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〔お知らせ〕gooブログから引越しします

2025-04-18 14:09:34 | ブログ

 2025年11月18日をもってgoo blogがサービス終了するとのこと。

 2014年9月13日に「OCNブログ人」の終了により引っ越してきて、10年以上お世話になりました。

 今後このBlogは、4月18日より、「はてなブログ」( https://norio0923.hatenablog.com/ )に移行して続けていきます。

 引き続きよろしくお願いいたします。

 

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バッタを倒すぜ アフリカで (前野ウルド浩太郎)

2025-04-17 20:15:41 | 本と雑誌

 

 日本経済新聞の書籍紹介の欄で書評家の東えりかさんが取り上げていました。

 前野ウルド浩太郎さんの著作は初めてです。本書は、7年前に出版し新書大賞を受賞した「バッタを倒しにアフリカへ」の続編とのこと、エネルギッシュなタイトルも刺激的です。

 期待どおりインパクトのあるエピソードが数多く紹介されていましたが、その中でも特に印象に残ったところをいくつか書き留めておきます。

 まずは、「論文作成の現実」についてです。
 学術論文では当然なのでしょうが、記述内容はどんなに些細なことであってもすべて実際に確認されていなくてはならないという “探求への真摯さの程度” には改めて驚かされました。「卵母細胞は毎日、徐々に大きくなる」「メスは自力でオスを蹴っ飛ばすのに苦労する」といった一行にも満たない記述の裏には、解剖や実験にもとづく測定数値があり、それを得るために多大な時間と労力を費やしているのです。
 このあたり前野さんはユーモアたっぷりに紹介していますが、現実の作業は、相手が「生き物」だけに想像以上に厳しいものだったでしょう。

 こういった前野さんの研究に向かう真摯な姿勢は、念願の論文掲載後、研究者たちからの反応を期待する姿にも表れていました。

(p537より引用) また、学会やセミナーなどで研究を紹介すると、色んな質問を頂戴できるようになった。論文を発表するだけではいけないのだ。もっと自分から話しかけていかなければ孤独感は拭い去れない。自分が行動しなければ、自分を満足させることはできない。私は甘えていただけだった

 自分の研究を多くの人たちからの声を受けて磨き上げ、さらに高みにある次なる未知を解明していこうという前向きな情熱は素晴らしいものです。

 しかし、本書を読んで最も感じ入ったところですが、前野さんの読者を楽しませるテクニックはかなりのものですね。
 話のテンポの絶妙さやユーモアの挟みどころも見事ですし、さらには、特定年齢層のマニア(オタク?)向けに「特級呪物」「ガンダムRX78-2」といったアニメやコミックの小ネタをあちこちに埋め込む遊び心もなんとも心憎い演出だと思います。

 まったく研究者にしておくには何とも惜しい逸材ですね。

 

 

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〔アニメ〕宇宙戦艦ヤマト2 総集編

2025-04-16 20:51:42 | 映画
 
 1979年に「宇宙戦艦ヤマトII ヤマトよ永遠なれ!」というタイトルで放送され、1985年「宇宙戦艦ヤマト2 総集編」に改題され再放送された日本のアニメ作品です。
 
 大ヒットしたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」は劇場映画化され、その続編として「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」が作られましたが、本作品は、同じ「白色彗星帝国」との戦いを描きつつもラストシーンをはじめかなり内容を改変して放映されたものです。
 
 両者の違いについてはそれぞれの捉え方があると思います。ドラマチックなエンディングという点では、「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」の方に軍配が上がるのでしょうが、それをもたらしているメンタリティを思うと、やはり強い違和感を感じざるを得ません。

 

 

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〔映画〕侍タイムスリッパー

2025-04-15 20:22:01 | 映画

 
 2024年に公開された日本映画です。
 
 安田淳一さん脚本・監督の自主製作映画ですが、第48回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞という快挙を成し遂げました。
 
