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龍の声

龍の声は、天の声

「国力が弱まった今こそ情報発信力を高めよ①」

2012-12-05 07:58:02 | 日本

川井龍介さんは、「国力が弱まった今こそ、日系社会との連携が1つのポイントであるとする論文を発表された。
参考になるため、3回にわたり記す。



毎年秋、海外日系人大会(主催:公益財団法人海外日系人協会)が都心で開かれている。各国の実情を報告し合い、国際交流、国際理解を深めることを目的に世界各地の日系人が集まる。
その大会に関連して海外における日本語新聞など日本語メディアの関係者が集まる海外日系新聞放送大会も毎年開かれている。

この放送大会で「日系社会との連携を図ること」を通して日本のよさを世界に発信する必要があるという講演が行われた。

講演したのは、公益財団法人フォーリン・プレス・センター(FPCJ)理事長、赤阪清孝氏。FPCJは、日本新聞協会と経団連の共同出資により1976年に設立。外国メディアの日本取材や、日本から外国へのメディアを通じた情報発信を支援を使命としてきた。赤阪氏自身はブラジル、サンパウロで日本国総領事の職歴をもつ。

講演では、国の置かれた厳しい状況を確認したうえで、本来の自国の強みを十分外に向かって発揮できていないという観点から「日本からもっと世界に向けた情報発信を」というテーマで赤阪氏が訴えた。
以下、同氏の講演内容を紹介したい。

まず、「国力の勢い」について、人口、国内総生産(GDP)、政府開発援助(ODA)予算、国連への分担金、海外留学生の数などを例にとって、主要国と比較したときの低下を説明する。
海外留学生については、さきごろアメリカ国際教育研究所(IIE)による報告書から日本のメディアが紹介している。それによると、2011年秋から12年春までの学期でアメリカの大学・大学院で学ぶ日本人学生は前年から6%減って約1万9900人で、1990年代後半と比べると半分以下になった。一方、中国留学生の数は約19万人にのぼるという。
「過去十数年間で日本のアメリカにおける留学生の数はずっと下がっている。若者の内向きな面の表れかもしれない」と言う。

つぎに政府広報予算については、2006年度は100億円だったのが12年度は43億円と半分以下になっている。さらに「日本への関心」という点でいくつかデータを挙げている。
外国人から見た日本への関心が減少していると推測される事例だ。例えば、在日外国記者登録証の保持者と機関の数を見ると、1991年は保持者515人、機関337だったのが、2012年はそれぞれ309人、189とかなり減少している。
これは国際的にみて、ビジネスとしてのメディア界の力の衰えもあるだろうが、北京在住メディアの数を見ると、2004年は210社だったのが11年には356社と急増している。

欧米主要4メディア(ニューヨークタイムズ、ワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナル、ロイター通信)の報道数をみると、昨年は東北大震災の関係で日本関連が前年から急増したが、過去十年ほどを見ると、中国関連が増加しているのに対して、日本関連は、横ばいあるいは減少傾向にある。

こうした現状を踏まえて、赤阪氏はつぎに「日本からの情報発信」について触れ、まず「政治、経済、社会、文化などに関する海外向け報道のための日本の努力は、米、英、仏、独、中国などに比べて十分でない」と結論。「受信能力には優れているが、発信能力には必ずしも強くない多くの日本人」という榊原英資氏の言葉を引き合いに出す。

日本のメディア自体のあり方についても、マーティン・ファクラー(ニューヨーク・タイムズ東京支局長)の言葉を紹介し、その閉鎖性を示唆している。
 「日本の記者クラブからは、これまで幾度となく取材の“ジャマ”をされてきた」、「記者会見を密室に閉じ込めようとした当事者が、体制側でなく日本のジャーナリスト本人だったというのだから暗澹たる気分になる。いったい日本の記者クラブメディアは、だれのために存在しているのか」・・・。



