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情報を活かすのは、結局は「人」 (「企業価値の源泉」より)

2005-06-20 23:18:37 | 本と雑誌
(p120より引用)この大手銀行は単に、適切な情報を適切な人物に与えるために必要なインフラを備えているだけではない。その情報に基づいて行動するように従業員を訓練しているのだ。これは、同行が業界のリーダーでいられる一つの重要な要因となっている。


 お客様と直接接触する場では、システムは所詮道具に過ぎません。最終的には道具を十分に使いこなせるかどうか・・・結局は「人」の問題です。(「使いこなす」というのは「能力」の問題でもありますが、むしろ、使ってよりよいパフォーマンスをあげようという「意思」の方が重要です)

 そういう人はどうしたら育つのでしょう。

 ひとつには、その人のもっている前向きの姿勢であり、ひとつには、上司の支援です。

 まずはその人が一所懸命になれるものに取り組めているか、自分の仕事にやりがいを感じているかが最低限の条件です。
 そういう気持ちで取り組んでいれば、上司は、後ろちょっと押してあげる、前の障害物をちょっと取り除いてあげるだけで人は伸びます。やる気とポテンシャルのある人材は、環境さえ追い風になれば、自分でどんどん成長していくものです。

(「夢を力に」(本田宗一郎)p237-238より引用) “惚れて通えば千里も一里”という諺がある。それくらい時間を超越し、自分の好きなものに打ち込めるようになったら、こんな楽しい人生はないんじゃないかな。そうなるには、一人ひとりが、自分の得手不得手を包み隠さず、ハッキリ表明する。石は石でいいんですよ。ダイヤはダイヤでいいんです。そして、監督者は部下の得意なものを早くつかんで、伸ばしてやる、適材適所へ配置してやる。そうなりゃ、石もダイヤもみんなほんとうの宝になるよ。(1962年)


 そういう意味では、最も大事なのは、そして今最も欠けているのは、人材を育てようという「管理者の強い意思」かもしれません。

 人材を「人財」として羽ばたかせることは実は結構大変です。
 適材適所と簡単に言いますが、通常の企業ではそんなに簡単に人の異動ができるものではありません。
 人が動かせないのであれば、仕事を変えるという手もあります。上司が積極的にどんどん新しい仕事をもってきて、これはというメンバに取り組ませるのです。

 待っていてなんとなく良くなるということは、今のご時世、絶対に有り得ません。ともかく動き続けていれば、上司も成長しますし部下も伸びるのです。 

企業価値の源泉―グローバル企業に学ぶ競争優位の情報戦略
日本NCR株式会社
翔泳社
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