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さかしま日記

勝手気侭な独り言。最近は特に。。。

2012年03月12日 | 読書
読んだ読んだ。
いっぱい読んだけど、感想書いてなくて・・・。

とりあえず羅列しとこ。

林真理子「六条御息所 源氏がたり二」
だみだこりゃ。面白いと思ってた1巻、しかし筆力はやはり続かなかったか・・・。
現代の薄っぺらい源氏になっています。
書くにあたり、かなり勉強されたようですが、
やはり表現力がなくて・・・。物足りない。

以下は豊作です。
島田荘司「ゴーグル男の怪」
力を抜いてさらっと書いている感じがします。
放射能についての警告を発したかったのかな。
そういえば、有楽町の三省堂でサイン会をやっていたのですが、
その日は有楽町ルミネのオープン日でむっちゃ混んでいて、
本屋にたどり着くことすらできなかったよ・・・残念!

誉田哲也「武士道シックスティーン」「武士道エイティーン」
荻原規子「レッドデータガール4」
池井戸潤「BT'63」「銀行狐」

高殿円「トッカン」「トッカンVS勤労商工会」
これはチョー面白かった!腹がよじれちゃったよ。
作家の履歴を見るとラノベ出身なんですね。
ラノベの中でも全然成長しない作家もいるけど、この人のは内面もうまく書けてて面白い。
泥臭く働く乙女(?)の、汗と涙と鼻水でぐじゅぐじゅになりながらも頑張る姿が
とっても読み応えあって、楽しめる本です。

三田誠広「平清盛」
えっと、芥川賞作家でしたよね。この方は。
「いちご同盟」が中高の課題図書になっていた記憶がある。
前半時系列がちょっとぐだぐた。
でも文章はすっきり読みやすいです。
これが私がイメージしている平清盛に一番近い。
大河ドラマのは、ちょっとがちゃがちゃし過ぎ。
貴族に育てられたのならもう少しすっきりして欲しいんだけど・・・。
武士にも貴族にもなりきれぬ清盛の苦悩と闇がかいま見えます。
もがいてあがいて頑張ったけど、海千山千の法皇や貴族達には叶わなかった。
どんなに頑張っても武士と貴族や皇族との間には深い深い超えられない壁があるんですね。
それから父ちゃんにももっとスポットライトを!
先見の明があったのは、平清盛の父、忠盛の方だと思うんだけど。

有川浩「植物図鑑」売れてる作家さんだけあって、読みやすい。
これはわかりやすいラブストーリーかなあ。
あ、なんか感想になってなかった・・・。
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2011年09月04日 | 読書
夏休みに読んだ本。
実家の図書館は人気作家の本もたっぷりそろってて
かりほーだい。天国のようです。

読んだ本は、
荻原規子「レットデータガール」1~3巻を一気に読み直し。
さすがに最新刊はなかった。

池井戸潤「銀行狐」「銀行仕置人」
「下町ロケット」で直木賞とられた方ですね。
元銀行員だけあって、銀行の内部事情が詳らか。
本当にこんなにドロドロしているのかな。

ジル・チャーチル「ゴミと罰」、「忘れじの包丁」。
子育てにテンパリ気味の主婦が身近で事件に巻き込まれる。
毒舌でテンポいい会話が気持ちよいです。
主婦探偵というポジションはちょっと日本の作品では思い出せないなあ。

高田郁「心星ひとつ」「出世花」。
「心星ひとつ」はシリーズ化している最新刊。
主人公の心の成長だけでなく、今回は新展開もあり、ドキドキして読みました。
「出世花」は江戸時代版のおくりびと、です。
しかも主人公は女性。続きを書く予定みたいですので、楽しみに待ちたいです。

大山誠一「天孫降臨の夢」、大山誠一編「聖徳太子の真実」。
聖徳太子は存在しなかった、という持論をもとにかかれたもの。
もうだいぶ有名になってきた説です。
ちょっと首肯できかねる強引なところもあるようですが
理路整然としており、かなり有力な説のようです。

誉田哲也「ストロベリーナイト」
むっちゃ面白かった!!!!!!
とある連続殺人事件を女性刑事が追っていくという普通の題材ですけど
主人公の女性刑事、泥臭い同僚の刑事、キャリア刑事など
登場人物がたくさん出てきて、しかも一人一人のキャラがしっかり書かれている。
読むのが止まらず、トイレの中でもエレベーターの中でも読んでしまった。
あ~面白かった。

