磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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核抑止なき安全保障へ-核戦略に関わった英国海軍将校の証言-

2011年12月22日 | 読書日記など
『核抑止なき安全保障へ-核戦略に関わった英国海軍将校の証言-』
   ロバート・グリーン(著)/
     大石幹夫(訳)/かもがわ出版2010年

原書名 Security without nuclear deterrence



「カバー写真/「核の傘」反核デモの参加者。ニュージーランド、オークランド。-略-」

帯に書かれてあります。下「」引用。

「英国海軍中佐で、核攻撃機や対潜水艦ヘリコプターに搭乗、フォークランド戦争では艦隊司令長官の情報担当参謀も務めた将校が、なぜ核抑止力論を捨て、反核平和活動に踏み込んだのか!?-略-」

エジプトと日本。下「」引用。

「核兵器廃絶に消極的な日本の現状を、単に米国の同盟国であるという理由で片付けることはできない。ノルウェーもまた米国の同盟国である。問題は、日本が国家安全保証にとって米国の核の傘が不可欠であるという政策選択に囚われていることにある。政府や政策担当者たちが核抑止論の信奉から抜け出すことができないでいる。テレビを見ていると、「米国の核の傘が要らないというのなら、日本が核武装せよというのか」という単純で古くさい議論を未だに繰り返している政治家や評論家ばかりが目立っている。世界の国は米国の核の傘も核武装も放棄している。日本が特殊に危険な国際環境の中にいるという議論も言い逃れにすぎない。エジプトはもっと危険な場所にいると言えようが「新アジェンダ連合」の一員として発言している。旧態を擁護する言い訳は言おうとすればいくらでも出てくるだろう。」

政治的リーダーシップ。下「」引用。

「日本に問われているのは、北東アジアの安全保証環境を核の傘を必要としないものに変えていくような政策的創意と政治的リーダーシップであろう。-略-」

サッチャー英国首相と核攻撃!? 下「」引用。

「サッチャーが多分意図していてたことについては、元フランス大統領フランソワ・ミッテランの精神分析医をしてたアリ・マグーディの回想録からも窺える。ミッテランがマグーディに語ったところによれば、アルゼンチン海軍のシュペルエンダール戦闘機(フランス製)から発射されたエグゾゼ・ミサイル(フランス製)によって英国駆逐艦シェフィールドが航行不能に陥った後、サッチャーからミッテランに電話があり、英国首相は、ミサイルのデータ収集システムを妨害できるための秘密コードを自分に教えなければ、アルゼンチンを核攻撃すると脅したという。ミッテランはサッチャーが本気であることを確信し、その要求に応じたとのことだ。
 言うまでもなく、誇り高い英国軍にとって、そのような敵に負けるなど考えられないことだった。サッチャーにとっても、それは自分の政治生命の終わりを意味した。さらに、サッチャーは核抑止論を心底信奉していた。しかし、サッチャーが核攻撃の脅しを行ったとしても、ガルティエリはサッチャーをはったり屋だと公然と決めつけ、それから米国大統領ロナルド・レーガンがサッチャーをたしなめるさまを愉快に見物したことだろう。」

そして英国は「つまはじき国家」になっていただろう。下「」引用。

「-略-核攻撃になれば、国際的な避難の嵐により英国は世界の「つまはじき国家」になっただろうし、そのような戦争犯罪行為の政治的な帰結の中でフォークランド諸島を守る意味も失われていただろう。-略-」








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