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OMOI-KOMI - 我流の作法 -

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引き際 (「夢を力に」(本田宗一郎)より)

2005-06-24 00:14:40 | 本と雑誌
(p104より引用) 私はずいぶん無鉄砲な生き方をしてきたが、私がやった仕事で本当に成功したものは、全体のわずか1%にすぎないということも言っておきたい。99%は失敗の連続であった。そしてその実を結んだ1%の成功が現在の私である。その失敗の陰に、迷惑をかけた人たちのことを、私は決して忘却しないだろう。


 本田氏の人間的な魅力が凝縮した言葉です。
 自分を大事にせよと語る本田氏は、それだけ周りの人を大事に思っていたのだと思います。

(p104より引用) 人生というものは、最後まで行かぬと成功だったか失敗だったかはにわかに断じ難いものである。・・・人間の一生も功と罪とで評価すべきで、私の死んでから受ける評価が、ほんとうの「私の履歴書」であろう。


 少なくとも藤沢武夫氏は、本田氏に最高の評価を贈るでしょう。

 あまりにも格好の良すぎる二人のやりとりですが、あの二人ならさもありなんと思えるのです。

(p174より引用:藤沢武夫氏) 退任が決まった後のある会合で、本田さんと顔を合わせた。ここへ来いよ、と(本田さんに)目で知らされたので、一緒に連れ立った。「まあまあだな」と言われた。「そう、まあまあさ」と答えた。「幸せだったな」と言われた。「本当に幸せでした。心からお礼を言います」と言った私に、「おれも礼を言うよ。良い人生だったな」とのことで引退の話は終りました。


 藤沢氏は、自分の引退が本田氏の引退の引き金になったこと、そして、本田氏が自分がやめると(自分とともに)引退するであろうことに気づかなかったことを本心悔やんでいました。

(「経営に終わりはない」(本田宗一郎)p226より引用) 私は本田宗一郎との二十五年間のつきあいのなかで、たった1回の、そして初めで終わりの過ちをおかしてしまいました。本田は私のことを聞くとすぐ、「二人いっしょだよ、おれもだよ」といったそうなのです。ほんとに恥ずかしい思いをしました。

 

本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)
本田 宗一郎
日本経済新聞社


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