 “タイムスリップ” というモチーフは、映画ではそれこそ山のように前例があってオリジナリティはありませんが、登場人物のキャラクタやストーリーだてが素直だったせいか、とても自然に楽しませていただきました。
 ラストに向かうシーンの組み合わせも秀逸でしたし、作品に通底する“映画作り” への情熱は、はるか昔に観た「蒲田行進曲」に通じるものがありますね。
 
 ちなみに、エンドロールをみていると、作品で「助監督」役を演じた沙倉ゆうのさんは、本作そのものでも「助監督」だったようですし、安田監督にいたっては、編集や照明等、いたるところに「安田淳一」の名前があるのには笑ってしまいました。楽しい映画です。

 

 

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平城山を越えた女 (内田 康夫)

2025-04-14 16:50:54 | 本と雑誌

 かなり以前に読んでいた内田康夫さん “浅見光彦シリーズ” ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。

 ただ、私の出張先も以前勤務していた会社のころを含めるとそこそこの都道府県にわたるので、どうせなら “シリーズ全作品制覇” にトライしてみようと思い始めました。

 この作品は「第42作目」です。今回の舞台は “奈良”

 奈良は、仕事関係で出張に行ったことはなかったと思いますが、遥か昔の修学旅行やプライベートでの旅行では、大仏、興福寺、春日大社、唐招提寺や斑鳩あたりにも訪れています。またゆっくり散策してみたい町ですね。

 ミステリー小説ですからネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品、いつもの浅見光彦シリーズの展開や幕引きとは一味違っているように感じました。ひとつの事件を取り巻く絡まった糸がかなり後半に至るまで引っ張られ、その後、急転直下で謎解きに向かうのですが、エンディングは今ひとつすっきりしない・・・。
 もちろん、好みの問題でもありますし、そういった作り自体を否定するものではありません。これだけの作品を重ねているシリーズなので、いろいろなパターンがあるのは当然ですし、マンネリよりはむしろ多様な姿は望ましいことなのでしょう。

 さて、取り掛かってみている “浅見光彦シリーズ制覇チャレンジ”、それほど強い意志をもって完遂しようとも思っていませんので、まあ、“どこまで続くことやら” です。

 次は、43作目の「「紅藍の女」殺人事件」ですね。

 

 

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〔映画〕エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

2025-04-13 11:40:37 | 映画

 
 2022年に公開されたアメリカ映画です。
 
 アクション要素も盛り込んだ “SF・コメディ作品” といった趣きですが、第95回アカデミー賞において7部門で受賞したという極めて評価の高い作品なので大いに期待して観てみました。
 ただ・・・、結果は、私の鑑賞眼が貧弱なせいか、私には全く合いませんでしたね。
 
 ともかく、シンプルなメッセージを、これでもかというぐらい意味不明な断片映像の組み合わせで描いただけ。次元を行き交ってそれらを包括するストーリー展開も、制作者の独りよがりな発想と乱雑な演出だとしか感じられず、観ていて疲れ切りました。
 
 一体どこがいいのか、もう一度観てもとも思いますが、正直、そのエネルギーも湧きません・・・。
 ミシェル・ヨーも、せっかくの彼女の魅力を十分に発揮したようには感じませんでした。

 

 

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〔映画〕影武者

2025-04-12 15:49:13 | 映画

 
 1980年に公開された日本映画です。
 
 有名な黒澤明監督の作品ですが、私は黒沢作品は数えるほどしか観たことがありません。確かに、よくいわれているように「色」へのこだわりは随所に見られましたし、多数の騎馬や歩兵が登場する野戦のシーンの迫力は出色でしたね。
 
 その鉄砲と騎馬との戦いの描き方も、直接的な衝突を写すのではなく、それぞれのシーンを交互に挟み込み、野太い音楽とのセットで表現していたあたり、素人目にも強烈なこだわりが伝わってきます。
 
 キャスティングも仲代達矢さん、山﨑努さん、志村喬さん等々大物揃いでしたが、なかでも格別の存在感を発揮していたと私が感じ入ったのは大滝秀治さん、素晴らしい役者さんですね。
 
