙です。このあたり流石の出来栄えだと思います。
 
 そして、特筆すべきはヒロインを演じたヘレン・ハント。自然体の演技で、あくの強いジャック・ニコルソンとのバランスは見事でしたね。

 

 

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黒石 新宿鮫Ⅻ (大沢 在昌)

2023-05-23 09:02:15 | 本と雑誌

 いつも聴いている大竹まことさんのpodcastの番組に著者の大沢在昌さんがゲスト出演していて、本書の紹介をしていました。

 大沢さんの「新宿鮫シリーズ」は第一作目から読み続けています。
 最初の頃のインパクトは強烈でしたね。主人公の個性的なキャラクタに加え、脇で登場する人々が魅力的で大いに楽しめました。ただ、やはり本シリーズも例外ではなく、ナンバーを重ねるごとにその作品としての迫力は急速に劣化していきました。

 小説なのでネタバレにならないよう、感じたところを記してみると、本作では、そのマンネリ化も少し持ち直したようですね。主人公とそれを取り巻く人物たちとの会話がテンポよく、物語の展開をリードしていきます。肝心の物語もシンプルな軸が一本通っていて大きな振幅がないので、しっかりとストーリー展開に入り込んでいけるのです。

 シリーズものとして成功する秘訣のひとつに、主人公のキャラクタ設定がありますが、本作中で大沢さんはこう描いています。

(p257より引用) 警察の出番は、常に何かが起きてからだ。被害にあう者がでて初めて、警察は動く理由を得る。
 未然に犯罪を防止できれば、それに越したことはない。といって、密告や監視が横行する社会が健全だとは鮫島は思わない。

 本シリーズの「鮫島警部」。
 決して超人的な能力をもったスーパーヒーローではありません。極めてノーマルな考えから愚直に自らの信念の貫く真っ当な刑事、それが共感を生む彼の魅力の原点でしょう。

 

 

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〔映画〕THE INFORMER/三秒間の死角

2023-05-22 10:07:27 | 映画

 
 2019年公開のイギリス映画です。
 
  “クライム・サスペンス” 作品といっていいのでしょう。クライムといっても犯罪そのものに見どころがあるわけではないので、何がウリなのかちょっと中途半端な印象の作品でした。
 
 キャスティング面では、主役のヨエル・キナマンは広く有名な役者さんではありませんが、共演者はクライヴ・オーウェンを筆頭に結構ビッグネームが並びました。
 特にロザムンド・パイクとアナ・デ・アルマスという新旧二人の “ボンドガール” の共演はさすがに絵になりますね。

 

 

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〔映画〕ザ・ミスフィッツ

2023-05-21 09:48:21 | 映画

 
 2021年公開のアメリカ映画です。
 
 軽めの “アクション・コメディ” といったテイストですね。
 
 ストーリー自体には背景の深みも奇抜なオリジナリティもなく、アクションシーンも中途半端、さらには、この手の作品にありがちの「エンドロール後のサプライズ」もありませんから、まったく “平凡” な出来だと思います。
 
 もちろん、ピアース・ブロスナンが出演しているのは大きなウリではありますが、だからといって何か “エンターテインメント” として秀でているところがあるかといえば、それも見当たりません。
 まあ、評判にならなかったのも頷けますね。

 

 

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〔映画〕グッドモーニングショー

2023-05-20 11:48:03 | 映画

 
 2016年公開の日本映画です。
 
 “テレビの朝のワイドショー” をモチーフにしたコメディです。
 
 デフォルメされてはいるのでしょうが、フジテレビと東宝の制作なので内輪ネタが散りばめられたような映画ですね。
 “自虐的” ともとれますが、やはりこれは “驕り” の結晶でしょう。ウケさえすれば何でもアリ、まさに「視聴者アンケートの捏造」を “必要悪” のように扱っているのは自爆だと思います。
 
 本作の中で、唯一まともだったのは吉田羊さんの役どころぐらいです。これは、まさに “はまり役” でしたね。

 

 

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〔映画〕幸せなひとりぼっち

2023-05-19 09:25:18 | 映画

 
 2015年に公開されたスウェーデン映画です。
 
 ヒューマン・コメディといったテイストですが、登場人物のキャラクタ設定が絶妙で、それぞれのエピソードごとの絡み方も洒落ていました。
 
 もちろんそういった役を演じる役者さんたちも、主役のロルフ・ラッスゴードさん、 バハール・パルスさんをはじめとしてみなさん好演でしたね。
 
 演出面では、スウェーデンというお国柄もあり、VOLVOやSAABといった車をめぐるやりとりも効果的でしたし、ラストの “お嬢ちゃんがフェンスを閉める” シーンも気が利いています。
 公開時も評判は良かったそうですが、わかりますね、なかなか面白かったですよ。
 
 ただ、一点気になったのは「幸せなひとりぼっち」という邦題です。原題は「En man som heter Ove」(=A man called Ove)とのことですが、こちらの方がずっとスマートだと思います。

 

 

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津和野殺人事件 (内田 康夫)

2023-05-18 10:46:08 | 本と雑誌

 かなり以前に読んだ内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。

 ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら“浅見光彦シリーズ”の制覇にトライしてみようと思い始ました。

 この作品は「第4作目」です。舞台は“津和野”。出張では行ったことはありませんが、30年以上前にプライベートの旅行で訪れたことがあります。

 ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品はシリーズの中でもかなりの力作の部類だと思います。
 地方の旧家のスキャンダルというモチーフは在り来たりですが、多彩な登場人物と彼らの人間関係、そして、それらにまつわるエピソードの数々。さらに、津和野という舞台設定が地理的な要素のみならず、その土地の歴史をもプロットの伏線に取り込んだ構成は秀逸でした。

 さて、本作を皮切りに取り掛かってみた“浅見光彦シリーズ制覇チャレンジ”、それほど強い意志をもって完遂しようとも思っていませんので、まあ、“どこまで続くことやら”です。
 次は「佐渡伝説殺人事件」ですね。

 

 

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〔映画〕ひまわり

2023-05-17 11:41:21 | 映画

 
 1970年に公開された作品です。
 
 当時は、冷戦期のソビエト連邦でのロケが話題になったとのことです。
 
 プロットはとてもシンプルです。単純なストーリーラインに、主人公には人気スターを配し、丁寧な映像と効果的な音楽という徹底的に “王道” を極めたつくりだと思います。
 
 ある意味リアリティに乏しい物語なので、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの共演がウリで、しっかりとそれに応えた二人の演技は見事でしたね。
 あとは、抒情に溢れるヘンリー・マンシーニのBGM、まさに “映画音楽の教科書” と言えるでしょう。

 

 

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