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Runrun日記

~ わがままを控えて一日全う、ひび楽し ~ 団塊世代の独り言
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結婚願望

2017年06月29日 | 散歩道


今日は、図書館に行って、山之口貘さんの詩集を借りてきました。以前は持っていたのですが、断捨離のため処分してしまっていた。読みたい本は、図書館で借りれば良いと云うんのが、私の主義だから。

◇◇◇◇◇

『若しも女を摑んだら』

若しも女を摑んだら
丸ビルの屋上や煙突のてっぺんのような高い位置によじのぼって
大声を張りあげたいのである
つかんだ

つかんだ

つかんだあ と張りあげたいのである

摑んだ女がくたばるまで打ち振って
街の横づらめがけて投げつけたいのである
僕にも女が摑めるのであるという
たったそれだけの
人並のことではあるのだが

◇◇◇◇◇

私が山之口貘さんの、こんな詩を思い出したのは、息子が遅ればせながらも結婚したからです。
この詩は、何とも素直に男の気持ちを現わしているではないか。
貘さんは、貧乏詩人でも結婚願望が強かったらしく、その手の詩を沢山残しています。
付き合っている娘が詩人ではなく俳優に興味が有りそうな事を書いた『座談』とか、もっと直接的に『求婚の広告』とか(笑)

◇◇◇◇◇

『畳』

なにもなかった畳のうえに
いろんな物があらわれた
まるでこの世のいろんな姿の文字どもが
声をかぎりに詩を呼び廻って
白紙のうえにあらわれて来たように
血の出るような声を張りあげては
結婚生活を呼び呼びして
おっとになった僕があらわれた
女房になった女があらわれた
桐の箪笥があらわれた
薬缶と
火鉢と
鏡台があらわれた
お鍋や
食器が
あらわれた

◇◇◇◇◇

この後に、炭を買いに行ったけれど売って貰えなかったという『炭』という詩を書いているので、貘さんは、結婚してからも貧乏だったのではなかろうか。『結婚』と云う詩では、結婚前には「結婚、結婚」と泣いていたが、結婚後は「おかね、おかね」と泣くようになったと書いています。

永らく独身貴族生活をおくっていた息子はそのような事は無いだろうが、私はひたすら息子夫婦の幸せばかりを願う親馬鹿です。

座布団の上の楽

2017年06月27日 | 散歩道


何故か急に、山之口獏さんの詩が読みたくなりました。

『座蒲団』

土の上には床がある
床の上には畳がある
畳の上にあるのが座蒲団でその上にあるのが楽という
楽の上にはなんにもないのであろうか
どうぞおしきなさいとすすめられて
楽に座ったさびしさよ
土の上の世界をはるかにみおろしているように
住み馴れぬ慣れぬ世界がさびしいよ

◇◇◇◇◇

これは、若い頃に読んで、心に残った詩です。

若い頃の獏さんは、非常に貧乏で、ルンペンのような生活をしていたようです。これは、そんな獏さんが、知人の家に伺って座布団を勧められた時の想いを描いた詩とか。

座布団の上が楽なら、楽の上に有るのは何だろうか。楽の上には骨盤が座り、骨盤の上に背骨がつづき、頭が居座る。
私のように加齢となると、骨盤や背骨、頭の座りも悪くなり、健康志向で、腹筋背筋の強化を試みてもおぼつかない。
胡坐をかいて座り、仙骨を上に突き上げるように座り、目をじっと閉じてみる。果たして楽は???

最近読んだ本ー復讐鬼

2017年06月24日 | 本と雑誌


A・デュマ 著作 鈴木力衛 訳 「ダルタニヤン物語5 復讐鬼」 復刊ドットコム

19世紀のフランスの作家デュマが、17世紀の出来事を舞台にしてドラマを描くのこうなるのか!

デュマがこの小説の書いた1845年のフランスは、ルイ・フィリップ王による七月王政時代で、フランス革命の後では有るが、未だ共和政が定着していない時代。この小説の舞台は、ピューリタン革命、フロンドの乱の時代でやっと民主主義が芽生えだした時代???

四銃士達は、イギリス王チャールズ一世を助け出そうとしますが、うまくいきません。これが21世紀の日本の作家が描いた小説なら、史実を捻じ曲げてでも助け出したかも知れませんが(笑)
復讐鬼となったミレディの息子モードントに、ことごとく邪魔されてしまいます。チャールズ王は処刑され、四銃士達はモードントを斃しフランスに戻ります。

少しコミックで現実味は欠けますが、19世紀のフランスの大衆にはうけたのでしょうか? ドアのどんでん返しを使って、モードントが逃げ出すシーンとか、稲妻号の爆破シーンとか、劇画とかテレビドラマにすれば迫力ありそうですね。

フランスに帰ってくると、フロンドの乱に巻き込まれます。シャラントンで王軍側とフロンド軍側は決戦を行い、王軍が勝利します。そして、リュエイユで和議が図られます。

イギリスでマザランの命令に背いたダルタニヤンとポルトスは、マザランに逮捕されますが、四銃士達は逆にマザランを捕まえてしまいます(笑)
和議を嫌ったマザランや太后を脅して、和議を承認させます。太后や王様がパリに帰還してこの物語は終わります。
太后や王様を護衛してパリに戻る時に、乞食の総元締めとなったボナシューやローシュフォール伯を殺してしまいます。これは「三銃士」からず~っと読んでいないと、何の事だか分かりませんね。

デュマが描くと、フロンドの乱はこうなるのですね。フロンドの乱には、まだ続きがあるようですが・・・

この小説のお気に入り度:★★★☆☆

今日は、スポーツクラブで、エアロビクスと社交ダンスをしてきました。
あまり頑張り過ぎると疲れますね。

最近読んだ本ー謎の修道僧

2017年06月15日 | 本と雑誌


デュマ 著作 「ダルタニヤン物語4 謎の修道僧」 復刊ドットコム

17世紀と云うと、日本では江戸時代に入った所、中国では明が滅びて清へと変わった時代。その頃、ヨーロッパでは?

