さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

自分ではまだ若いと思っていたりするのだが

2021年02月07日 | らくがき

赤毛のアン・シリーズの7作目、『炉辺荘のアン』では、
アンとギルバートは何人もの子供たちに囲まれて幸せに
暮らしていました。あるとき、ギルバートの「おばさん」が
「2週間くらい」の滞在にやってきた。

そのメアリー・マライアおばさんは、わがままで口が悪く、
ずうずうしくて意地悪な老人だから、お手伝いさんも含めて
アンの家族全員から嫌われていましたが、ギルバートは
親戚を邪険にするわけにはいかないと、おばさんの機嫌を
取りながら我慢して受け入れていたのでした。

その痩せた老人は、いつも何かに不満を言っています。
ひとつでも窓が開いていれば寒いとこぼし、閉めきって
いればたまには新鮮な空気が吸いたいと文句を言い、食卓で
子供が笑うと静かにしてほしいものだと言い、誰かが好きな
ものを食べるとそれは癌のもとになると言い、クリスマスに
子供たちがサンタを楽しみにしているとそれは嘘だと言い、
勝手に家具の位置を変え、どこの部屋にもノックをせずに入り、
意見をすると怒って泣き出す。毎度みんなが折れて我慢して
いたのでした。

メアリー・マライアの滞在は1年になり、もしかすると一生
いるかもしれないという心配も出てきて、しまいにはアンは
鬱病になりかかります。しかしアンは健気にも、嫌われ者の
孤独な老人を哀れに思い、おばさんの誕生日をサプライズで
計画します。内緒で準備を進め、近隣の人たちを呼び、大きく
立派なケーキには55本のロウソクが灯されていました。









ちょっとー! 55歳? しわくちゃババーって、
孤独な老人って、俺より年下?!




たしかに100年も前の頃、多くの人は20前後で親になり、
40前後で孫ができるわけだから、55歳ってけっこうな老人
だったりするんです。ひ孫がいたりするんです。

日本では、1950年の男の寿命は58歳、1960年には延びて
65歳。だから定年は55歳だったんです。ジジーで引退する
年だったんです。

だから磯野浪平さんは、定年間近で孫がいる54歳。
宇宙戦艦ヤマトの艦長、沖田十三は52歳です。

メアリー・マライア、浪平、沖田艦長と一緒にテーブルに
ついたら、俺、一番年上なんだな。。。

さて55本のロウソクを吹き消したメアリー・マライアおばさん、
言葉を失って泣き出します。嬉しくて感動したの?

いえいえ、絶対に言ってほしくなかった自分の年齢をみんなの
前でバラしたものだから、恥ずかしさとくやしさで怒り出し、
翌日に自宅へ帰ってしまったのでした。家族全員、思いも
寄らなかった突然の幸福の到来に、しばらくはにわかに信じ
られなかったのでした。



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