『岩波ブックレットNo.740 世界金融危機』
金子勝、アンドリュー・デウィット・著/岩波書店2008年
この分野では、時代の流れは速いように感じます。
「影の銀行システム」があるという……。下「」引用。
「ところが、「影の銀行システム」と呼ばれる所以(ゆえん)は、証券という本来信用創造のないものを、しかも長短の金利差を利用してぐるぐると膨らませていくことが可能な仕組みを作った点にある。一種の「錬金術」と言ってよい。これが、日本において「貯蓄から投資へ」「金融立国」というスローガンで唱道された「市場型間接金融」と呼ばれるものの実体なのである。」
逆回転……。下「」引用。
「しかし、バブル崩壊のように滅多に起きないリスクが起きた場合、いっせいに値崩れを起してしまう。そして、伝染が逆回転が始まってしまう。もともと人為的に組成した金融商品であり、価格づけの根拠自体が怪しいので、証券そのものが売れなくなれば、一体、損失自体がいくらなのかも確定できなくなってしまうのである。-略-」
今は逆回転は止まったけど、バブルはバブル?
リスクを語ろうとしない。下「」引用。
「市場原理主義者は、「自己責任」で「リスクをとれ」と強調するが、誰もリスクを語ろうとしない。結局、バブルが崩壊するまで、楽観論をたれ流してバブルをひどくする。バブル長引けば長引くほど、崩壊を大きくする。バブルが崩壊した後でさえ、大丈夫と繰り返すだけだ。それがバブル崩壊後の対応を決定的に遅らせ、被害を拡大する。それでも、経済論壇を含めて日本の無責任な言論界は、彼等の責任を追及しないで何度も再登場させる。政治家、経営者、官僚、学者、メディアなど、責任をとりたくない「リーダーたち」が、彼らを待望しているからだろう。」
「小泉「構造改革」の大罪」 下「」引用。
「-略-特徴づければ、それは一九八○年代に失敗したレーガンやサッチャーの新自由主義政策の無内容なコピーであり、崩壊の危機に直面した自民党のイデオロギーむき出しの政治キャンペーンであった。バブル処理に失敗した無責任体制によって日本の経済と社会が閉塞した状況に陥ったが、ゆえに、それがあたかも脱出口であるかのごときに「演出」された。-略-」
竹中カルト経済。下「」引用。
「竹中平蔵を筆頭に、「規制緩和がまだ足りない」とか「改革が中途半端に終わった」という。経済が成長すれば、規制緩和のおかげ、経済が停滞すれば規制緩和がたりない--まるで呪文のようだ。宝くじに当たれば信心のおかげ、交通事故に遭えば信心が足りないと言っているのと同じである。」
赤字を増やした小泉・竹中路線。下「」引用。
「小泉・竹中路線は、「増税なき財政再建」の名のもとに、「小さな政府」どころか、五○○兆円台だった財政赤字を八○○兆円台の巨額に膨らませてしまった。レーガンと同じ失敗を繰り返した。-略-」
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金子勝、アンドリュー・デウィット・著/岩波書店2008年
この分野では、時代の流れは速いように感じます。
「影の銀行システム」があるという……。下「」引用。
「ところが、「影の銀行システム」と呼ばれる所以(ゆえん)は、証券という本来信用創造のないものを、しかも長短の金利差を利用してぐるぐると膨らませていくことが可能な仕組みを作った点にある。一種の「錬金術」と言ってよい。これが、日本において「貯蓄から投資へ」「金融立国」というスローガンで唱道された「市場型間接金融」と呼ばれるものの実体なのである。」
逆回転……。下「」引用。
「しかし、バブル崩壊のように滅多に起きないリスクが起きた場合、いっせいに値崩れを起してしまう。そして、伝染が逆回転が始まってしまう。もともと人為的に組成した金融商品であり、価格づけの根拠自体が怪しいので、証券そのものが売れなくなれば、一体、損失自体がいくらなのかも確定できなくなってしまうのである。-略-」
今は逆回転は止まったけど、バブルはバブル?
リスクを語ろうとしない。下「」引用。
「市場原理主義者は、「自己責任」で「リスクをとれ」と強調するが、誰もリスクを語ろうとしない。結局、バブルが崩壊するまで、楽観論をたれ流してバブルをひどくする。バブル長引けば長引くほど、崩壊を大きくする。バブルが崩壊した後でさえ、大丈夫と繰り返すだけだ。それがバブル崩壊後の対応を決定的に遅らせ、被害を拡大する。それでも、経済論壇を含めて日本の無責任な言論界は、彼等の責任を追及しないで何度も再登場させる。政治家、経営者、官僚、学者、メディアなど、責任をとりたくない「リーダーたち」が、彼らを待望しているからだろう。」
「小泉「構造改革」の大罪」 下「」引用。
「-略-特徴づければ、それは一九八○年代に失敗したレーガンやサッチャーの新自由主義政策の無内容なコピーであり、崩壊の危機に直面した自民党のイデオロギーむき出しの政治キャンペーンであった。バブル処理に失敗した無責任体制によって日本の経済と社会が閉塞した状況に陥ったが、ゆえに、それがあたかも脱出口であるかのごときに「演出」された。-略-」
竹中カルト経済。下「」引用。
「竹中平蔵を筆頭に、「規制緩和がまだ足りない」とか「改革が中途半端に終わった」という。経済が成長すれば、規制緩和のおかげ、経済が停滞すれば規制緩和がたりない--まるで呪文のようだ。宝くじに当たれば信心のおかげ、交通事故に遭えば信心が足りないと言っているのと同じである。」
赤字を増やした小泉・竹中路線。下「」引用。
「小泉・竹中路線は、「増税なき財政再建」の名のもとに、「小さな政府」どころか、五○○兆円台だった財政赤字を八○○兆円台の巨額に膨らませてしまった。レーガンと同じ失敗を繰り返した。-略-」
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