回想の古伊万里も130回目ですが、傷物や変テコな品が多いとはいえ、随分と集めたもんだと思うところもあります
それはさておき、ワタシが伊万里に惹かれたのは文様の多様性だったように思います。そんなこともあって、ウチの貧乏コレクションには
文様の描かれていないいわゆる白磁は一つしかありません。
その貴重な(?)一つが、今回紹介する品です
「白磁陽刻竹鳥文七寸皿」

多くの業者さんが「柿右衛門白磁」として販売するであろう、輪花形の七寸皿です
生地は確か乳白色のいわゆる「濁し手」のようですので、そういった点では中期の柿右衛門白磁と呼んでもさしつかえなさそうです。

古九谷の陽刻と違いそれほど鋭くないこともあって、画像ではなかなか上手く表現できない面はありますが
一応、竹とそれに止まった鳥と思われる文様が陽刻されています

落款はなく、目跡が五か所にあります

このシャープな成形はさすがに柿右衛門というべきでしょうか
この品をお世話してくれた関西のベテラン業者さんは、「白磁が好きな人は美意識が高い」と言っておりました。
やはり白磁といえば伊万里ではなく、李朝や定窯白磁が魅力的なのは間違いありません。
それに、写真にすると味も素っ気もありませんから( ・ั﹏・ั)
この皿の陽刻はめずらしいですね。
染付か色絵で描くような堂々たる図柄を、そっくりそのまま陽刻にした感じです。
白磁の自信作!
白磁の良い物はなかなかないんですよね。
これには陽刻もあり、典型的な柿右衛門の白磁ですね(^_^)
昔は、このような柿右衛門の白磁を10万で買ってきて、それに赤絵を施し、色絵柿右衛門にして100万で売ったなどという、まことしやかな話がありましたね。
それを信ずるとすれば、このように、白磁のまま残っている物は少ないということになりますね、、、(~_~;)
しかも今流行りでいうところの「インスタ映えしない」のは確かです
とはいえ、「柿右衛門」というネームバリューで買ってしまったというのが現実です。
最近はあまり見かけないので判りませんが、人気はイマイチかも知れません。
柿右衛門白磁に後絵の話、私もなにかの本で読んだ覚えがあります
なんでも、明治頃まで中期の柿右衛門の色絵付け前の白磁がそこそこ残っていたとかで
これに色絵付けして盛期の色絵柿右衛門に仕立てたらしいですね。
なにせ素地は盛期の物ですから、これは見分けが難しいですよね。