 あと、エンドロールで外国版プロデューサーとしてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスの二人の名前が並んでいたのは、さすがにインパクト極大でした。

 

 

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雨の日の心理学 こころのケアがはじまったら (東畑 開人)

2025-04-11 07:05:26 | 本と雑誌

 

 いつも聴いている大竹まことさんのpodcast番組に著者の東畑開人さんがゲスト出演していて紹介していた本です。

 臨床心理士として、メンタルの悩みを抱える本人はもとより、突然にそういった身近な人のケアをし始めた人たちのカウンセリングに携わっている東畑さんの話はとても興味深い内容なのですが、それらの中から特に私の関心を惹いたところをいくつか書き留めておきます。

 まずは、東畑さんが語る「こころのケア」の話に登場する基本概念、「ケア」と「セラピー」についてです。

 ケアとは何か?
 ・ケアとは傷つけないことである
 ・ケアとはニーズを満たすことである
 ・ケアとは依存を引き受けることである

 では、セラピーとは何か?
 ・傷つきと向き合うのがセラピー
 ・セラピーとはニーズを変更することである
 ・セラピーとは自立を促すことである

 そして、ケアとセラピーとの関係は?
 ・ケアが先で、セラピーが後
 ・ケアがないところでのセラピーは暴力になる

(p58より引用) ひたすら自分と向き合え、あなたが頑張れと言われると、死んじゃうよね。
 セラピーは、ケアが十分に足りているときにのみ可能になります。
 傷だらけのときに、傷つきと向き合えと言われたならば、身動き取れなくなります。

 この順序性と塩梅が重要で、このプロセスを経ることで “信頼” や “安心感” が醸成されるのです。
 そして、ケアのあとセラピーで一歩進んだら、またケアが登場します。このスパイラルでこころが回復していくのだと言い、昨今のセラピー偏重を生む “自己責任論” に対し「ケア」の重要性を東畑さんは強調するのです。 

 ふたつめ、東畑さんは、こころのケアの方法として「きく」と「おせっかい」を挙げています。
 そのうちの「おせっかい」についての勘所です。

(p214より引用) ①ニーズを満たすのが助かるおせっかい、ニーズ以外のものを押し付けるのは余計なお世話。
② 環境を変えるのが助かるおせっかい、本人を変えようとするのは余計なお世話。
おせっかいにはこの二つの軸がある。

 こころのケアに入る前に「即物的なおせっかい(環境整備)」が必要だということです。それなしでは “心のケアを受け入れる状態” に至らず、むしろ “きこう(聞こう・聴こう)とすることが、かえって相手を傷つける” ことになってしまうのです。

 さらにもうひとつ、「ケアしている自分をケアする技術」について。
 「贅沢」「勉強」「休養」「友達」と続いて、最後に東畑さんが挙げたのが「ふりかえり」です。自分がやっているケアをふりかえること、その結果 “よくなっていることを認識できればいい” のですが、その感覚の実際について東畑さんはこうコメントしています。

(p306より引用) よくなっているところ「も」ある。
 この「も」が本当に本当に貴重だと思うんですよ。・・・
 もちろん、無理にポジティブになる必要はありません。
 ケアとはネガティブなものと向き合うことなのだから、変にポジティブに解釈することは相手を否定することだし、自分に嘘をつくことになってしまう。これは有害です。
 でも、晴れ間が覗いた時間があったこと「も」事実なんですね。そういう現実は現実として、きちんと評価し、受け取るべきだと思うんです。

 「完璧」は目指しません。この「・・・も」という僅かな晴れ間がとても大切な励ましになるんですね。

 さて、とても多くの気づきが得られた本書ですが、読み通して、最も心に残ったくだりを最後に記しておきましょう。

(p310より引用) こころのケアとは、ケアする人が傷ついてしまう営みでもあり、同時に癒される営みでもある。
 傷ついているこころにかかわる。そのとき、ケアする人はときに傷つけられます。
 傷は傷を呼ぶ。
 なぜなら、傷つけることを通じてしか、自分の痛みを伝えることができないときがあるからです。

