ターボの薩摩ぶらり日記

歳時記を念頭において

妻か、付け馬か

2005年03月30日 | 俳句雑考
唄は「狸が徳利をもって酒買いに」までしか知らないが、徳利と通帳をもった陶製の狸をよく見かける。
今日の昼まえ、印旛村で相合い傘におさまっている狸(画像)を見て、唄のつづきがどうなっているのか、気になった。
掛け買いに成功し、これから夫婦して花見などにでかけるところかと思ったが、通帳を妻が握っているのが気になった。うまく妻に化けているが、正体は付け馬かもしれない。

   山里へことづかりたる狸かな 石 鼎

山のなかで猟師から、里へ降りるのなら獲物を届けてくれ、と狸を渡されたのだろう。代表句「頂上や殊に野菊の吹かれ居り」でも推察できるように、石鼎には山の句が多い。狸も狐も冬の季語。
いつだったか山畑に狸がうずくまり、脇に農夫が佇んでいた。わけを訊くと、傷を負った狸を発見したので、警察に連絡して到着を待っているのだった。
間もなく若い巡査が現れ、すぐに携帯電話をかけた。上司に指示を仰ぐつもりだろうが、なかなか電話がつながらない。
結果を見届けたかったが、残念なことに用事を抱えていたので、その場を離れざるをえなかった。帰りに寄ったときは、人も狸もいなかった。

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