磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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四国五郎詩画集 母子像

2006年07月07日 | 読書日記など
『四国五郎詩画集 母子像』
     広島詩人会議1970年

四国五郎は詩人でもあられたようですね。
峠三吉さんのまわりにいた人だそうです。



後ろの方で壷井栄の夫である壷井繁治が文章を書いておられます。下「」引用。

「敗戦の一、二年後だったと思うが、わたしたちの貰い子右文を彼の祖母に会わせるためにヒロシマを訪れた。ヒロシマはあの原爆投下の被害の跡、まだ見るも無惨な廃虚のままだった。そのとき峠三吉にはじめて会ったわけである。
 彼はすでに「われらの詩の会」を組織し、その中心となって多くの若い詩の書き手たちの私的創造のエネルギーを引き出す仕事に没頭していた。いま詩人会議の有力なメンバーとして活躍をつづけている増岡敏和も、この「われらの詩の会」のメンバーであったし、四国五郎も峠三吉のまわりにいた一人だったように思われる。−略−」

この詩画集のなかで、峠三吉に関する詩、「峠三吉」という詩ともう一編をかかれています。下「」引用。

「峠さん

こんなことがあってよいものか

私がセピアのコンテを握って
峠さん
あなたの顔を描いている
あまり多くないやわらかな髪
特徴のない眉
−略−

ケロイドの痛む広島の人のこころで叫び
平和をねがう世界ののぞみをうたい
あなたが
病身におさめきれぬ情熱でつくりあげた
仕事のかずかずを
みんなでうけつぎ
やがてなにもかも立派になるそのときまで

私も
やがて
峠さん!とよびかけては
誇らしやかに詩をよみあげ
たかだかと絵もかかげ
自慢のひとつもできるようになったら
そのときにはまた峠さんを描こう
もっとすばらしく描きあげよう

峠さん
峠さん」


おふくろという絵は温かみがありますね。



白黒なのが残念です……。



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