「復興進まぬ被災地の今」

2012-12-03 07:44:05 | 日本

福島第一原発事故によって帰還困難区域とされ、バリケードが築かれた飯舘村(いいたてむら)長泥(ながどろ)地区の鴫原良友区長は、今の現実を切実に言う。
われわれは同じ日本人、同胞として、この切なる声を真摯に聴かねばならない。


「進んだのは時間だけ。復興を早く進めてほしいのに、今解散?最近、もう忘れられたのかなって思います。前は支援物資が送られてきたし、メディアもよく被災地を取り上げてくれた。去年は国会議員も大臣クラスの人も飯舘村に来てくれたが、今年に入ってからはさっぱり来ない。今じゃ選挙に向けて陣取り合戦ばっかりやっています。被災地のことなんか、ほんとに考えてんのかな。 仮設に入ってね、ああいう狭いところで暮らしてる人なんて、怒りたくても怒る気力がわかないんです。この半年なんか、除染も賠償もいろんなことがみんなストップしています。除染で出た汚染土の仮置き場も、まだできてない。まだ復興のスタートラインにも立ってない。 

国がそういう道筋を決めてくれないと県も村も動けないし、私たちは希望を持てない。なのに今ごろ解散するっていうんですからね。 何年経ったら除染が済んで、復興をスタートできるのか、村に戻れるまでに何年かかるのか? 
国が滅んだら復興も何もできなくなるんで、まず健全な日本をつくってもらわないといけないとは思う。でもそれと一緒くらいに復興のことも考えてもらいたいと思います。

飯舘村が全村避難と決まったのは去年の4月22日でした。それまでの1カ月半は、ただちに健康に影響はないという例の決まり文句で、大丈夫だと思い込まされていた。それが何なのだ!

今、一番辛いのは職がなくなることだって、初めて分かった。

金もらって暮らしてる避難民が、パチンコ行ったり飲み屋に行ったりしている。そんな風に責められることがありますけど、ストレス解消のためと、大目にみてほしいと思います。

避難先に籠もってたら鬱病になるか、そうでなければそのうち暴れ出すかです。それに毎日そうやって遊んでる人はごく一部です。ほとんどの人は我慢してます。

年月を費やして育てた土は除染しても戻らない。
飯舘村の人はまだだれも元の家に戻っていません。
もうみんな帰村してるって誤解してる人がいるみたいだけど、なんでそういう話が伝わってんのかな




「党乱立時代!政党を見極める超簡単な方法」

2012-12-03 07:42:56 | 日本

現代ビジネスのドクターZなる人物が「党乱立時代!政党を見極める超簡単な方法」を載せていた。なるほど参考になるの、以下に要約し記す。



いよいよ総選挙(投開票日=12月16日)がやってくる。前々回の総選挙は郵政選挙、前回は政権交代選挙とシングルイシューだったが、今回は消費税、原発、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、景気、社会保障、尖閣・竹島、憲法改正などテーマ(争点)が多数ある。シングルイシューに辟易していた人たちには、待ちに待った選挙といえる。 

ただ今回は過去最多の14もの政党が乱立している。しかも、それぞれの党が個別テーマについて独自政策を掲げるので、どの政党が何を主張しているのか見えづらい。 

消費税増税容認かストップか、原発は脱路線か継続か、TPPは賛成か反対か、景気対策は大きくか必要最小限度か、社会保障は低負担低給付か高負担高給付か、尖閣・竹島は強硬路線か対外配慮か、憲法改正は必要か阻止か、という組み合わせだけで、ためしに計算してみると128通りものパターンが出てくる。どこに投票すればいいのか迷っている人に、わかりやすく政策・政党を見渡す術を伝授しよう。

やることは簡単で、政党・政策を二つの軸で切るだけ。一つは保守か革新か。これは古くからある右か左かであり、政治的な視点から考える際に参考になる座標軸だ。 

もう一つは小さな政府か大きな政府か。前者は政府になるべく依存しない、後者は政府依存が大きい考え方で、経済的な視点から考えるのに役立つ座標軸である。 

冒頭であげたテーマ群はいずれも政治的かつ経済的な問題なので、どちらか一つの視点から考えるのは難しいが、あえて政治的な視点から原発、尖閣・竹島、憲法改正を、経済的な視点から消費税、TPP、景気対策、社会保障を考えるとしよう。 

