「骨董掘り出し人生」は2007年に朝日新聞社から刊行された中島誠之助氏の自伝本です
中島氏は骨董関係の著作を何冊も書いておられますが、個人的には「古伊万里染付入門」や「古伊万里赤絵入門」といった
陶磁器関連の専門的な著作よりもエッセイとかの方が好きだったりします。
この本では中島氏の半生が綴られていますが、一歳で両親を共に失くし養子に出され、裕福な養家で優しい養母に育てられたものの
戦後になると裕福だった養家は没落、小学三年生だった中島氏は自らトラックに飛び乗り、父親の兄で骨董商をしていた叔父のところへ行きます。
ちなみに養母はとても美しい人で、観世流の能をたしなむ人だったようです
その後も紆余曲折のある人生を送りながら、骨董の世界で成功していくことになりますが
特に幼少期から骨董商として独立するまでのエピソードは必見で、是非読んで欲しい一編です。
ワタシは中島誠之助氏の著作ではこの作品が一番好きです。
断片的なエピソードのいくつかは、何かで読んだ記憶があります。
一念発起して世界一周の舩旅(無銭?)に出たことや、受け継いだ骨董店の大黒柱を切って、古い骨董界に別れをつげた、とかいうお話です(正確ではありません)。
ただ、お店の「ひやかしお断り」の張り紙は、「一元の客お断り」とする旧態骨董界とドッコイドッコイだと思うのですが(^^;
N島先生たくさん本出されていたんですね!この本も知りもせんでした。
多少クセがあるような雰囲気の文章のイメージですが、多彩ですよね。(^^)
結構骨董にまつわる自伝とかは面白いです。図録の解説よりずっと読みやすいです笑
はっとしたのは、酒田さんのブログで紹介されていた骨董ハンター南方見聞録を紹介されたのを見た時でした。この本実は私も若い時に図書館で借りて読みました。
読んでら止まらなくなった活字はこの本と北方謙三の三国志だけです。笑笑
このN島先生の本も探してみます(^^)
確かに、中島氏の本は、エッセイの部分が面白いですよね(^_^)
この本の良い所は生い立ちから骨董屋の小僧になるあたりまでが詳しく書いてある点で
このあたりは読みごたえがあります。
「ひやかしお断り」は、バブル期にオバサンのお客が増えたことが影響していたようですが
中島氏らしいと言えば言えるような・・・。
その点エッセイは読みやすいので、何冊か読みましたが、この自伝は特に面白いです。
「骨董ハンター南方見聞録」これは本当にワクワクして読める本ですよね
情報がすぐに広がる今の時代には無理でしょうが
インディ・ジョーンズの世界と共通しているように思います。
この本はウチの母親と姉も楽しんで読んでいましたので
骨董に興味がなくても興味深く読める本なのは確かです。