「先人の心に学ぶ」
◎目に見えない、肉体の中に意(こころ)が在り、意(こころ)の中に志を立てるのである。志を大きく持つか小さく持つか、「鉢」の大小に依って定まる様に、人は志」の大小に依って定まる。大志を抱く者は、この「鉢」を取り除けばよい。
◎時は夢幻の如くに浪費してしまう。
「朝起きて夕に顔は変らねど いつの間にやら年寄となる」
◎小人とは、教養なく度量が狭い人を言う。この為に人は、日頃に心の修養と胆力を練り上げて、艱難に対処のできる様に心を練り上げておかねばならない。
◎消防士が炎々と燃えあがる猛火の中に泰然として立つのも、荒れ狂う怒涛の中に自若として働くのも、皆、鍛錬と経験とによって得た確固たる自信と牢乎(しっかりしたさま)たる覚悟とがあるからである。
◎「金々と騒ぐ中にも年が寄り その身が墓に入相の鐘」
◎「外からは手も付けられぬ要害も 内から破る栗のイガ哉」
◎色と味
「美しき花によき実はなきものぞ 花と思はず実の人となれ」
柿、梨、栗などの実を付ける花は、実を付けない芍薬(しゃくやく)、牡丹(ぼたん)、百合(ゆり)の花のように美しい花は咲かせない。花を取るか、実を取るか。
色、美しくて、味、まずきものあり。
◎「咲く花の色香にまして恋しきは 人の心の誠なるけり」
お互いの容貌を見て好きになるのではない。好き嫌いは、己の心が教えるのである。そこには心と心が通じ合うのである。
◎「忠恕(ちゅうじょ)即ち、「思いやり」の義
大人、君子、偉傑の士は、己立とうと思えば人をも立て、己達しようと思えば人をも達する。仁の意義はここにある。
◎雅量とは、心の正しく広いこと。
◎人は、金の乏しいとこれを嘆くが、それよりも人物の少ないことを残念に思う。
◎今の日本に要するものは金にあらず、寧ろ大人物の登場であろうと思う。