シリーズ171回目ですが、我ながら「ウチに古伊万里が171個」(中には違う品もありますが)もあったことに驚いています。
さて、探せばあるもんで、まだ江戸中期以前の古伊万里がありました、小品ですが結構好きな品だったりします
「初期柿右衛門四寸皿」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/80/e6bc086eaccd5c5fdf4eef03a56733ab.jpg)
一般的には「初期柿右衛門」として売られていることの多い小皿で、確かに輪郭線を黒で描いている点や、色使い、赤の発色は
「柿右衛門様式」の特長を供えていることは確かです。
デザイン的にはいわゆる芙蓉手になっており、青、赤、緑の三色で絵付けされています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/94/eae8cbc8d3de1531bb24fab12ba9e835.jpg)
古九谷様式にも見られますが、重ね焼きされており、見込みの青で塗られた円形の部分は釉剥ぎされた上から絵付けされています。
色絵は比較的厚塗りで、この点でも古九谷様式に近い特長を供えていると言えるでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/bd/743d3efeb922fb4c694da1fe5c9e5c11.jpg)
いわゆる「兜形」の成形がされており、生地の感じは濁し手ではないものの、古九谷様式とは明らかに違いを感じます
高台は内側へ傾斜した「内股高台」になっており、この点は古九谷様式と似た特徴を持っているように思います。
さて、かの栗田美術館の創立者である栗田英男氏はこの手の品につて、次のような論評をしています
これは寛文時代輸出の花形で大量に生産されたものである。
この作品を初期柿右衛門と称する人もあるが、柿右衛門と称する意味の全くないものである。
然しこの手のものには大量生産の妙味ともいうべきものがあり、手練れた味は滋味きくすべきものがある。
この作品を初期柿右衛門と称する人もあるが、柿右衛門と称する意味の全くないものである。
然しこの手のものには大量生産の妙味ともいうべきものがあり、手練れた味は滋味きくすべきものがある。
縁の周辺に書き詰めた模様は、中国の明時代に大量に日本に輸出されていた、芙蓉手と称する染付皿と同一形式のものを赤、青、緑で描いたものである。
個人的にはこの意見は一理あるように思っています。