保守系は、原発は継続、尖閣・竹島は強硬路線、憲法改正は必要。革新系は脱原発、対外配慮、憲法改正阻止となることが多い。 

また、小さな政府路線は、消費税増税ストップ、TPP賛成、景気対策は財政を除き金融政策、社会保障は低負担低給付。大きな政府路線は増税容認、TPP反対、財政出動も含め大規模政策、高負担高給付になる傾向があるといえる。 

こうしてみると、民主党は革新系で大きな政府路線、自民党は保守系で大きな政府ということになるだろう(民主も自民も表面的にはTPPで賛成の方向を示している点は注意が必要)。 

第三極では、日本維新の会は保守系で小さな政府。日本未来の会」は革新系で大きな政府だが、消費税反対という点で民主党との違いが出てくる。 




「青嵐会とは、②」

2012-12-02 09:34:57 | 日本

<結成メンバー>

メンンバーが皆、すごく若いのが特徴である。


◎衆議院議員(26名)
中川一郎(代表世話人、当選4回)
藤尾正行(代表世話人、当選4回)
湊徹郎(代表世話人、当選4回)
渡辺美智雄(代表世話人、当選4回)
石原慎太郎(幹事長、当選1回)
浜田幸一(事務局長、当選2回)
中尾栄一(座長、当選3回)
内海英男(当選3回)
加藤六月(当選3回)
森下元晴(当選3回)
森 喜朗(当選2回)
山崎平八郎(当選2回)
綿貫民輔(当選2回)
佐藤 隆(当選2回)
阿部喜元(当選2回)
江藤隆美(当選2回)
国場幸昌(当選2回)
近藤鉄雄(当選2回)
中村弘海(当選2回)
中山正暉(当選2回)
松永 光(当選2回)
島田安夫(当選1回)
中尾 宏(当選1回)
野田 毅(当選1回)
林 大幹(当選1回)
三塚 博(当選1回)
山崎 拓(当選1回)


◎参議院議員(5名)
玉置和郎(代表世話人、当選2回)
楠正俊(当選2回)
土屋義彦(当選2回)
丸茂重貞(当選2回)

 
政治部記者当時、青嵐会の担当だった毎日新聞元常務の河内孝氏が話す。

彼は、夜討ち朝駆けで中川一郎や玉置和郎、渡部美智雄、石原慎太郎、浜田幸一各代議士のオフィス、自宅とへ通った。だから青嵐会の主要メンバーらの秘話が夥しく出てくる。

ともかくあの時代の政治家には、いまの小泉チルドレンとか、小沢チルドレンなどが持たない、というより現代日本人から失われた「何か」を持っていた。小泉のカイカクとか、ハト某の「友愛」とか、ふやけきった科白の前に、改憲に血判をして命がけで田中政治の巨悪と闘った野武士集団がいた。中川一郎、浜田幸一、渡部美智雄、石原慎太郎、中尾栄一、藤尾正行、玉置和郎、中山正輝等々。

あらためて青嵐会の主張や行動を跡づけてみると、それらが今日的な政治テーマと幾重にも重なっている。血判による衝撃的な誕生、そして気がつくと、真夏の通り雨のように消え去っていた青嵐会。6年足らずの活動が派手だっただけに、その幕切れは、意外なほどあっけなかった。昔から政界に議員グループは数多くあったし、いまもある。しかし自らを『行動集団』と称し、名に恥じず、というより、名前の方が恥じ入るほど暴れ回ったのは青嵐会だった。彼らは、何時でも口角泡を飛ばし、胸ぐらをつかみ合い、灰皿や瓶を投げつけ、野蛮な極右とメディアに酷評された。70年代半ば、戦後政治史上未曾有の熱さと厚かましさで一躍脚光を浴びた政治集団『青嵐会』いま、政治に求められている「なにか」が彼らにはあった。

