古代中国を題材にした小説を読んでいると、どうしても司馬遷の「史記」読んでみたくなってくる。司馬遷は、漢・武帝の時代の史官で、この本によれば、刑罰を受け、男根を切られて「生き恥をさらした」男だそうだ。そうまでしても、正しい歴史を後世に残す事に執着したという事だろうか。「史記」の日本語訳は多く出ており、図書館の蔵書の中から、まずは適当に選んでみた・・・・。この「史記Ⅰ 覇者の条件」は、春秋時代までが書かれている。
古代中国は、黄帝から、堯(ぎょう)、舜(しゅん)、禹(う)と続く伝説時代から始まる。伝説の時代は、徳のある人が、世の中を治めていくのだよね。その後、夏、殷、周と王朝が続くわけだが、王朝には滅亡のパターンがあるそうだ。徳により民を愛しみ王朝は始まるが、代が変わるうちに、驕慢となり女におぼれ、悪政を行って滅びるらしい。
夏王・桀は悪行により、殷の湯王に滅ばされる。殷の紂王と妲己が行ったとされる「酒池肉林」「炮烙の刑」。西周の幽王は愛妾・褒姒(ほうじ)の間にできた子供を跡継ぎにしょうとし、正妃とその子を廃そうとする。結局、正妃の実家が反乱を起こし、西周の時代は終わってしまう。
この後は、春秋時代だよね。東周には力がなく、日本の戦国時代の室町幕府のようだ。各地の諸侯が覇をとなえる時代が続く。読んでいても良く分からない、混乱のパターンだね。この「史記」では、歴史の流れが書かれているが、なぜそのようになったのか、今一つ理解できない。独断と偏見で時代の登場人物を面白く書く、歴史小説の方が良い(笑)
晋の文公は面白いかもしれない。「夏姫」?これはどういった人なのだ! 呉の伍子胥(ごししょ)を描いた小説はないか!
私のお気に入り度:★★★☆☆
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