ウチの古伊万里ももうお終いかと思ったら、まだ中期の未紹介の品がありました
中期の品としては特に珍しいタイプの品ではありませんが、同じ文様の品は購入後一度も見たことがありません。
「染付松竹梅文長皿」

中期の型紙摺りの技法を使った品で、松文と梅文は手描きで絵付けされています
中期の型紙摺りの品はわりと見かけますし、これに手描きで文様を加えた品もたまに見かけますが
このようなデザインで、しかも梅文と松文をちがった方向から描いている品はちょっと珍しいかも知れません。

松文、手描きで絵付けあれているのが判ります

反対方向から描かれた梅文

落款は渦福で、裏文様はこの手の型紙摺りの品によく見られるタイプのものです
この品を購入したのは十数年前で、当時はそこそこのお値段がしましたが、今回久しぶりに引っ張り出したら
「あれ、これ意外にイケてる中期伊万里だったんだ」という印象を受けた次第です。
ここまで密なものは、初めて見ました。
わたしには、松も桜も摺り絵のような気がしますが、いかがでしょうか。
理由は、描線に起点と終点が見られないことです。松葉やサクラの花びらで良くわかります。筆で描けば、力の入れようで自然に、起点は太く濃くなり、終点は細く薄くなります(まれに、その逆もあります)
なお、確かに、言われてみれば、桜の花びらのようにも見えますが、樹木の描き方などから、やはり、梅なのかなと思いました(~_~;)
松と梅の樹木部分にダミ染してあるので、手描きのように見えますが、よく見ますと、型紙摺りにダミ染めしてあるのでしょうね。
そのことによって、「プリント絵付け=手抜き」というイメージから脱却しているように思います(^_^)
落款はしっかりした渦福で、裏文様もしっかりと手描きされていますし、言われますように、そこそこ上手の中期伊万里かと思います(^-^*)
松も梅の型紙摺りでしたか!、購入した業者さんが「手描きとの組合せ」と言っていたので
今まで何の疑問も感じませんでした。
なるほどよく見ればそのようですね
とても勉強になりました。
中期の型紙摺りはわりと見かけますが、やはりそれなりに工夫していたことが伺えますよね。
実は、今回何年かぶりで引っ張り出したことで、この品が「松竹梅文」であることに気付いた次第です
忘れた頃に見ると発見があるもののようです。