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原爆児童文学集16 ヒロシマの子守唄

2006年04月25日 | 読書日記など
『原爆児童文学集16 ヒロシマの子守唄』
   菊池正・作/こさかしげる・絵/汐文社1985年、1985年2刷

この著者は同人誌に入っているころ、
講師を願った方です。



菊池正さんに会えると楽しみにしていました。
あのころは、睡眠時間二~三時間でいようとしました。
作家になるためには、そのくらいしないと駄目だといわれて。

そんな生活をしていると病気になりましたね。
その最初のころの病気で、行けませんでした。

菊池正さんは、小さな同人誌の講師になってくだるくらい、フレンドリーな方と噂されていました。教職につかれているし、禅僧でもあるし、作家でもある方です。

この作品はリアリズム作品です。しっかり書かれています。歴史的なこともクリアーされていると思いました。

東京の八王子に住む男子学生が、広島に疎開する。

戦争はただ勝ち負けではありませんね。義手をした元軍人の登場人物も出てきます。人は心だけでなく、肉体も傷つけあうのが戦争ですね。

新聞配達の人も戦争に行き、配達員がいないからと新聞奉公班というのに、主人公は入れられます。

主人公が八王子を去った日に、大空襲があったという。それで母は、「運が強い」という。しかし、この主人公は原爆で死亡します。人間というものの儚さをよく表しています。

八王子に住んでいたおばあさんも疎開してくる。ここはまるで八王子のようだと主人公は思う。

コリントゲームなどを楽しむ主人公。

そして八月六日がやってくる。
人間の儚(はかな)さ、戦争という大きな流れでは、泡のようなものでしかない。戦争をひきおこしてはいけないと、あなたが人間なら、そう思うはずだろうと、著者に囁かれるような気分になる秀作です。



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