昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

立春・京菜鍋を食べる。

2015-02-04 22:26:19 | お惣菜

立春である。まだまだ寒いが暦の上では春。
昨年の積み残しの仕事がたまっていて、それを片づけるのに部屋にこもりきり。春なのに表に出る時間が取れない。
シリアの事件の報道でまだ騒然としているが、仕事に埋もれていると浮世離れした頭の構造になる。
そこで夕飯は、春を報せる野菜、京菜の鋤鍋を食べることにする。
東京地方ではこの京菜(関西地方ではミズ菜と呼ぶのだろうか?)を売っている時期が非常に短くしかも不定期だ。いつどこで売っているか判然としない。だから京菜が売っているのに出くわしたら、稀に見る僥倖としてまずは買うにしかずである。
今日の京菜は昨日オオゼキに買い物に行ったかーたんが見つけてきて買ってきてくれた。
鍋に湯をたぎらせて、ダシの素、塩少々、醤油少々、酒、味醂で割り下を作って、豚肉を煮、そこに大量の京菜をぶち込む。
菜が半煮えであるところをかまわず、春の息吹を満身に吸い込むがごと、菜を脇目も振らず、喰らう。ふーふー言いながら、小笠原流もあらばこそ、菜を貪りつくす。これこそ春なり、の思いである。実に美味かった。
この京菜鍋は数十年前に、サントリー・ローヤルの広告に「すきやき」として掲載されていたものを、我が家の家庭料理としたもの。この京菜鍋を食べないと、早春を迎えた気がしない。
これから目に見えるように日足も伸びていく。春の一種の虚無感を味わう前に、春の訪れを思い切り楽しむことにしよう。

春立ちぬ想いは野山に河の辺に   素閑