磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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実録噺「東京大空襲夜話」

2009年07月30日 | 読書日記など
『実録噺「東京大空襲夜話」』
   柳家さん八・著/新日本出版社2009年

芸術には、「麻薬系」と「覚せい剤系」があると思う。
--痛みや苦しみを忘れさせてくれる「麻薬系」
現実をはっきり理解させるための「覚せい剤系」……。
消費者をだます世の中は「麻薬系」ばかりがはやる……。
そして、現実を見つめることもできず、痛みばかりが増えていく……。



「小さんが語る南方での悲惨な思い出」 下「」引用。

「師匠はこんなことを言ってくれましたよ。ベトナム侵攻したときに、もう食べ物もない、ねえ、食料は、とにかく、あのー、届かないんですね。援軍が来ると食料を投下する、落下傘でね。
 それで、ぼーんときたっていうと、「あ、やっぱり本当だ」「援軍が来たよ。食料落してくれるんだ」と、みんな塹壕から出て、手をこう、だあーっとこう降るんですね。で、だあーっと手を振ろうとしてはっと見たら、翼には星のマークがついている。ねえ、アメリカの飛行機だ。みんな「よせ」と手を引っ込めた。
「もし、そこで、手を振っていたら、いいか、おれは今ここにいねえよ」って。」

「▽東京は一○○回以上の空襲をうける」 下「」引用。

「東京は一九四四(昭和一九)年末から一○○回以上の空襲をうけていますが、東京大空襲と言うとり、とくに規模が大きかった一九四五(昭和二○)年三月一○日の空襲を呼んでいる場合が多い。そのあとでも、四月一三日(主として豊島、渋谷、向島、深川など城北地域。死者二四○○人以上、焼失家屋二○万戸以上)、四月一五日-略-などの空襲があり、多くの人々の命が奪われ、文字通り、東京は焼け野原になってしまいました。
 記録が不十分で、実際の被害数字はもっと大きいかもしれません。」

「■千島沖で戦死したさん八さんの叔父」 下「」引用。

「いま、靖国神社に祀られているんですが、うちの親父、つまり叔父さんの兄になるんですが、「勝手に靖国神社に祀りやがって、それも戦犯と合祀なんて、弟がかわいそうだ」と怒っていましたね。戦犯を拝むことになっちゃうんだから、親父の言うとおりだと思いますね。」

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きびしい小さん師匠……。下「」引用。

「さん八 小さん師匠は、「料簡がでるから、心の悪い奴は芸もだめだ」、代々の小さんが「心卑しきもの、噺家になるべからず」と言っていました。なぜかというと、心が曲っていれば、芸もいいものができない、人間が出るということなんですね。」

新内でも、反戦をしているという……。下「」引用。

「新内の岡本宮之助も、先ほど初回した「河童の道行」以外にも、岡本文弥の反戦三部作といわれる「西部戦線異状なし」(-略-)、「ぶんやアリラン」(従軍慰安婦問題を扱った新内)、「ノーモア・ヒロシマ(人間をかえせ)」(原爆をテーマにした新内)などを演じています。」

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また、講談でも……。下「」引用。

「講談では、神田香織が原爆をテーマにした中沢啓治の漫画「はだしのゲン」が原作の「講談はだしのゲン」や「チェルノブイリの祈り」を語っています。」

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