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未必の故意の完全殺人? メチルアルコール濃度が基準の10倍!? 謎のブランデー!

2016-03-19 11:11:21 | 附属酒類経済研究所
                           
                           【公式HPはこちら↑】



先般、ある輸入ブランデーについてインポーターさんとやり取りしていて、驚いたことがあります。


そのブランデー、ブドウ起源のものではないので(「ブランデー」って果実酒からつくった蒸留酒の総称ですね)、かなり珍しいモノなのですが、インポーターさんからこんなメールが。


>また並行輸入の商品はメチルアルコールがEU基準値10倍で


EU(全土)の基準値って決してバカ厳しいものではなく、日本の基準に比べ緩いモノが多いという個人的な印象なのですが、それの10倍と言うのはちょっと驚きです。


先日、西宮市で夫の飲むお酒にメチルアルコールを入れ、結果的に殺してしまったという事件があったばかりですし、そんなものはちょと怖い。





でも、「10倍」というのがまかり通っていたら、もっと事件になってもよさそうだし、そもそもこれって事故事件では、と思ってちょっと調べてみた。


まずは、ブランデーになぜメチルアルコールが?


これ、混入ではなく、製造過程で発生してしまうらしい。

ものの本(というか、ネット時代なので、、、、、)によれば、、、





原料となる果実類に含まれるペクチンのメトキシ基が、ペクチンエステラーゼによって加水分解されることで生成する


かららしい







でも、これ、結構な有名な話らしく、冒頭の一文から問題提起されています。



フルーツブランデーは,フ ランスやイタ リアな どで食後の 1杯 として、あ るいは、ケ ーキな どの菓子の香味付
けとして楽 しまれている。
しか し、問 題点がある。 メタノール濃度が高 く、日 本 の食 品衛生法の規制値 (1,000ppm)や 諸外国の基準 を超 えるものが多い。




ふーん。




もっと調べていくと、国税庁からも注意喚起等もなされています。


メチルアルコールは、原料の皮等に含まれるペクチンが分解されるとメチルアルコールが生成されます。したがって、甘藷製の単式蒸留しょうちゅう、並びに赤ワイン及びぶどう以外の果実を原料とした果実酒については、メチルアルコールが比較的多く含まれる傾向があります。



実際の分析でも、「輸入ブランデーで規制値を超える疑いがあるものがあった」らしい。


で、さらに見ていくと、基準値を超えていても「製菓用(に限る)(ブランデー)」と表示すれば販売できるらしい。



「ブランデー(製菓用)」ってラベル、見たことはありますが、「純度が低いのかな」とか「味が今イチ」とかのグレードの問題だと思っていたのですが、そうではなく、メチルアルコールの含有量の問題だったのですね(それだけではないかもしれないけど)。


でもでも、色々調べた結果、冒頭のインポーターさんのメール


「並行輸入の商品はメチルアルコールがEU基準値10倍で」


は、ちょっと間違いでした。実際は


EU基準値ギリギリだとして、アルコール濃度50%のものをそのまま持ってくると4倍くらいになってしまうかも



ということのようです。
(インポーターさん、人を悪く言い過ぎ)



それにしても、勉強になるなぁ、升本総本店。


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