あとは、島田荘司「追憶のカシュガル」、
大崎梢「サイン会はいかが?」
津原泰水「ルピナス探偵団の当惑」、
加藤廣「安土城の幽霊」。

もっといっぱい読みたいなあ。
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2011年06月26日 | 読書
前に読んだのも。

道尾秀介『球体の蛇』
ミステリーじゃなかった。暗い青春話??
題材も内容もちょいありきたり。
何となく展開や結末が想像できたのだけど。
作者はもう少しドロドロでくらーいものを書くと思うけど
これはそこまで重くなかったな。

富坂聡『中国の地下経済』
中国の表に出てこない、闇金が現在の中国の経済力、国力を担っている。
爆発的急成長の理由がここにあり。
もはや政府も無視できないだろうけど、表に出せない理由、
富裕層と貧困層の埋められない差、わかりやすく書かれています。
入門編かな。

万城目学『ザ・万歩計』
エッセイです。おもしろーい。
結構いろんなところ、旅行されています。
面白い作家の頭の中は、いつもこんな変なことであふれているのかな。
エッセイにありがちな、自己満足でだらけた内容でなく、
ちゃんと人を笑わせる内容になっています。

拓未司『蜂蜜のデザート』
『禁断のパンダ』の続きです。
じゅるじゅるじゅる。。読んでいくうちによだれが出てくる料理の描写。
今回は題名通りデザート作りに心血注いでいます。
作者はやっぱり元料理人でした。
ただ、ストーリーは前回の方がガツンときます。
今回はうまくまとまっている感じ。
舞台が神戸なので、関西弁が多様されていますが、
何となくきつい印象を受けるのはなんでだろう~。
音で聞くのと、目で読むのとでは印象が変わるのかな。

高田郁『小夜しぐれ』
毎回続きが楽しみな本です。
早く続きがよみたーい。早く出てくれ~。

川端裕人『夏のロケット』
これかなりいい!
素人友達グループが本気で有人飛行ロケットを飛ばそうと
計画して、本当に実行するお話。
作者は元テレビ局の記者でこの辺りの技術系のニュースを扱っていたらしく
描写も本格的でかなり詳しい。
この本を読んでロケットとミサイルの構造が同じだって初めて知りました。
素人でも、金と技術があれば作れるのね・・・。
じゃあ種子島の宇宙センターのロケットは?大金注ぎ込んでてあれぽち?
ってちょっと記者的辛口表現も入っています。
大人の青春だなあ。爽やかです。


あと、陰陽八卦の本をちょろっと読みましたが
難しすぎてついて行けませんでした・・・。
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2011年05月31日 | 読書
前回書いた記事からだいぶ空いたな。
いろいろ読んでおりました。

有川浩『三匹のおっさん』
作者、図書館戦争書いた人だっけ。こっちの方が有名ですね。
定年退職後のおじさん三人が街で起こる様々な問題を解決するという
非常にわかりやすくかつ読みやすい内容の本です。

加門七海『ぐくつ小町』
好きだねえ、こういう本。どろっねとっとした魔性漂う雰囲気。
耽美、頽廃、あえかで艶やか。
言葉の操り方が好き。これ読んでいる時、ちょうど京都行っていたので
雰囲気たっぷり味わえました。

大野裕之『チャップリンの影』
チャップリンの運転手をとある日本人が一時期つとめていた、というのは
前に何にかで見知っていたのだけど、これを読んで当の主人公より
チャップリンにより興味がわきました。
チャップリンはもう一つの時代のアイコンで、人気だのと言われても
ピンとこないのだけど、主人公の目を通して見るチャップリンは
苦悩したり、激高したり、繊細で完璧を求める一人の俳優であり
そしてまたその人気っぷりもすごかったんだねーと感じました。

小和田哲男編『浅井三姉妹の真実』
来年のNHK大河ドラマ「江」の時代考証も担当しているそーです。
色々な学者さんが様々な切り口で浅井家の謎に迫っています。
浅井家は大名じゃなかったとか・・・
かなり面白かったです。
ところで大河ドラマ、時代考証無視してメロドラマチックになってきて
もはや大河ではなく、ただのドラマになっているような・・・。