 こういった「傷つけあい」を経て、“わからない” から “わかる” 関係に至り、結果、生まれた信頼や安心感が「ケア」の本質のように思いました。

 

 

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〔ドラマ〕Cat's Eyes

2025-04-10 07:54:18 | 映画

 
 2024年に放映されたフランスのテレビドラマです。
 
 いうまでもなく北条司さんの往年の大ヒットコミック「キャッツ・アイ」の実写版。
 フランスでは1986年に日本版アニメが放送されて人気を博したとのことですが、原作とはかなり異なったテイストにアレンジされているので、評価は大きく分かれたようですね。
 
 私のような原作コミックをリアルタイムで知っている世代のファンからすると、あえて別物として捉えた方がよさそうです。
 正直な印象では、 “B級” のノリのストーリー展開や現代フランスを意識したキャラクタ設定を楽しむといった作品でしょう。

 

 

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〔映画〕阿修羅のごとく

2025-04-09 18:28:27 | 映画

 
 2003年に公開された日本映画です。
 
 向田邦子さん脚本のテレビドラマから始まり、映画・ドラマ・舞台とさまざまな形で何度となく作品化されました。
 
 昭和後期が舞台なので、当時の社会観念が色濃く出ている台詞や演出については、観る世代によって印象や評価がかなり変わるでしょうね。
 
 四姉妹を中心としたエピソードを綴るヒューマンコメディなので、姉妹や家族、それを取り巻く面々のキャスティングが興味を惹くところですが、本作の、大竹しのぶさん、黒木瞳さん、深津絵里さん、深田恭子さんの四姉妹、その両親に、仲代達也さん、八千草薫さん、さらには坂東三津五郎さん、桃井かおりさんと居並ぶラインナップは空前絶後、最強でした。
 
 特に八千草薫さんの雲をつかむようなほっこりしたキャラクタは出色でしたね。あとは、長澤まさみさん、まだオーラを発する前でした。

 

 

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黒の狩人 (大沢 在昌)

2025-04-08 13:20:28 | 本と雑誌

 このところ気分転換に読んでいるミステリー小説は、読破にチャレンジしている内田康夫さんの“浅見光彦シリーズ”に偏っているのですが、時折、以前よく読んでいた大沢在昌さんの作品の中から未読作にもトライしています。

 先日、“狩人シリーズ” の現時点での最新作「冬の狩人」を読んでみて結構面白かったので、今度はこのシリーズにも手を伸ばしてみようと思いました。
 というわけで、まずはシリーズ第1作目 “北の狩人” 、第2作目 “砂の狩人” を読み終わり、今度は第3作目の本作という次第です。

 エンターテインメント作品なのでネタバレになるとまずいでしょうから内容には触れませんが、この作品も十分楽しめました。

 物語の展開という点では、かなりの部分まで多くの登場人物が次々と起こるエピソードに絡んできて、正直 “ごちゃごちゃ”し過ぎている感じがしましたが、それらを一気に収束させた最後の見せ場の作り方は流石ですね。それも主人公のキャラクタ設定の秀逸さの賜物です。

 あとは、大沢さんお得意の物語のカギを握る “特別ゲスト” 。この作品でも面白い役柄設定が冴えていましたし、主人公との人間関係のあやも読みどころでしたね。まあ、ラストシーンについては、いろいろと評価がわかれるところかもしれませんが・・・。

 さて、本作で3作目、シリーズ化されているとそろそろマンネリ感が出t来てもおかしくないのですが、この調子なら、次の “雨の狩人” にも突入ですね。

 

 

 

 

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〔映画〕フォールガイ

2025-04-07 07:12:27 | 映画

 
 2024年に公開されたアメリカ映画です。
 
 ともかく観て単純に楽しめる “アクション・コメディ作品” です。
 スタントマンが主人公なのでスリリングなシーンが満載ですが、VFXでの映像制作にも少なからず生のスタント的な要素が不可欠なんですね。そのあたりの様子も興味深く知ることができました。
 
