前回の記事に追記した時点では、寺澤有氏がツイッターへの異議申立の最中ではないかとも思われたので、アカウント停止の背景につき、最低限の記述にとどめた。
その後、寺澤氏に確認してみると、異議申立はすでに斥けられており、かつアカウント停止理由とされたツイートを削除する気はないので、そのままにしているという。
寺澤氏の意向がそうである以上、今後アカウント停止が解除されることはないということになる。
追記にも記したとおり、同業者の友人・知人にはすでに理解されているはずのアカウント停止の背景だが、ツイッターユーザーであれば、具体的には書きにくいだろう。そうなると、一般のフォロワーは蚊帳の外に置かれたままになる。
いずれまた、同氏が代表を務める版元インシデンツの公式サイトなり、フェイスブックなり、別のかたちでネット上の発言の場を整えるつもりではいるだろうが、そうだとしても、アカウント停止の経緯は知られるべきだ。
たまたま最近、インドやバングラデシュの「表現の自由」についての企画を進行させていた。
両国とも政情の反映でかなり憂慮されるにしても、今回のようなことが起きると、日本のほうがある意味、はるかに状況が悪い。
そもそもインド亜大陸には、とくに活字系ジャーナリストに対する敬意と、その職務への理解が社会的に広くある。
日本では、ジャーナリストの名に値する仕事を行なっているのは、ひとえにフリーランスである。それも取材経費の捻出ひとつにせよ、きわめて厳しい状況に置かれながら。
にもかかわらず、かれらがどれだけ優秀であろうと、どれだけ実績があろうと、この国はまともな敬意をはらったためしがない。
だから、ジャーナリストが取材活動、言論表現活動を抑圧されることにも、じつに鈍感である。
そういう心性と、最近であれば『記者たち 衝撃と畏怖の真実』のようなジャーナリズムをテーマにしたハリウッド映画などが入るたびに、いちいち感心して持ちあげることとが、どう結びつくのかといつも思う。
10年前の2009年12月11日早朝、営団地下鉄東西線の早稲田駅で、当時25歳の私大職員・原田信助さんが電車へ飛びこみ自殺をした。
「新宿署違法捜査憤死事件」とか「新宿署痴漢冤罪自殺事件」と呼ばれ、新聞やテレビなどでも大きく報道されるとともに、国家賠償請求訴訟が最高裁まで争われた、非常に知られる事件である。
本記事を書くにあたって、関連資料を調べなおすだけでも、あらためて憤りが湧いてくるようなひどい事件だ。
信助さんの母・原田尚美さんは、2017年に最高裁で敗訴が確定したあとも、息子の無念を晴らして名誉を回復すべく、事件の目撃者を探すブログを更新し続けている。
3年前、その尚美さんのツイッターアカウントに対して、「阿部悠」(@Tomicajpn、現在このアカウントは削除されている)というユーザーが
「そんな精神弱いジャップオスは死んでよかったw」
というツイートを送ってきた。
事件を取材して尚美さんとも交流をもってきた寺澤氏は、事実関係の理解が皆無であるばかりでなく(あるいは事実などどうでもよいと考えているのか)、人間性を疑いたくなるようなこのツイートに対して、
「あなたなんか原田信助さんの霊にたたられて死ねばいいのに。」
と批判のツイートをした(2016年11月10日付)。
今回、アカウント停止の理由とされたのは、この批判ツイートである。
悪口雑言罵詈讒謗が飛びかうツイッターでは、これでアカウント停止になるなら、過去に遡及して同じ措置が取られるべきユーザーがごまんといる。
とはいえ、数年前のツイートが「いまこの時期」に通報されたこと自体が、ふつうではない。
寺澤氏がどのように背景を解釈しているか、7月31日付でいただいたメールから当該部分を以下にコピーする。
私のアカウント停止が7月10日に『安倍晋三秘書が放火未遂犯とかわした疑惑の「確認書」』の第2版を発売したことと関係があるとみているのは決して陰謀論ではありません。
添付ファイルのツイートは2年近く前のものであり、これをわざわざ探し出してツイッター社へ通報した人間がいること。
現在のツイッター社の画一的な「ルール」では、他人に「死ねば」とツイートするのは違反とされるようですので、それを狙ったものと思われます。
付言すると、私が添付ファイルのツイートで直接批判した「阿部悠」という狂信的フェミニストは、それこそツイッターの「ルール」に違反しまくり、だいぶ以前にアカウントが削除されています。
だから、「阿部悠」本人が今回の通報をしたとは考えにくいのです。
さらに私のアカウントが停止されたあとの動きを見ると、追加で次々と「ルール」違反となるようなツイートが通報されているようです。
そして、それらのいくつかは「違反」と認定されているとみられます。
過去、私は数限りなく違反を通報されてきましたが(通報者が「通報した」とツイートすることが多い)、1回もアカウントを停止されたことはありません。
おそらく、今回、ツイッター社が私に関して、相当、「違反」のハードルを下げているのだろうと推測されます。
日本の表現の自由も、かなりヤバいところまで来ているという実感です。
