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日本の思想 (丸山 真男)

2005-06-17 23:33:59 | 本と雑誌

 久しぶりに硬直化しつつある(硬直化しきった?)頭に刺激を与えようとして丸山真男氏の本を読んで見ました。手にとるのは学生の時以来でしょう。

 あとがきに、

(p181より引用) この書物は見られるように論文体の二つの文章と講演体の二つの文章から成っている。文体を統一しなかったのは、それらが発表されたもとの形式を尊重するためと、後の二つが、あるいは最初からⅠとⅡにはとりつきにくいという感を持たれる読者にイントロダクションともなればという考慮からである。


 とありますが、そこまで分かっているのなら、もう少しⅠ・Ⅱ章を何とかして欲しかったというのが、現役学生からはるかに遠ざかったnot知識人の偽らざる思いです。

 Ⅲ・Ⅳ章の講演体の章については、何とか論旨は理解したつもりになれましたが、Ⅰ・Ⅱ章は全くダメでした。同じところを2・3回読み直しても理解不能。そもそもこの内容のこのレベルの論文を読むには、最低限の常識(基礎知識)と論理的な頭(読解力・理解力)が欠如しているのだと痛感しました。

 Ⅲ章においては、社会と文化の型を「ササラ型」「タコツボ型」といった具体的イメージが湧きやすい2類型に分けて論じています。

 また、Ⅳ章では、

(p157より引用) 政治・経済・文化などいろいろな領域で「先天的」に通用していた権威にたいして、現実的な機能と効用を「問う」近代精神のダイナミックスは、まさに右のような「である」論理・「である」価値から「する」論理・「する」価値への相対的な重心の移動によって生まれたものです。


 というように、こちらもまた「である」と「する」の「2類型の対比」により論理が展開されていきます。これならなんとかまだついていけます。(ついていった気になれます?)

 まあ、ともかく、冒頭のような動機でこの本を読むこと自体、不謹慎極まりないことなのでしょう。

日本の思想 (岩波新書)
丸山 真男
岩波書店
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