東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』
なんで人気なのかな~。と。普通に面白いのだけど。
これは萌えだな。萌え系だ。
超お嬢様の刑事とそれに付き従う毒舌執事。
掛け合いが萌えるんだろうな。。

続きはまたあとで。
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2011年01月19日 | 読書
芥川賞、直木賞の受賞作が決まりましたね。
まあ妥当かな。
私としては、このミスや本屋大賞の方がずっと面白いと思うのだけど。


さて、最近読んだのは・・・

『子どもたちと話す天皇ってなに?』
これ面白い!意外に知られてない日本の祝日のルーツ。
戦後の祝日はGHQが決めたもの。
戦前の祝日は、実は天皇家が定めた祭日だった・・・なんてね。

三津田信三『災園』
作者の他の作品と比較すると、怖さ度合いでは軽い方だと思う。
設定が最近の話だし。
ちゃんと犯人が判明するし。
でもやっぱり夜には読めない・・・。寝れなくなるヨ。

永嶋恵美『転落』
ミステリーになるのかな。
真犯人が判明するまで二転、三転、途中で意外な事実が判明、
などなど、伏線はあちこち仕掛けててそれなりに面白い。
女の人が書いた作品、って感じ。
ねとーっとした暗くて、精神的に追いつめられた雰囲気がよく出ています。
細部が少し、構成上わざとなのか書ききれてない気もするけど。
まあそれもアリでしょう。

宮下裕介『失敗の教科書。』
世界の著名人の失敗を挙げ、そこから何を学び取り
成功につなげたか。
失敗から成功までの飛躍と軌跡をさらりと書いているのですが
とっても勇気づけられる!元気が出るね、これ。
その道の第一人者、成功者と言われる人も、過去にこんな失敗あったんだー
そしてその後もずっと努力しているんだーと思うと、
自分ももっと頑張らなくちゃねと思っちゃいます。
失敗をどう活かすかも、人によってこんなに違うんだなと、面白い。

熊井明子『新編香の百花譜』
この人の本はどれも素敵です。
四季折々の美しい花を丁寧にポプリにする作業。
季節を閉じ込めたいけど、ポプリにすると色がくすんだり
匂いが臭くなっちゃったり。
毎年咲く花の盛りの美しさを惜しみつつ眺め、枯れた後もいとおしむ。
少しなりとも真似すれば、都会にいても季節を感じる生活は充分出来ますね。

浅田次郎『アイアムファイン!』
JALだったかな、機内誌のエッセイをまとめたもの。
おもしろ~い。
ウィットに飛んだ内容でクスクスにやにやしながら読んでいました。
身近なネタも膨らませて10倍にも面白くできる文章力、
やはりひとかたならぬ作家は違いますねえ。
そろそろ「蒼穹の昴」や「中原の虹」も読まないと。
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2010年11月09日 | 読書
さてさて、結構読んでいました。

冲方丁「天地明察」。
冲方さんの初の歴史モノ。
リフレッシュデビューですか。
軽くて爽やか。
力が程よく抜けてて、上手いです。
でもやっぱり、冲方さんはSFが一番だな。
ちょっと前のユリイカが冲方丁特集で、その中の
短編もチラ見しただけですが、かなり面白そうだった。
三次元、四次元、空間、時空も描き出せる作家はこの人以外いないでしょうね。

ダン・ブラウン「ロストシンボル」。
今回のテーマはフリーメイソン。
ちょっと地味な内容??
前回の天使と悪魔の方が断然面白い。
このシリーズの犯人は、全編通してすぐ分かる(笑)。
・・・大体が肉親ですから・・・笑。

梶尾真春「あねのねちゃん」。
幻覚か自分の分身か。
普通の大人しいOLに過激な性格のかわいらしい子供が
あらわれ、どたばたかき混ぜる、
ちょっとシュールなお話。
現実に起こると本当に怖いよぅ。


高田郁「銀二貫」「想い雲」。
江戸時代の人情もの。
あああ、バスタオル用意してタップリ泣こう。

乾くるみ「蒼林堂古書店へようこそ」。
ミステリー専門の古本屋が舞台。
ここに集まる店長、やその友達などが毎回ミステリーに関する話題を提供しています。
本を売買する際にその本の題名とエピソード、それに関連する
日常のちょっとした謎解きが出てきて面白いですヨ。
というか、全く知らない本やまだ読んだことのない作家の本が
たくさん紹介されていて、読みたい!という気持にさせられちゃいます。
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2010年10月24日 | 読書
とりあえず、ずらずらと。
感想が薄いのですが・・・。

