磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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はだしのゲンができるまで-8月15日記念講演会報告書-

2008年10月17日 | 読書日記など
『はだしのゲンができるまで-8月15日記念講演会報告書-』
   中沢啓治(講演)/小金井市立図書館・公民館1978年

「はだしのゲン」の作者の中沢啓治さんの講演記録などです。



■目 次■
1. 劇画「はだしのゲン」とは  2
2. 実施報告  4
3. 講演要旨  5
4. 感想文  37
5. 参考図書リスト  61
6. ゲンをめぐる話題  67

8人家族だったという。下「」引用。

「僕が生れた育った所は、広島市の原爆ドームが現在ある1.3kmの地点だったんです。僕の家族は、おやじ、おふくろ、長男、長女、次男、三男が僕で、そして四男の7人家族で、当時、おふくろのお腹の中に生れる寸前の子どもがいました。結局は8人家族になるわけです。-略-」

父は劇団で平和運動……。下「」引用。

「昭和20年に入ると……僕のおやじというのは、画才があって、日本画の絵かきであり、そして代々続いている下駄の塗装生業をしていたのですが、他にも演劇に非常に興味を示して、当時新協劇団という野が広島にあったんですね。で、その新協劇団に属して今では図書館に行けばいくらでもある「夜明け前」とかゴーリキの「どん底」とか……当時は絶対に読んではいけない本なんですね……。そういう本の朗読会を広島の医師会館で、ひとつの反戦運動というか、ともかく演劇を通じてそういうことをよくやっていたわけですね。」

--劇団員、全員逮捕。
一番の子持ちだった中沢の父は、劇団のリーダーのとりはからいで釈放。

神崎小学校で被爆。下「」引用。

「僕は登校中、神崎小学校、だから僕の家から2500メートル以内に神崎小学校があったんです。裏門から僕らはいつも入っていたんです。-略-ちょうど裏門を曲がる寸前に、同級生のおばさんに呼びとめられたんです。-略-」

「江波に逃げのびて」。下「」引用。

「-略-非常に嫌がられて、つらい思いをしました。おふくろなんか取りもしない傘を取った取ったと言われて、無理やり交番に連れていかれて始末書を書くとか、とにかく追い出しをくらって、さんざん辛いめにあったんです。」

広島で読んだのは「黒い雨」だけだったという。下「」引用。

「もう原爆については見たくもないし、聞きたくもない状況だった。
 だから未だに僕は原爆関係の本で読んだというのは、人にすすめられて読んだ井伏鱒二の「黒い雨」だけなんです。あとは一切読んでいないんです。読みたくないんです、あんなのは。もう憂鬱になってしょうがないわけてず。だから、上京して僕が描いたのはみんな娯楽物です。」

ABCCはパン一つくれない。下「」引用。

「だから、僕らはABCCに行けばパンの一つでもくれるのかという下心もあって、友達に『おまえ何かもらったか』と聞くと、『何もれやせん』という。とにかく体じゅう調べられたという。まぁ、そういう状態だったんですね。」

--『黒い雨にうたれて』という青年誌に向けてかく。
「これは掲載しましょう」と出版社の人。
次いったら、「ダメだ」と。
全部の出版社に断られたという。
--エログロ雑誌の「漫画パンチ」の編集長が、CIAにつかまるつもりで発表する。
それから後に、「少年ジャンプ」に「ある日突然に」が掲載される……。

「ある日突然に」の感想で驚いたという。下「」引用。

「とにかく、「ある日突然に」を描いてほんとうにおどろいたのは、僕は日本人というのは皆んな原爆というのは知っているものだと、学校でも皆んな教えられいて惨状は皆んなわかっているもんだと思ったんだけど、とろこが「ある日突然に」を発表して返ってくる手紙という手紙が、原爆というのはそんなにすごいのか、初めて知った、という声がものすごく多かったわけです。」

非国民というのが恐ろしいという。下「」引用。

「僕が「はだしのゲン」の中で本当に言いたいのは、原爆のテーマも確かにそうだけど、第一巻が一番言いたいテーマなんです。
 あの第一巻の中で、ゲンのおやじが戦争に反対したため、『非国民だ、非国民だ!』と言われて村八分にされていく。戦争に協力しない物は皆んな非国民だとなる。これが一番恐しいんじゃないか。今だって、そういう風潮がないかといえば歴然と残っているわけですよ。-略-」

「戦争は究極の差別」
--どこの国でもそうだけど、日本の差別はさらにひどい……。

--創作の部分もあるという。
「はだしのゲン」では兄は志願兵になるが……。下「」引用。

「それは物語の都合上でね。戦争の実態をもっと広げるために志願兵という形になったんです。ほんとうは呉の海軍工しょうに学徒動員で行っていた。」










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