磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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感染爆発-鳥インフルエンザの脅威-

2009年06月01日 | 読書日記など
『感染爆発-鳥インフルエンザの脅威-』
   マイク・デイヴィス(著)/
     柴田裕之、斉藤隆央(訳)/紀伊国屋書店2006年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「「この本を読み、必ず襲う悪夢を味わったら、まず大きく息をつけ。それから、パンデミック・インフルエンザが何百万もの命を奪う前にこれを読んで行動を起こせと、政治家に迫れ」ローリー・ギャレット・ピューリツァー賞受賞者で『カミング・ブレイク」(山内一屋監訳、河出書房新社)の著者
「異能の一匹狼だ。……まさに画期的な問題作」「インディペンデント」紙-略-」



一個のグルタミンが変化すると……。下「」引用。

「ところが、最近の研究によって、鳥インフルエンザのHAでわずかなアミノ酸の置換が起きるだけで--ひょっとしたら一個のグルタミンがロイシンになるだけでも--ヒトの細胞の錠をこじ開けられることが明らかになった。」

プロ野球カードを交換するように……。下「」引用。

「インフルエンザウイルスは、まるで子どもがプロ野球カードを交換するみたいに、複製したRNPをやりとりし、別々の親から受け継いだ遺伝子の断片を併せ持つ雑種ができあがる。一九五七年にパンデミックを起こしたアジア風邪のウイルスには、三種類の鳥インフルエンザウイルスの断片(新種のHAも含む)のほか、すでにヒトの亜型として広まっていたウイルスのRNPが五本存在する。また、一九六八年にパンデミックを起こした香港型には、一九五七年のゲノムの断片が六本残っている一方、ポリメラーゼのひとつとHAについて新しい鳥インフルエンザの遺伝子が加わっている。-略-」

ブタの体内で香港風邪で生れた……。下「」引用。

「一一年後、第三のパンデミックを起こすウイルス株が香港で分離されたが、その発生地は隣の広東省だったようだ。この再集合体もブタの体内で生まれたにちがいなく、一九五七年のウイルスと同じNAだったが、これに新しいカモのHAが加わっていた(したがってH3N2となった)。-略-」

ブッシュ政権……。下「」引用。

「ウェブスターは何もマンハッタン計画ばりの新プロジェクトを求めているのではなく、適切な量の抗ウイルス薬を備蓄するのが賢明だと説いているだけだ。しかし、彼をはじめとするインフルエンザ専門家の主張が無視されつづけてもうほぼ三年になる。また、もっと一般的に「バイオテロに対処する最良の方法は現在の公衆衛生危機管理の改良だ」という人々も同様に無視された。ブッシュ政権はこうした手を打つかわりに、天然痘と炭疽菌のワクチン・プログラム実施時期を繰り上げた。その理由となったのは、ベストセラー作家トム・クランシーも戸惑いかねぬほどの妄想に近い仮定だった。-略-」

WHO批判……。下「」引用。

「ギャレットはこう続ける。WHOは、「かつては世界全体の保健の良心だったが、一九九○年代に道を見失ってしまった。士気は下がり、汚職の噂が飛び交い、指導力を欠いて、WHOは迷走した」
 イギリスの著名な医学雑誌『ランセット』の編集長を務めるリチャード・ホートンもまた、世界の公衆衛生について同様の暗澹たる見通しを語っている。「ユニセフとWHOは、貧困のために死んでいく子どもたちをおおむね見捨ててしまった。たとえば、ユニセフの予防接種向け予算は、一九九○年には総額一億八○○○万ドルだった。ところが九八年には、五○○○万ドル程度にまで落ち込んでいる。五歳未満で亡くなる小児は毎年約一一○○○万人にのぼり、「そのうち九九パーセントが最貧層に属している」。ホートンは、賢明な運営がなされたとされる、グロ・ハルレム・ブルントラント事務局長体制下でさえも、WHOは企業エリートに追従し、「製薬業界への批判が提起されると情報統制をおこなった」と糾弾する。そしてまた、慢性病治療薬市場における巨大製薬会社の独占を守ろうと躍起になるブッシュ政権の見下げた動きにも憤りを示す。二○○二年、安価なジェネリック医薬品を手に入れるための第三世界の提案に、アメリカが拒否権を発動したこしとを受けて、ホートンはこう記している。「これで再び、貧困に生きる人々が健康の危機を脱するために必要不可欠な医薬品へのアクセスが、利権を守るというただ一事のために制限されてしまう。それなのに、この件についてWHOはそ知らぬ顔だ」。たとえば、サハラ砂漠以南のアフリカでは、毎年衝撃的な数の貧しい乳幼児が犠牲になっいてるのに、アルテミシニンを使ったきわめて効果の高い抗マラリア薬の多くは高価で、そうしたアフリカの貧困層には手が届かない。-略-」









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