湊かなえ『告白』。
妹が読め読め、言ってうるさいので彼女に借りて読みました。
うん、面白かったです。

島田荘司『写楽 閉じた国の幻』。
すんげー大作!さすがの島田さんもまとめきれなかったな。
続きを作ってもらいたいものです。
写楽の謎を見事解き明かしました。
思いつきで解いたわけではない、ちゃんと裏付け史料も
取材で見つけているんですぞ・・・。
謎が解けて行くあたり、読んでいて打ち上げ花火がドンドンと上がるような
感動がわき起こりました。アー涙でタァ。

『インシテミル』。
う~ん、映画化する程かな・・・。
バトルロワイアルとちょっと似てる感じ。
あ、映画はどちらも主演が同じですね。
この作家は他の作品の方が面白いかな。
『さよなら妖精』の方がずっと心に残る作品です。
ミステリテイストはあまり強くないのだけど、心に刺さる。

『蝦蟇倉市事件』。
今はときめく若手ホープミステリ作家のアンソロジー。
架空の町(鎌倉市がモデル?)で起こる謎の事件。
テイストが違う作品が詰まってて、面白いです。
2巻目も出ています。

鹿島友義『医者が診つめた源氏物語』
お医者様が源氏物語の登場人物の病気に迫ります。
源氏を専門に研究している方ではなく、医者という視点で
見ているのですが、それがかえって新鮮。
ちょっと前に日経新聞で紹介されていました。

藤本ひとみ『快楽革命オデパン』。
前作よりさらにしっちゃかめちゃかな設定です。
ここまでいくと笑ってしまう。
この人、本当にとっても真面目な人なんだろうな。
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2010年06月23日 | 読書
その他読んだ本。


石持浅海「リスの窒息」。
女子高生犯罪のお話。
面白いし、続きが気になってさくさく読める本ですが、
設定自体に多少無理があり、虚構が残る作品。
あと最後の最後の展開は容易に想像がつくと思います。

坂木司「ホテルジューシー」。
女子大生のひと夏の沖縄でのホテルバイト体験のお話。
この人の本って、本当に真っ当というか、正しいというか、、
良い意味正統派。悪い意味、面白みが無い。
もっと毒が欲しい。ひねくりが欲しい。
典型的な展開で定型文を読んでいる気がしますがね。。

内田康夫「逃げろ光彦」。
内田作品の中ではちょっとテイストの違うエロティックなお話。
なんだかんだ言って、やっぱりうまい、ん、だろう、な・・・。
浅見光彦には高校生の時、どっぷりハマりましたよ。
私の高1の夏は彼に捧げました(笑)。
ずーっと読んで読んで読みまくったなあ。
また久しぶりに新刊借りて読もうかな。

鈴木尚「骨は語る 徳川将軍・大名家の人びと」。
有名な本ですが、かなり前に刊行されていたんですね。
芝増上寺の徳川家のお墓調査の結果のまとめたもの。
歴代将軍はイイモノ食べていたんですねー。
歯がほとんどすり減っていないそうです。
ちなみに、ここで有吉佐和子の「和宮様御留」が思いっきり否定されています。
和宮様替え玉説を信じて作った珠玉の佐和子作品。
昔これが原作のドラマで見て、替え玉説を本当に信じていた私。
骨が真実を語っています。

三津田信三「赤眼」。本当は赤は「赤赤」の赤二つの漢字です。
本当か嘘か分からないぞーっとする体験談を集めたもの。
読むうちに薄ら寒くなって、後ろをつい振り向いたりしちゃいます。
どうやら読者個人が持っているぞっとする体験を
刺激してしまうようですね・・・。
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本 つづき

2010年06月14日 | 読書
最近読んだ本。
まだまだ。


叶紙器「伽羅の橋」
島田荘司推薦のミステリー。
本格ミステリーではないのですが、謎は出てきます。
終戦前日に夫と子殺しの疑惑を掛けられたまま、50年の時を過ごした認知症老人。
ケアハウスの介護担当(極度の人見知り)が気になって謎を解き始める。
地道にじりじり謎を追うため、前半はダラダラと進みます。
後半、ある日の出来事をきっかけに一気に謎が解けてくる。
なぜこの日に謎が解けるのか。
それに気付くと時代設定にもうなずけます。
あまりにも長いため、途中眠気が襲ってくるのですが、
読み終えた読後感は結構ありました。