真夏の通り雨のように青嵐会は消え去り、中川一郎は自裁した。中川派は衣替えして「石原派」となり、やがて清和会に吸収され、代が変わり、永田町で改憲をいう正気の政治家は数えるほどとなった。精神よりカネ、自立を忘れ、他国に依拠し、歴史を自ら破壊し、魂がガランドウになった日本の政治へのアンチテーゼだった青嵐会。その行動の軌跡を懐かしむだけでは済まされない。いや忘却の彼方にあった、この野武士集団の軌跡を蘇生させて政治の本義の再考を促す。

<了>




「青嵐会とは、①」

2012-12-01 07:42:21 | 日本

わが輩の青春を突き動かした「青嵐会」
今回は、このを「青嵐会」を再考することにより、今からの政治家や政治の有り方を考えよう。
以下、2回にわたり記す。



青嵐会(せいらんかい)は、1973年、自由民主党の派閥横断的に結成されたタカ派の衆参両若手議員31名からなる政策集団である。

青嵐は寒冷前線の意味で、会名は「渾沌停滞した政界に爽やかな風を送り込もう」という意味を込めて石原慎太郎が命名した。設立趣意書には「いたずらに議論に堕することなく、一命を賭して、右、実践する」とあり、結成時に石原の提案で会員名簿に血判状を捺した事で知られる。

中華民国支持の立場をとり、田中角栄首相による日中国交正常化に伴う中華民国との断交に絶対反対の姿勢を貫き、自民党外交部会などで強硬に主張した。1973年の「日中国交正常化1周年記念」に対抗して「中華民国断絶1周年訪問団」を結成し、台北市を訪問した。自民党議員による北朝鮮訪問を実力で阻止したこともある。反共を標榜していたが、当時中華人民共和国と対立していたソ連に対しては柔軟で、在京ソ連大使館職員を招いて勉強会を開くなどしている。

結成当初より、集会では会場となった日本武道館を満員にするほどの人気を得ていたが、マスコミからは「自民党の右翼集団」「極右集団」などと批判された。また、思想面で近いことから「福田赳夫親衛隊」などと言われることもあった。中川、石原、玉置ら、福田・岸系列に近い人間が多かったため、それらの指摘がある側面も存在する。

結成から間もなくして、中華人民共和国に対する強硬論に反発した山崎拓が中川の度重なる説得にも翻意せず脱会し、それに続いて野田毅、綿貫民輔、内海英男ら離脱者が続いた。1977年になると、中川の農林大臣就任をきっかけとして、中川と渡辺が対立するようになった。

1979年に解消。中川は石原ら一部のメンバーと青嵐会の意志を引き継いだ自由革新同友会(中川派)を結成した。


「結成趣意書」

自由民主党は、敗戦のドン底から、驚異的な繁栄を築いてきた。
しかしながら、今や歴史の推移とともに、高度経済成長のもたらした物価、公害などのもろもろのヒズミを生じているが、われらはこれを是正し、克服する努力とともに、わが党・立党の精神に立ち返り警鐘を乱打し、政治並びに党の改革を断行せんとするものである。われわれは、いかなる圧力にも屈せず、派閥を超越し、同志的結合を固め国家・民族的視野に立って行動する。
それこそがわれらに与えられた歴史的使命であることを確信する。

①自由社会を護り、外交は自由主義国家群との親密なる連携を堅持する。
②国家道義の高揚を図るため、物質万能の風潮を改め、教育の正常化を断行する。
③勤労を尊び、恵れぬ人々をいたわり、新しい社会正義確立のために、富の偏在を是正し、不労所得を排除する。
④平和国家建設のため、国民に国防と治安の必要性を訴え、この問題と積極的に取り組む。
⑤新しい歴史に於ける日本民族の真の自由・安全・繁栄を期するため、自主独立の憲法を制定する。
⑥党の運営は、安易な妥協・官僚化・日和見化など、旧来の慣習を打破する。

◎結び
青嵐会は、いたずらな論議に堕することなく、一命を賭して、右実践することを血盟する。(昭和四十八年七月十七日)


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