龍の声

龍の声は、天の声

啐啄同時とは、」

2018-09-18 05:47:31 | 日本

「啐啄同時」(そったくどうじ)  逃すことのできない好機をいいます。

【啐】は、口+卒(サイ)からできた形声文字です。
意味は①おどろく②呼ぶ③子供をあやす声④なめる、などがあります。「ソツ」は慣用読みです。
仏教のほうで
【啐】は、卵の内側から雛が声を発して殻から抜け出ることを告げる意味になりました。
【啄】は、口+豕(タク)からできた形声文字です。意味は①ついばむ②たたく、です。
仏教のほうで【啄】は、親鳥が殻をつついて雛の出るのを助けることを意味します。

【啐啄】は、禪宗において、今まさに、悟りを得ようとしている弟子に、師匠がすかさず教示を
与えて悟りの境地に導くことをいいます。

【啐啄同時】は、何かをするのに絶好のタイミングを表す四字熟語になりました。

『碧巖録:ヘキガンロク』の七則にでています。

法眼禪師に【啐啄同時】底の機有り。【啐啄同時】底の用を具して、方(はじ)めて能(よ)く此(かく)の如く答話す。

『碧巖録』『無門関:ムモンカン』は日本でよく読まれている禪の本(公案集)です。この二つの書物は特に臨済系の禪において尊重されているそうです。