恩田陸「六月の夜と昼のあわいに」
「私の家では何も起こらない」
恩田作品の中では小作品に入るかも。
器用にちょいちょいすいすい書いた気がするなあ。
恩田サン、劇作品に移って行っているな。
最近の作品はどれも舞台的な目線で書いているような。

関裕二「物部氏の正体」
森川禮次郎「古代大和を歩く」
最近は古代にハマっています。

高田郁「八朔の雪ーみをつくし料理帖」
江戸時代の爽やかな女料理人のお話。
幼い頃襲った洪水で親に死に別れ、料亭女将に助け出され、奉公人となるも
今度は奉公先の料亭が火事で焼け、恩義ある主人も死に、、と、
数々の不幸に見舞われながらも、料理人として一生懸命に生きる主人公。
バスタオルが必要な程涙が出る“おしん”ちっくにならないのは、
江戸ッ子の軽くて明るい気持の持ち様と、その脇役の出す面白い会話のおかげ。
火事になっても絶望せずに、すぐ家を立てて新しい生活を始める。
今よりずっと身軽で一生懸命に食べて生き抜くことだけを考えていたから。
けなげな主人公とそれを助ける周囲の暖かさにほろりと涙が出てきます。
努力している姿にも、周りが助ける姿にうるるん来るのよねー。
読む人読む人、絶対涙を引き出される作品だと思います。
日本人、こういうのにもろ弱いもん。
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2010年06月14日 | 読書
すっかり更新を怠っておりました。
結構読んでいます。
で、片っ端から、どんな本を読んだのか忘れている・・・。
定着率が悪いです。

太田ひかりの「愛とまぐはひの古事記」
古事記の入門編。
歴女におススメします。

永井宏編「ロマンティックに生きようと決めた理由」
数人の方のエッセイをまとめたもの。
青春の少しはみ出したエネルギーとセンチメントと
乙女のノスタルジーとオトナ少年のややドライな目線と。
そんな一瞬甘酸っぱい匂いのする文章をぎゅっと詰め込んだものです。

柏木圭一郎「源氏物語 華の道の殺人」
京都在住の方が作ったミステリー。
話自体は緩い内容であまりメリハリもないのですが、
京都好きな方にはおススメ。
京都名所を巡り、料理の描写は他の作家さんより上手いです。
有名店の名前は分かるようにそれとなく変えているので
ネタ元はすぐ判明すると思います。

黒野伸一「万寿子さんの庭」
読んだ後、作家は若い女性かなと思ったのですが、男性でした。
文章ににじみ出るちょっとした感性は女性っぽいんだよなあ。
最近の本によくある題材、分かりやすい展開で読みやすいのです。
やや物足りなさを感じるところもあり。
しかし重くなりがちなテーマをわざと意図して軽く書いているのであれば、凄いです。

蒼井上鷹「二枚舌は極楽へ行く」
短編がいくつか詰まったミステリー。
ミステリーというより、ブラックユーモアに近い内容。
短編同士話が繋がっているものもあれば、そうでないものもあり、
正直よくつかめなかった。
へえ!あれ!ふ~ん!+クスリ笑い、が正直な感想。

門井慶喜「天才たちの値段」
いやサイコーです。面白い!!!
美術品に関するミステリーという私の一番好きな題材。
でも作者の知識と筆力次第で浅薄にも奥深く底なしの魅力を持つ作品にもなる題材。
この作家は、、、
シャンパンの輝きを持ちながら熟成した赤ワインのような深い味わいを出す
作品に仕上げて下さいました!!!(意味不明 苦笑)
真贋を舌判別するという変わった登場人物。
名画を見ると口の中が甘くなるそーなんです。
ともすれば奇想天外な話に転がりがちなのに、すっきりと綺麗な文体と
スマートな登場人物でキリッと話が展開。
作品中に手紙が出てきますが、今時こんな素晴らしい手紙を書ける人が
いるなんて・・・と思わず書き写しましたヨ。
漢字の使い方、登場人物の性格、学術的なお話、全部よかったな。
ひーひひひ。
同作家の「パラドックス実践」「おさがしの本は」も早速読みました。
いやはや面白かった。
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