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あぁ、富士の山

2007-07-01 18:29:40 | はしやすめ
きのう知人に用があって携帯電話に電話したら

「いや今ね、お山開きで浅間神社にきてるのよ~」

なんて云うものだから

「ええーっ、富士山にいるの!?」

と問い返せば

「違う違う、駒込の浅間神社!」


富士山が見える関東一円には
“浅間神社”と名の付くところがたくさんあるらしいのです。

浅間とは、火山を意味する古語だそうで。
人々の「火の山」に対する畏怖の念が
神社として形になっているのでしょう。

駒込にも“浅間神社”駒込富士神社があり、
地元では「駒込のお富士さん」といって
親しまれているのだそうです。
拝殿は富士山に見立てた山の上にあり、
毎年6月30日と7月1日はお祭りで
富士の山開きを祝うということです。


富士見ヶ丘とか富士見台などと
「富士見」と名の付く場所は、むかしそこから
富士山が望めたというのはよく知られたこと。

日暮里にある富士見坂は、今や都内で唯一
地上から富士山を望むことのできる場所で、
その富士山のちょうど左稜線が
マンションの建築によって見えなくなる、
富士の眺望をなくすな!という運動をしている
地元のみなさんに数年前お会いしたことがあります。

景観に関する条例などが手薄な日本において
需要があれば周りの環境はさておき
何でもビジネス優先で良いのか、という疑問を呈する意味でも
意義のある運動です。

富士見坂とマンションは少し離れていて
マンションを建築する側も、そんなクレームがつくとは
思いもよらなかったかもしれません。
でもきっと、そのマンションの「売り」は
“富士山が一望できる”というものだったでしょうし、
その一方で、マンションの背後では
生活の一部だった富士山が見えなくなると嘆く人たちが
いることも想像がつくことでしょう。

残念ながら問題のマンションは建ってしまいました。
現在も新たなマンション建築が続いているようですが、
そんな中、日暮里の富士見坂は
『関東の富士見100景』に選ばれています。
周りの騒がしい変化を、その堂々たる姿で寛容に包み込むように
富士山はいまも唯一無二の美しい姿を
地元の人々に見せているのです。


この日暮里の富士見坂に関する情報は
ここからどうぞ。


標高3776㍍の富士山では、きょう山開きが行われ
今年もまた御来光に多くの歓声があがったようです。

そして富士山は今年、世界文化遺産の暫定リストに
追加されました。