磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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財団法人鹿島平和研究所選書 二つの世界の間に-アメリカのアジア外交と新聞-

2009年07月04日 | 読書日記など
『財団法人鹿島平和研究所選書 二つの世界の間に
  -アメリカのアジア外交と新聞- Between two worlds』
    ジョン・ホーエンバーグ(著)/
      鹿島平和研究所(訳)/鹿島研究所出版会1969年

著者はコロンビア大学新聞学教授。

正力松太郎はウィリアム・ランドルフ・ハーストを崇拝。
ハーストは正力に野牛数頭を贈り、逆は日本の甲冑一揃いを贈ったという。
正力は自身のことを“極東のハースト”と自称。

中国が共産政権になるころ……。下「」引用。

「一九四九年五月十三日、かれは上海からつぎのように書いてよこした。
「世界で第四番目に大きいこの巨大で豊かな生産的なメガロポリスは、いまやソビエト圏に繰り入れられようとしている。世界人口の四分の一をもつこの国の全部でなくても、その大部分はそうである。ワシントンのデスクの背後にあるつまらない奴らが、どれほど理論的に説明しようと、どれほどごたごた弁明しようと、これがアメリカおよび非ソビエト世界の全体にとって大きな不幸であるという残酷でぶしつけで、不愉快な真実を変更することはできない」。」

ベトナム戦争……。下「」引用。

「一九六三年六月十一日早朝、マルコム・W・ブローン--かれは一九六一年以来、サイゴンのAP支局長であった--は仏教徒の緊急呼び出しに答えて数名の仏教徒と会うために道を急いだ。すぐかれはサイゴンで最も重要な交差点に連れて行かれ、そこでかれは七十三歳の老僧チック・クァン・ダック師が、泣き叫んで群がる僧侶や尼僧の前で焼身自殺するのを目撃した。ブローンはディエム政権の行きすぎにたいするこのショッキングな抗議の写真をとって、それは一夜で仏教徒にたいする世界の同情を集めた。」

当時のアメリカのマスメディア……。下「」引用。

「最上位にはアメリカの主要メディアの重要記者と解説者の内密グループがあり、その下には、そのほかのアメリカ人記者がくる。それから、まず、特別扱いのイギリスと、そのほかのヨーロッパ国の記者が数人いて、その下に、ヨーロッパの記者団全体がくる。われわれアジア人は一番最後におかれており、誤解しているのかも知れないが、日本人は最下位なのではないかと思うことがある。」

ベトナム戦争での日米……。下「」引用。

「かくして、対米感情は非情に悪化した。極東担当国務次官ウィリアム・P・バンディは、日本人の多くはアメリカのベトナム政策について重大な誤解を抱いていると非難した。これに答えて、日本の外務省スポークスマン曾根明は、「日本の新聞がすべての世論の代表者ではない」と確信的声明を出した。この声明は即座に日本の新聞側から猛烈な攻撃を買った。やむなく、曾根は再び声明を出し、日本人の大多数はベトナム戦争に反対しているが、だからといってかならずしもそれが反米主義だということにはならないと訂正した。」

毛沢東は民主化などできなかった……。下「」引用。

「一九五七年の“百花斉放”時代、毛沢東は一時、国民に北京政権に対する批判を許したことがあるが、そのとき、あまりにも多くの非難の声が上がったため、当局はあわてて言論統制を復活し、異端者を処罪した。」

中国の二枚舌外交……。下「」引用。

「中国の核実験は核時代における新たな、危険な事態の開幕であった。なぜなら、北京政府は低開発諸国指導者を満足させる格好の手段として、核兵器の禁止と破壊の話合いを提唱したが、その反面、建設的な態度は何一つとろうとしなかったからである。
 そればかりか、中国の宣伝は自ら、“世界中の主張”であると称しながら、世界中の批判には耳を貸そうとしなかった。」

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