桜子でーす

日々の感想や思いついた事柄を写真や文章に表しました。ビジュアルに表現出来ると嬉しいな!

いじめ

2012年10月04日 | 日記・エッセイ・コラム
10月4日(木)

今日は久し振りに雲の変化の美しい日となった。
私は何処へ行っても、空を眺める。スーパーで品物を袋に詰める時でさえガラス越しに「あー、きれいな空!」とか「面白い雲が出ている」とか話す。

こんな時にカメラを持っていればいいのだが、上手くチャンスが巡って来る訳ではない。
まあ、空を眺めているけで、十分幸せなものだ。こんな日が続けば良いけれど。

毎日のように聞きたくも無い事件が報道される。(イヤだね!)
いじめの問題が大きく取沙汰されてからは,今まで隠していたか、無視していたか、それぞれの理由は兎も角、まるで傷口が開いた様に続々出て来るのだ。
(もう、イヤだね!)

いじめと言うのは、始めはささいな争いと言った喧嘩から始まる場合が多い。そうした出来事を早く周囲の人が見付けだして、おさめる事が大事だと思う。
子供は相手の弱点と思われるところを否応無しについて来る。遠慮会釈も無く相手の弱点をついて来るから、一層激しい争いとなり、陰湿な関係が出来てしまう。

かつて、次のような出来事があった。<小学校6年生の教室で>
S君が担任に泣きながら訴えて来た。「K君が、お前の家は貧乏だって言うんです」
日頃、元気な彼等は何かの事から言い争いになったらしい。

K君の家はこの町で有名な金持ちである。日頃はおっとりとした勉強家の彼が、喧嘩の末に「お前の家は貧乏だ!」と相手のS君を侮辱した。

驚いた担任はS君にこう伝えた。
「君のお父さんは偉いのよ」「え?」「お父さんは社長さんよ、個人タクシーの運転手さんは自分の車で経営をしているのだから,偉いのよ」と話した。
S君は「エッ!そうだ!」と、今迄、泣いていた顔を輝かせた。

K君を呼んで伝える。S君の悔しさを話し、相手の事を貧乏人などと言ってはいけないとたしなめた。
そして、
「ねぇ、君の家はお金持ちで有名ネ。でも、その事を友達と喧嘩して言ってはいけない。君だって、人に何か噂をされて悔しい思いをした事があるでしょう?」
「うん」辛そうに答えた。
「お金がある事はいいけれど、嫌な時もあるわね。君が一生懸命勉強しているのを先生は分かっている。だけど有名な学校に合格しても、あれはお金の力で入ったなんて言われる事もあるわね。それは、とっても嫌だし、折角努力しているのに悔しいよね。人に誤解されて、お金があるのも辛いときがあるわね」
「うん」素直に聞いていたSくんは涙を流した。
その後、二人の少年は握手をした。

次の日の朝、S君は「先生、これ…」と大きなこけしを差し出した。「どうしたの?」「これ、先生に上げます」と言った。
昨日、家で二人の喧嘩の話を両親に伝えたと言う。そうして「お父さんは社長だって、先生に言われた」と話したと言う。

「有難う!」少しばかり、日に焼けたこけしだったが、今までS君が大切に飾っていた人形に、彼の感謝と喜びの印がこもっていたのだ。彼のいじらしさが未だに忘れられない。

二人ともすっかり落ち着いた。地元の中学校と私立の中学校に別れてしまったが、彼等もあの出来事を忘れないだろう。
飴色になったこけしを見る度に、あの二人の幼いとも言える争いを思い出す。
いじめの発端を発見する事の大切さを分かりたい。

スマホなどが無かった時代のイジワルは幼いかもしれないが、早期に解決の糸口をみつけ出し、手当をする事が大事だと思う。




Img_0319