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萌映画

映画評と映画与太話

日本誕生(1959)

2005-04-17 | 映画評・ファンタジー
八岐大蛇はキングキドラというよりネッシーだった!
というわけで、元祖日本空振りスペクタクル(?)の「日本誕生」を見た。
日本神話とヤマトタケル説話が交互に出てくる一大巨編だ。上映時間も3時間、途中休憩が入る…。
東宝1000本記念映画というだけあって、キャストが超豪華。邦画をあまり知らないrukkiaも名前を知っている俳優がじゃんじゃん出ている。
監督の稲垣浩(故人)は時代劇をいっぱい撮っていた人のようだ(ごめん、知りません)。
そして特撮は日本特撮のパイオニア・円谷英二!

古い日本映画ということで、今回はネタバレも字の色を変えずにいくので、悪しからず。

のっけからやってくれます、国生み神話、セットがまるで学芸会。衣装も学芸会。そして演技も学芸会…。ある意味、予想通り。ああ、だから日本映画は(^^;
国生みを命じられる伊邪那岐と伊邪那美は…野蛮人ルック。ありゃりゃ…。
でも、この映画、見上げた点は神様がコメディアン中心だっていうこと。国生みを命ずる天御中主命(あめのみなかぬしのみこと)は左卜全だったりする。まあ、他のキャストもすごいのでここでもチェックしてみてくだされ。

気を取り直して、ヤマトタケルである。三船敏郎がやっているのだが…、この人、大役を多くやってるわりには演技がいまいち。乱暴者はぴったりなんだけど、王子・英雄といった器ではない。まあ、他に適任者がいるかというとわかんないんだけど。
野蛮なことしている時は光っているのだが、日本武尊(やまとたけるのみこと)が「いい人ぶり」を発揮するところは学芸会芝居だ…。弟橘姫(おとたちばなひめ)(司葉子)や美夜受姫(みやずひめ)(香川京子)があんなにほれちゃうのがよくわからない。
日本武尊の副官に吉備武彦(きびのたけひこ)(平田昭彦)がついている。平田さん、昔、TVドラマで見た時は嫌いなタイプだったのだが、これを見ると往年の二枚目俳優というのがよくわかる。スマートな参謀役だ。
そして鶴田浩二 as 熊襲・弟建 (くまそ・おとうとたける)はてっきり悪役だと思っていたのだが…、いい役だ。
あらま、東野英次郎 as 大伴建日連 (おおとものたけひのむらじ)って悪役俳優だったのねん。大和朝廷の話なのに、”悪代官”って感じ。
クレジットで大きく出てくる宝田明 as 若帯日子命(わかたらしひこのみこと) は一瞬しか出てこない…。
あ、五百木入日子命(いおぎのいりひこのみこと)って美青年じゃん!
…検索検索…
むむ、この久保明って人、怪獣ものにばっかり出ているけど、あまり見た記憶がないな…。

女優陣はなかなかよかった。倭姫(やまとひめ)の田中絹代も抑えて演技が光っていたし、司葉子 as 弟橘姫も清楚でよかったし、香川京子 as 美夜受姫もキリっとしてかっこよかった。
御立派なのは原節子 as 天照大神(あまてらすおおみかみ)。まあ、あんな役を威厳を落とさずにしっかりやれたもんですわ。乙羽信子の天宇受女命(あめのうずめのみこと)も軽快に踊っていてびっくり。だってさ、和服のおかみさん姿しか見てないから(^^;
で、杉村春子ってこの頃からおばあさんだったのねん > 語り部の媼 < 媼と呼ぶにはまだ早い50歳

最初に戻るが、八岐大蛇と須佐之男命の戦いはほとんど「恐竜100万年」。そして、最後の火山爆発と地割れも「恐竜100万年」。
でもさ、あっちは1966年だから、これのほうが先なんだよね、もしかして、あっちの人たち、これを見てパクったか!?(英語パンフもあるみたいだし…)

とあんなこんなで、奸に見ていたわけだが、同時代のハリウッド映画が「ベン・ハー」となれば、スペクタクルにつける点も辛くなるわぁ。
でもさすが、火山海洋国、嵐と火山の表現は秀逸。
ただね、いつも思うんだけど、走水って東京湾でしょ、船が沈むほどの嵐が来るとは思えないんだけど…。

英語の題名は「三種の神器」のことでしょうか…。でも、これ、勾玉は出てこないぞ…。


萌え度:…日本人はダメかのぉ
好き度:
鑑賞:DVD(2005.4)


英題:The Three Treasures
監督:稲垣浩
配役:三船敏郎(日本武尊/須佐之男命)
   司葉子(弟橘姫)
   平田昭彦(吉備武彦)


日本誕生
東宝
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高飛車価格だね、高いよ!


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