磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

出力調整-その危険と矛盾

2008年09月01日 | 読書日記など
『出力調整-その危険と矛盾』
    高木仁三郎、他・著/原子力資料情報室1988年

高木仁三郎が、「まえがき」を書いています。



その「まえがき」……。下「」引用。

「 伊方原発2号炉の出力調整実験反対をめぐって、大分からまき起こった旋風はたちまち何十万という人々の心をとらえました。-略-
 現在の状況は各電力会社や通産省が四国電力の後押しをして、福井でも福島でもすでに出力調整(実験)はやった、これからもやるなどと総反撃に出た感もあります。言われていることにかなりデタラメなきょうべんがあり、新しい運動の攻勢の前にひたすら原子力産業の防戦にやっきとなっているのですが、これをそのままにしておくわけにはいきません。-略-
  一九八八年二月
      原子力資料情報室 高木仁三郎」

出力調整(実験)とは何だろうと思っていたから、Q&Aの方式で書かれてありました。下「」引用。

「Q1 原発の出力調整運転とは、そもそもどういうものですか。
A 原発の定常的な運転の仕方は、一○○%出力で運転し、休むときは完全に〇%出力にするというものです。もちろんスタートするとき、停止するとき、トラブルなどで炉を止めるときはそのかぎりではありませんが、定常的には定格出力(一○○%)で運転するように本来原発は設計されています。その時、原発は、電力需要(負荷)の変動しない部分を提供するので、基底負荷運転といわれます。ところが、需要の変動に対応できるように、原発の出力を変化させて運転する運転法が、今各電力会社で試みられようととしています。これが負荷追従運転、最近よく使われる言葉では出力調整運転でする。-略-」

--伊方原発
毎日広島級の原爆を約二発爆発させたほどの核分裂が起こっているという。
死の灰が炉心に貯まっている……。原発と原爆では違うというが……。下「」引用。

「その核分裂反応の制御と熱の制御はたいへんなもので、それに失敗すれば--前者の例はチェルノブイリ、後者の例はスリーマイル島」

■出力調整の基本的な問題点
(1)出力調整操作が制御ミスを招く可能性を高める。
(2)燃料棒と被覆管をいためる。

四国電力で10月の出力調整実験のデータ隠しをしていたと報道があったという。

読んでいるとチェルノブイリ事故のことを思い出した。そのことについても書かれてありました。下「」引用。

「チェルノブイリ4号炉の実験は、出力調整そのものの実験ではなく、予定外の異常低出力で実験が強行されたことなど多くの問題が重なって事故が起きました。
 しかし、チェルノブイリの教訓をしっかり読みとる必要があります。チェルノブイリも当初の計画では、少なくとも当事者たちにとっては、とりたてて安全上の問題のある実験ではなかった。」

「●「夢」時代の宝物変じ今はやっかいなゴミ」というタイトルの記事もありました。

「原発 出力調整運転」で検索してみると、2007年もやっていますね……。









もくじ



エンタメ@BlogRanking



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。