※訂正(8月2日)※
営団地下鉄 → 東京メトロ
その後、寺澤氏に確認してみると、異議申立はすでに斥けられており、かつアカウント停止理由とされたツイートを削除する気はないので、そのままにしているという。
寺澤氏の意向がそうである以上、今後アカウント停止が解除されることはないということになる。
追記にも記したとおり、同業者の友人・知人にはすでに理解されているはずのアカウント停止の背景だが、ツイッターユーザーであれば、具体的には書きにくいだろう。そうなると、一般のフォロワーは蚊帳の外に置かれたままになる。
いずれまた、同氏が代表を務める版元インシデンツの公式サイトなり、フェイスブックなり、別のかたちでネット上の発言の場を整えるつもりではいるだろうが、そうだとしても、アカウント停止の経緯は知られるべきだ。
たまたま最近、インドやバングラデシュの「表現の自由」についての企画を進行させていた。
両国とも政情の反映でかなり憂慮されるにしても、今回のようなことが起きると、日本のほうがある意味、はるかに状況が悪い。
そもそもインド亜大陸には、とくに活字系ジャーナリストに対する敬意と、その職務への理解が社会的に広くある。
日本では、ジャーナリストの名に値する仕事を行なっているのは、ひとえにフリーランスである。それも取材経費の捻出ひとつにせよ、きわめて厳しい状況に置かれながら。
にもかかわらず、かれらがどれだけ優秀であろうと、どれだけ実績があろうと、この国はまともな敬意をはらったためしがない。
だから、ジャーナリストが取材活動、言論表現活動を抑圧されることにも、じつに鈍感である。
そういう心性と、最近であれば『記者たち 衝撃と畏怖の真実』のようなジャーナリズムをテーマにしたハリウッド映画などが入るたびに、いちいち感心して持ちあげることとが、どう結びつくのかといつも思う。
10年前の2009年12月11日早朝、営団地下鉄東西線の早稲田駅で、当時25歳の私大職員・原田信助さんが電車へ飛びこみ自殺をした。
「新宿署違法捜査憤死事件」とか「新宿署痴漢冤罪自殺事件」と呼ばれ、新聞やテレビなどでも大きく報道されるとともに、国家賠償請求訴訟が最高裁まで争われた、非常に知られる事件である。
本記事を書くにあたって、関連資料を調べなおすだけでも、あらためて憤りが湧いてくるようなひどい事件だ。
信助さんの母・原田尚美さんは、2017年に最高裁で敗訴が確定したあとも、息子の無念を晴らして名誉を回復すべく、事件の目撃者を探すブログを更新し続けている。
3年前、その尚美さんのツイッターアカウントに対して、「阿部悠」(@Tomicajpn、現在このアカウントは削除されている)というユーザーが
「そんな精神弱いジャップオスは死んでよかったw」
というツイートを送ってきた。
事件を取材して尚美さんとも交流をもってきた寺澤氏は、事実関係の理解が皆無であるばかりでなく(あるいは事実などどうでもよいと考えているのか)、人間性を疑いたくなるようなこのツイートに対して、
「あなたなんか原田信助さんの霊にたたられて死ねばいいのに。」
と批判のツイートをした(2016年11月10日付)。
今回、アカウント停止の理由とされたのは、この批判ツイートである。
悪口雑言罵詈讒謗が飛びかうツイッターでは、これでアカウント停止になるなら、過去に遡及して同じ措置が取られるべきユーザーがごまんといる。
とはいえ、数年前のツイートが「いまこの時期」に通報されたこと自体が、ふつうではない。
寺澤氏がどのように背景を解釈しているか、7月31日付でいただいたメールから当該部分を以下にコピーする。
私のアカウント停止が7月10日に『安倍晋三秘書が放火未遂犯とかわした疑惑の「確認書」』の第2版を発売したことと関係があるとみているのは決して陰謀論ではありません。
添付ファイルのツイートは2年近く前のものであり、これをわざわざ探し出してツイッター社へ通報した人間がいること。
現在のツイッター社の画一的な「ルール」では、他人に「死ねば」とツイートするのは違反とされるようですので、それを狙ったものと思われます。
付言すると、私が添付ファイルのツイートで直接批判した「阿部悠」という狂信的フェミニストは、それこそツイッターの「ルール」に違反しまくり、だいぶ以前にアカウントが削除されています。
だから、「阿部悠」本人が今回の通報をしたとは考えにくいのです。
さらに私のアカウントが停止されたあとの動きを見ると、追加で次々と「ルール」違反となるようなツイートが通報されているようです。
そして、それらのいくつかは「違反」と認定されているとみられます。
過去、私は数限りなく違反を通報されてきましたが(通報者が「通報した」とツイートすることが多い)、1回もアカウントを停止されたことはありません。
おそらく、今回、ツイッター社が私に関して、相当、「違反」のハードルを下げているのだろうと推測されます。
日本の表現の自由も、かなりヤバいところまで来ているという実感です。
※訂正(8月2日)※
営団地下鉄 → 東京メトロ