1642年、イギリスではピューリタン革命が起き、1649年1月、チャールズ1世が処刑され共和政となった。フランスでは永い三十年戦争の中、1648年8月、コンデ公率いるフランス軍がスペイン軍と戦っていた(ランスの戦い)。同じく8月、三十年戦争のため重税を課せられた市民や、絶対王権のため既得権を奪われそうになった貴族たちが反乱を起こし、パリを包囲した(フロンドの乱)

この物語は、フロンドの乱の顛末を語ると思いきや、ランスの戦いで初陣を飾るべくコンデ公の元に向かったヴラジュロンヌ子爵の話から始まる。そこでミレディーの息子モードントが登場し、ミレディを私刑で処刑したダルタニアン達への復讐を誓う。
チャールズ1世の妃や娘が登場したりして、歴史の分からない私は、こりゃなんだ????

歴史とは、古代から王族・貴族と民衆との、権力闘争の繰り返し。王は、王権神授説を唱え民を顧みず、貴族たちは自分たちの利益ばかりを考え民を顧みず。それへの反発が、ピューリタン革命やフロンドの乱だったのだろう。

アトスとアラミスは、チャールズ1世の王妃アンリエットの依頼で、チャールズ王を救出するべくイギリスに向かう。フランスでは、フロンドの乱が激しくなり、パリの市街はフロンド派に制圧されてしまった。ダルタニヤンとポルトスは、太后アンヌと枢機官マザランを王宮から脱出させる。臆病でけちん坊だが、狡猾なマザラン。気高く、市民は王の言いなりになっていればいいと思っている太后。
マザランは、ピューリタン革命の指導者クロムウェルへの返書を持たせて、ダルタニヤンとポルトスをイギリスに向かわせる・・・。

イギリスでは、イングランドとスコットランドの国境あたりで、チャールズ1世とアトス、ポルトスはピューリタン側に捕まってしまう。ダルタニヤンとポルトスは、捕虜となったアトスとポルトスを救い出そうとするが・・・・。
やだね、復讐の鬼となった、ミレディーの息子モードント!

歴史を追ってみると・・・。私には、よく分からん!
イギリスのピューリタン革命は、ピューリタン側が勝利し、王政⇒共和政に移行した。しかし、指導者クロムウェル自身が独裁政治を行うようになって民心が離れ、その死後は王政復古となったようだ。
フランスのフロンドの乱は、最終的には、王側が勝利し、ルイ14世による絶対王権がなったようだ。

同時期に起こっていたこの事件を、うまくミックスしてこの小説を描いた?

中世封建社会から近代市民社会への移行という大きな変化が始まっていたこの時期を、19世紀の作者はどのように評価していたのだろうか?

この小説のお気に入り度 ★★★★☆

昨夜のコンサートは?

2017年06月07日 | 好きな音楽


今日は雨、とうとう梅雨入りしたそうです。
私は、天候・気温の変化には弱く、足の感覚異常で、今日は辛い一日になりそうです。

昨夜はコンサートに行ってきました。お題目は
辻井信行×服部百音 究極の協奏曲コンサート

エルンスト(1814-1865)は、パガニーニに魅せられた人だったらしい。無伴奏のバイオリンの曲と云えば、バッハのパルティータ・ソナタや、パガニーニの奇想曲が有名だと思いますが、この人も書いていたらしい。

エルンスト:≪夏の名残のばら≫による変奏曲
百音さんのソロ。パガニーニを思わせる超絶技巧の旋律で始まりました。そして「庭の千草」の変奏曲。この曲は、知らなかったけれど、とても好きになりました

チャイコフスキー:バイオリン協奏曲
百音さんは、ピンクのハンケチで何度も汗を拭いながらエネルギッシュに演奏されていました。
四大ヴァイオリン協奏曲って云われる曲が有るけれど、どの曲が、演奏するのに一番体力が要るのだろうか?
力強い演奏に感激しました。
最後に指揮台の上にハンケチを置き忘れて退場しました。(?)
次に出て来た時にもって帰りましたが・・。余計な心配?(笑)

ショパン:英雄ポロネーズ
ショパン:ピアノ協奏曲第1番
辻井さんのピアノは安心して聴けますね。私はオーケストラばかり見ていました。
明るくて、心地良い演奏でした。第二楽章での管楽器(ホルン?)の甘い響きが良かった。
後から二列目一番右側に女性がじっと座っていました。自分の出番が来るのを待っているのですね。
楽器は何だろう? 第三楽章に入ったら、大きなトロンボーンを持ち上げました。
弦楽器はいつも出番が有るけど、出番の少ない管楽器は、これも大変なんだろうなって、変な事を考えていました。

アンコールは、バイオリンソナタでもするかと思っていたけど

服部隆之:大河ドラマ「真田丸」のメインテーマ
曲が始まると、拍手がわいた よく知らないけど、作曲者は百音さんのお父さん?
今時の曲で、感動しました

演奏会が終わって、オーディオに口煩い友人に、今日のオーケストラ(日本センチュリー交響楽団)について聞いてみました。彼はもう少し繊細な音が好みらしい。私は、明るくってメリハリのある、良い演奏だと思ったけれど・・。