 あとは、キャスティング。
 エミリー・ブラントは芸域も広く私の好きな役者さんの一人なのですが、この作品では無難な役どころでかなり物足りませんでしたね。ちょっと残念ですが、まあこういった顔見世もあるのでしょう。

 

 

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〔映画〕私にふさわしいホテル

2025-04-06 12:04:32 | 映画

 
 2024年に公開された日本映画です。
 
 柚木麻子さんの小説が原作で、堤幸彦さんが監督のライト・コメディ作品ですが、少し前に全面休館となった「山の上ホテル」を舞台とした点も話題性がありますね。
 
 主人公はのんさんが演じているのですが、これが見事にはまっていましたね。ちょっと屈折したネアカのキャラを適度なメリハリで魅せてくれました。
 それを引き立てる相手役の滝藤賢一さん、田中圭さんもいい演技だったように思います。
 
 ストーリー、キャスティング、演出、そして舞台となったホテル、それぞれのよさが相俟って穏やかなバランスを醸し出していました。面白かったです、楽しめました。

 

 

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老人をなめるな (下重 暁子)

2025-04-05 11:31:23 | 本と雑誌

 いつも利用している図書館の書架をつらつらと眺めていて目につきました。

 私も世の中的にいえば “老人” と呼ばれる年代に突入してしまったので、タイトルにも親近感を抱きますね。

 著者の下重暁子さんは、NHKのアナウンサーとして活躍後フリーとなり、現在では文筆家として多彩なジャンルの作品を世に送り出しています。
 本書は、そんな下重さんの得意なテーマのひとつである “高齢化社会” を扱ったエッセイで、“明日は我が身” だからというノリもあって読んでみました。

 で、結果ですが、正直なところ、かなり期待外れでしたね。

 “私は、他の人たちとは考え方が違うんだという思い込み” が、強烈な自己主張という形でちょっと表に立ち過ぎていたようです。
 エッセイなら、著者ならではの “感性” が、とりあげたモチーフの捉え方のオリジナリティとともに伝わってくるのですが、そういったテイストの小文でもなく、時事評論なら、しっかりと事実把握を行ったうえで、自分だけの脊髄反射的な感覚ではなくもう少し多面的な観点から掘り下げた論考を展開するべきでしょうが、そういった深みも感じられません。

(p193より引用) 家庭内のことだから、詳しい事情はわからない。あくまで一般論だが、私は親を殺す子供も、子供を殺す親も、基本は同じだと思う。どちらも社会性が極端に欠如している。

 といったコメントは、個別かつ複雑な人間関係が背景にあるセンシティヴな要因を「あくまで一般論」と断りつつも乱暴に捨象していますし、「身勝手な殺人者には生涯強制労働を」とか「親は引きこもりの子供を放り出せ」といった見出しは、下重さんが付けたものではなく編集者による勇み足なのかもしれませんが、あまりにも短絡的な書きぶりです。

 これでは、歳を重ねた下重さんの日頃の愚痴を単に語り放っただけの本だと評さざるを得ませんね。とても残念です。

 

 

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〔映画〕モスラ3 キングギドラ来襲

2025-04-04 09:52:38 | 映画

 
 1998年に公開された日本映画です。
 
 “平成モスラ”シリーズ3部作の第3作目、完結編にあたる作品で、こちらも “こども向けSFファンタジー” ですね。
 
 今回の見どころはゴジラシリーズの人気キャラの「キングギドラ」の降臨ですが、この強敵と一戦を交えるために、「巨大な蛾」をあの手この手でパワーアップさせています。
 
 とはいえ、なかなか苦労したようですね。とても残念なことに、せっかくの主役のモスラは、“形態変化” のたびにリアリティのない薄っぺらい造型になってしまいました。

 

 

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